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2011年9月29日 (木)

とある飛空士への追憶

Photo ラジオドラマ化や漫画化もされた犬村小六の同名長編小説を映画化。2つの大国が戦争を繰り広げる中、一方の皇子の婚約者をとある傭兵飛空士が皇子の本国まで送り届ける道中を描いた物語だ。『時をかける少女』『サマーウォーズ』の奥寺佐渡子が脚本、同じくアニメ制作をマッドハウスが担当した。主人公狩乃シャルルの声を神木隆之介が、皇子の婚約者ファナの声を竹富聖花が務める。
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soon 10月1日(土)公開

長い物語からの抜粋のようだった

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『時をかける少女』『サマーウォーズ』とマッドハウスの名作アニメだけでなく、『パーマネント野ばら』『八日目の蝉』『軽蔑 』といった実写映画でも素晴らしい作品を残している奥寺佐渡子の脚本と言うことで、随分前から楽しみにしていた本作。結論から先に言うと凡庸で期待外れだった。もちろんそれは脚本が全面的に悪いという意味ではなく、作品全体としてという意味でだ。物語は中央海を挟んで1万2千キロ隔たった2つの大陸にある2つの大国、神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上が繰り広げる中央海戦争が舞台となっている。ファナ・デル・モラル(竹富聖花)はレヴァーム皇国のカルロ皇子(小野大輔)の許婚なのだが、彼女の家が治めるサン・マルティリアは帝政天ツ上の領内にあった。

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当然ながら狙われるファナの命。そこでデル・モラル空挺騎士団の腕利き飛空士で傭兵の狩野シャルル(神木隆之介)に彼女を水上偵察機サンタ・クルスで皇子の下へ届けるという秘密命令が下される。しかもこれは政治的理由から護衛は一切付かず、単機敵中を突破すると言うとんでもない作戦だった…。という前フリの部分が序盤から描かれ、物語の大半はそのごの3日間に渡る飛空機ロードムービーといった趣きである。原作は未読なのだが、果たしてこんなに薄っぺらい内容なのだろうか。この世界の設定や、人物の背景も含めて本来もっと深みがあるのだと思うのだが、この作品だけ観るとまるで50話ある中の1,2話を抜粋したかのように感じた。

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敵に襲撃され必死で逃げ、狩野が怪我を負い、小島で束の間の休息を取る。道中の3日間の内容といえばそれだけだ。もちろんサンタ・クルスと天ツ上空軍の新鋭機・真電のドッグファイトシーンは映像的には中々見ものではあるが、乗っている狩野とファナからはまるで緊迫感が感じられない。そもそも神木隆之介と竹富聖花のメイン2人の声の演技力がいま一つ不足している。特に竹富聖花はキツイ。彼女からはファナの心情や、その時々で彼女が置かれている状況が伝わってこない、要するに竹富聖花とファナが全く一致していないのだ。誰かが声を当てている姿が目に浮かんでしまった。…と思ったら、彼女はそもそも今年1月にドラマ初体験したばかりの新人ではないか。要するに素人ということだ。

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天ツ上空軍のエースパイロットとのドッグファイトに2人は力を合わせて勝利する。しかし負傷した狩野は小島に身を隠し束の間の休息を取るのだった。意識を失うほどの重傷だと思ったら、ファナの手当て程度で翌日には殆ど回復してしまうのだから驚きだ。しかもファナが突然その長髪をバッサリ切り、何やら挑発的な格好をしているのは何故だろう?彼女の人物像がいま一つ掴み辛い。もっともこのシークエンスは狩野とファナの過去の意外な接点を明らかにするためだけに存在していると言っても良いので、その意味では2人の距離感を近付けるための演出とも言えるかもしれない。翌日、無事ファナを引き渡す狩野だが、その別れのシーンは身分の違いや傭兵の虚しさを痛感させるものだった。

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で、終わり。何だかコレという見所もなく、心振るわせるシーンもなく、淡々と物語は流れて行ってしまったように思う。正直言うと本作で印象に残ったのは天ツ上空軍エースとのドッグファイトと小島のシーンの2つだけで、後は殆ど何も残っていない。ちなみにあとから調べた所によるとこの天ツ上空軍のエースパイロット・千々石の声をサンドウィッチマンの富澤たけしがやっているというではないか。中々に渋い声で結構上手い。本作は映画としては特筆する何ものもないが、個人的にこの世界観は好みであり、実在の震電をモデルにした真電などのメカニカル系は男子の心をくすぐるものがあるだろう。原作できちんと読んでみたくなる作品だった。

soon 10月1日(土)公開

個人的おススメ度2.5
今日の一言:いい声優さんは一杯いるよ
総合評価:59点

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受信: 2011年9月30日 (金) 01時41分

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受信: 2011年10月 1日 (土) 21時21分

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受信: 2011年10月 2日 (日) 02時54分

» とある飛空士への追憶(アニメ映画) [映画とライトノベルな日常自販機]
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【映画】とある飛空士への追憶 犬村小六の長編小説をアニメ映画化。 アニメーション制作はマッドハウス。 【あらすじ】 中央海という海を挟み、神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の両国は、常に激しい戦闘を展開していた。そんな中、レヴァーム皇国の飛空士シャルルは、次... [続きを読む]

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受信: 2011年10月10日 (月) 22時26分

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受信: 2011年10月17日 (月) 12時38分

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★★★☆  いつの時代のどの国のお話なのかはわからない。王子さまやお姫さまががいる時代のお話かと思えば、戦闘機は第2次世界大戦のものみたいである。だが敵の飛行物体をみていると、まるで未来の宇宙船といっても良いし、「シンデン(震電)」という戦闘機は、旧日本海... [続きを読む]

受信: 2011年10月19日 (水) 22時19分

» 『とある飛空士への追憶』をテアトル新宿で観て、まあまあやんふじき☆☆☆ [ふじき78の死屍累々映画日記]
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受信: 2011年10月21日 (金) 22時51分

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とある飛空士への追憶 378本目 2011-38 上映時間 1時間39分 監督 宍戸淳 出演 神木隆之介(狩乃シャルル) 、 竹富聖花(ファナ・デル・モラル)      富澤たけし(千々 ... [続きを読む]

受信: 2011年10月31日 (月) 00時05分

» とある飛空士への追憶 [迷宮映画館]
もっとハチャメチャにしてもらってもよかったなあ、アニメなんすから。いや、そうならないのがアニメか。。 [続きを読む]

受信: 2011年12月 5日 (月) 22時07分

» 「とある飛空士への追憶」 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
脚本、奥寺佐渡子、と聞けば観ないわけにはいかない。 「学校の怪談」、「時をかける少女」、「サマーウォーズ」・・・。 決して堅苦しくなく、けれどきちんと映画のツボを押さえた脚本はいつも完成度が高い。 彼女が脚本を書いた作品にまず、はずれはない。 ・・・はずだった...... [続きを読む]

受信: 2011年12月23日 (金) 22時39分

» とある飛空士への追憶 [映画、言いたい放題!]
「時をかける少女 」「サマーウォーズ 」のマッドハウスの新作! そりゃ観ないわけにはいきませんよ。 海を挟んで12000km離れた、 西方大陸を支配する神聖レヴァーム皇国と 東方大陸を支配する帝政天ツ上の両国は戦争を続けていた。 レヴァーム皇国皇子カルロ・レヴァ... [続きを読む]

受信: 2012年3月 2日 (金) 01時48分

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