ファイナル・デッドブリッジ／Final Destination 5

きっかけとなる大事件では何とか生き延びるものの、結局最後は死の運命から逃れられないという死の恐怖を描いた人気ホラーの第５弾。今回は橋が落ちる事故から無事逃れた８人の男女の様々な死に方を見せる。出演はニコラス・ダゴスト、エマ・ベルほか。監督はスティーヴン・クエイル。毎度不謹慎ながら、どんなグロイ死に様を見せてくれるかに注目だ。
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新ルールは失敗だったな…

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オープニングでの事故を無事生きながらえても死の運命は変えられない―。毎度生き残った人間たちがどれだけグロクかつ奇想天外な死に方をするのかを楽しむという、悪趣味極まりないシリーズの第５弾だ。しかも前作に続いて３Ｄ。作り手側も解っていていやらしい映像表現をするのだが、コレが解っていても中々上手い。今回はタイトルが示すとおりオープニングで橋が落ちる事故が起こる。居合わせたのは製紙会社の社員旅行のご一行様だ。結論から先に言うと一行の一人、主人公サム（ニコラス・ダゴスト）はこの事故の予知夢を観ることで８人の社員が生き残ることになる。ただ、夢の中とは言ってもコレが中々エグイ死に様のオンパレードなのだ

サムの親友ピーター（マイルズ・フィッシャー）の恋人キャンディス（エレン・ロー ）が最初の犠牲者となるのだが、橋から落ちてゆく丁度そのタイミングで下をヨットが通り、マストに腹を貫かれて絶命するというあまりにピンポイントな死に様には思わず吹き出してしまった。焼けたコールタールを頭から被ったり、鉄の棒が刺さりまくったり、川に落ちたその上に車が落ちてきたり、切れたワイヤーに跳ね飛ばされて一瞬で破裂したりと、よくもまあ悪いタイミングが重なるものである。しかし考えてみるとこのシークエンスの死に様が観ていて１番面白かった。この後生き残った８人はラッキー８などと呼ばれるのだが、例によって今度は１人ずつ現実に死んで行くことになる。

夢の中で死んだ順番通りに現実でも死んでゆくこちに劇中では途中でサムが気付くが、これは観ている方は大抵分かるのではないか。それにしてもチョットありえない死に様に突っ込みを入れたくてウズウズ。段違い平行棒から落ちてサバ折状態になって死ぬことはいくらなんでもありえないし、頭を粉々にするほど重い彫像が壁の棚に普通に置かれているのは不思議だ。そしてレーシック？手術のマシーンが暴走するシーンに到っては、それで目を傷つけられて泣き叫んだ女が窓を突き破って転落死したに過ぎない。どれもこれも奇をてらいすぎて完全にスベッている。更に今回いつもとチョット違ったのは、自分の代わりに誰かが死ねばその人間の人生を代わりに生きられるというルールが出来たこと。

ただ、アイディアはともかくルールそのものが明確ではないので、せっかくの取り決めが今一つ説得力を持ちえず、どうも空回り気味だ。つまり誰でも良いから殺せばいいのか、或いはそこに何かの条件があるのかというのが不明なのである。ピーターは自分の死の順番が近付いたこと、そして自分の恋人キャンディスは死んだのに、サムの恋人モリー（エマ・ベル）だけは「夢の中でも死なない＝現実でも死なない」ことに納得が行かず、彼女を殺して自分は生き延びようとする。ただ少し疑問だったのだが、モリーは夢の中で死んだシーンはなかったが、それはサムが先に死んだから見ていないだけではないのか…。結果的には彼女も死ぬのだからそう考えた方が自然な気がする。

しかもちょっと考えれば解ることだが、これはパラドックスなのだ。少なくとも夢の中でピーターはモリーより先に死んでいる。だから当然ピーターに殺されること自体あり得ない。かくしてピーターはサムに殺される。それも何の工夫もなく。一見死の運命から逃れられたように見えるサムとモリーなのだが、残念ながらこのシリーズで生き残りはあり得ない。こう考えるともうこのシリーズも潮時というか、もう十分だと言う気持ちになってくる。何しろ観る前から結末ありきなのだから。最後は飛行機事故で２人どころか乗員乗客が死んでしまうという何だかやたらと大味な結末だ。エンディングでシリーズでの死に様特集が流れるが、あの時はもっと工夫があったなぁとしみじみ感じた。

個人的おススメ度2.5
今日の一言：もうお腹一杯。
総合評価：58点

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