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2011年10月17日 (月)

電人ザボーガー

Photo 1974年~75年に放送された人気特撮ヒーロー『電人ザボーガー』を『ロボゲイシャ』の井口昇監督がリメイク。主人公の大門豊の青年期と熟年期という二部構成で、宿敵シグマとの対決を描いている。青年期の大門を「炎神戦隊ゴーオンジャー」の古原靖久、熟年期の大門を『脱獄王』の板尾創路が演じる。共演に竹中直人、柄本明、渡辺裕之、山崎真実、佐津川愛美ら演技派が揃う。
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オリジナルへの愛情たっぷり!

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正直言って色物だと思っていたのだが、これが予想に反してかなり面白かった。といってもこの面白さは人を選ぶと思う。そもそも『電人ザボーガー』が好きな人は当然だが、最低でも日本の特撮ヒーローが好きで、バカバカしいB級テイストの笑いを受け入れられ無いとつらいだろう。ましてこの作品に突っ込みを入れるのは無粋というものだ。個人的には再放送でてっれびドラマを観ていたクチで、砂場でマシーン・ザボーガー(バイク形態)で夢中になって遊んでいたものだ。もうオープニングでタイトルがクレジットされた瞬間からテンションが大幅アップ!このあたりもはや特撮ヒーローに対するパブロフの犬状態になっているという話もあるが…。ただ掛け値なしに格好良いタイトルバックだ。

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実は私は全編に渡って板尾創路が演じるのかと思っていたのだが、本作は二部構成であり、青年期の大門豊は古原靖久が演じている。実は個人的にはこの青年期が最高にツボで一々笑えて仕方がなかった。いくら昔ながらの特撮ヒーローとはいえ、何もそこまでと言うほどに大げさな芝居なのである。それを若いイケメンの古原くんが演じること自体もう可笑しい。それに比べて板尾さんは芸人だけに、笑いのハードルはどうしても少し高くなってしまうのだ。そもそも大門は父親の大門勇博士を悪ノ宮博士(柄本明)率いるサイボーグ組織Σ(シグマ)に殺されてしまい、復讐心に燃えているという設定だ。一部の序盤、大門博士役の竹中直人の竹中テイスト炸裂なネタには劇場内が大爆笑だった。

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第一部は「たたかえ!電人ザボーガー!」という副題が付いていて、シグマの幹部、ミス・ボーグ(山崎真美)と大門との出逢いから、2人がお互いに惹かれあってしまい、何故か子供を作ってしまうところまでが描かれている。山崎真美の胸の谷間アップなど、このコスチュームの中で微妙なセクシーさを上手く出ていてイイ。ちなみにミスボーグはポーズを決めると胸の部分が開いてミサイルが発射されるというアフロイドA(by「マジンガーZ」)仕様。そして後半登場するミスボーグの部下の女サイボーグたちに到っては胸やお尻から恐竜?の頭が飛び出してくるハチャメチャさなのだが、この辺りは『片腕マシンガール』や『ロボゲイシャ』で魅せる井口監督テイストがよく出ていた。

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ここまで読むとキワモノ作品に聞こえるかもしれないが、実は第一部のストーリーは大門が守るべき人間にその価値があるのかと悩み苦しみ、結果として愛するミスボーグと命の次に大事なザボーガーの両方を失ってしまうというもの。珍しさは無いが、ヒーローが抱える苦悩の物語としては王道であるが故にすんなりと頭に入る。ザボーガーは第一部のラストで自らの意志をもつのだが、それ以前にも自らの意志で細かいボケをかましてくれてそれがまた面白い。さて、第一部のラストから25年後、当時22歳だった豊も47歳の熟年になり、いよいよ板尾創路の大門豊の登場となる。第二部の副題は「耐えろ大門!人生の海に!」。一部で豊が全てを失ってまで守った若杉議員(木下ほうか)は総理大臣になっていた…。

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いきなり冒頭からその総理大臣の運転手として登場するも、速攻でクビになる豊。ミスボーグ、ザボーガー、若さに続いて何と職まで失うことになる。クビにしないでくれと土下座までしてしまったりと、まあこれが実に格好悪い(苦笑)その昔は空手の達人だったのに、今では糖尿病になやまされ腰痛を抱える冴えないオッサンになっているのだ。しかしコスチュームは若いときのままというのがまたユニークである。ちなみに25年も経っているのにシグマの計画している巨大サイボーグ製造計画が未だに続いているのに驚いたのだが、それもこれも全てとある人物がキーになってくるからだった。そのキーとなるのが豊とミスボーグの娘AKIKOである。サイボーグと人間…という細かい突っ込みはしてはいけない。

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更にザボーガーは復活しているのだが、実は豊の息子・秋月玄(宮下雄也)によって悪に染められていた。この第二部の流れは後に豊の元に戻ってくるザボーガーとともに、悪ノ宮博士を倒し、わが娘ながら巨大サイボーグと化したAKIKOを倒すというものだ。個人的に見所は巨大サイボーグになった佐津川愛美のセクシーコスチュームを推したい。もちろん細かいネタは相変わらず満載で、これは是非実際に見て楽しんで欲しい。とにかくこの作品からは作り手のオリジナルに対するリスペクトと愛がヒシヒシと感じられた。本当に好きだったんだろうと思わずにいられない。子門真人によるオリジナルのオープニングをエンディングテーマに持ってきて、当時の映像を流す辺りもニクイ演出で、特撮技術の差に時代を感じながら満足感をかみ締めるのだった。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:古原くんて石川遼に似てない?
総合評価:78点

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受信: 2012年5月20日 (日) 04時50分

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