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2011年10月 1日 (土)

アンフェア the answer

The_answer 検挙率ナンバーワンの美人刑事・雪平夏見が主人公の大人気刑事ドラマ劇場版第2弾。殺人事件の容疑者にされた夏見は真犯人を探そうとするが、そんな彼女の前に巨大な陰謀が横たわるのだった…。主演の篠原涼子ほかオリジナルメンバーにプラスして、今回から佐藤浩市、山田孝之、大森南朋らが参加する。監督は『K-20 怪人二十面相・伝』の佐藤嗣麻子。
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シリーズものの作り方は難しい

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ネット上では酷評されているが、私は結構楽しめた。とにかく全く予備知識がゼロ。今回の映画でこの作品が連ドラだったことや、映画第2作だと知った私にとっては、人間関係はもちろんのこと、人物の背後(過去)はサッパリ解らないし想像するしかなかない。ただおかげで全ての人物を全く同じ目線で見ることが出来たように思う。要するに、この人はこういう人間だからこんな行動をするはずがないだとか、アイツならやりそうだとか、予断を持ちようがなかったというのは大きいのではないかと思う。物語の最初からいきなり佐藤浩市扮する一条道孝とのベッドシーンが登場だ。ただファンには申し訳ないのだが、篠原涼子にセクシーさを全く感じていないのでこの部分はどうでも良かったりする。

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4年前の事件の振り返りで、警察の重大な秘密が入ったUSBの存在も判明するが、前作を観ていないためどうもイマイチピンと来ない。が、後からシリーズのファンの友人に聞くと、それこそが本シリーズの根源というではないか…。黙って観ているとどうやら雪平は警察内部の不正を暴こうとしているらしいことが解る。彼女は今、北海道・西紋別署に勤務しているのだがそれは過去の事件と何か関係があるのだろうか?一条もどうやら東京から異動してきたらしいが、彼と雪平はどうしてこういう関係に?寺島進演じる山路哲夫刑事とは元同僚?小久保祐二捜査一課長(阿部サダヲ)と雪平は元々折り合いが悪かったの?色んな疑問が頭に浮かぶのだが、一切を脇に置いてストーリーに没頭することに。

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要は「そのうち解るだろう」ということだ。東京で起こっているネイルガン連続殺人事件、その容疑者である雪平の元夫・佐藤和夫(香川照之)が彼女の元を訪ねてくるあたりから物語はゆっくり動き始める。しかし、翌日佐藤はネイルガン殺人の遺体で発見され、その容疑が雪平にかかるのだった。実は佐藤浩市、香川照之、そしてこの後登場する山田孝之扮する検事・村上克明、と大森南朋扮するネイルガン殺人犯・結城脩は本作から新に参加したメンバーなのだそうだが、それを知っている方々は彼らが登場した時点で何がしかの胡散臭さを抱いくかもしれない。例えば大森南朋が犯人役だなどということは一目瞭然なのだろう。何せ私は雪平にしても検挙率ナンバーワンだというCM情報しか知らない。

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彼女がどのような捜査をするのか、どのぐらい切れる女性刑事なのかも全く知らない。例えば格闘技に秀でているだとか、プロファイリングに優れているだとか、要するに雪平刑事の特徴をまるで把握していないのだ。故に彼女が容疑者として逮捕され、村上と共謀して逃げる辺りからどうなってゆくのだろうと物語に吸い込まれていった。特に結城の自宅を発見し、そこに忍び込むシーンはかなりドキドキものだ。大森南朋の猟奇殺人犯振りはかなり良い。結城に見付かり下着姿一枚で太ももに釘を撃ち込まれるシーンの篠原涼子は、むしろ冒頭の佐藤浩市とのベッドシーンよりよほどセクシーさを感じる。それはクールで気の強い女が精神的に屈服させられるシーンだからだろう。

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それとは別に、彼女ほどの女性が単に本気で怯えて助けを乞うような真似をするはずがないという思いと、しかしもしかして本当に折れたのか?という思いが交錯しながら観ているのもまた面白かった。そしてこの後物語はクライマックス&種明かしを迎えることになるのだが、それにしても久しぶりに完全に騙されてしまった。まず一条が黒幕であり、佐藤和夫殺しの犯人だと言うのが完全に騙されていた。ただ、考えてみれば警察の重大な秘密を隠蔽するためとあらば、そういうこともあるだろう。もっと意外だったのは、途中雪平を助けていた検事の村上が同じ穴のムジナだったことだ。さらにどうやら昔から親密な間柄であることを思わせていた三上薫(加藤雅也)までもがそうだったとは…。

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しかしながら最初にも書いたとおり、過去からの人間関係を知っていれば、今回初登場の佐藤浩市や山田孝之が黒幕だと言うのはちと安易ではあるかもしれない。ラスト、ある方法でUSBを破壊し、クールに立ち去る雪平の姿はしてやったりだ。ただ雪平の表情はクールでありながらどことなく不安げに見えた。つまりこの時点で雪平のスマートフォンにはオリジナルデータがダウンロードされている。これは彼女の命の保険であると同時に、彼女が命ある限り狙われる原因ともなるワケだ。いずれにしてもドラマから映画へという流れが多い昨今、特にサスペンスやミステリーものの場合、新たな登場人物や設定に馴染み難かったり、それ故に素直にストーリーを楽しみにくいこともあるのではないかと考えさせられる一作だった。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:あの終わり方はまだ続編あるのかな?
総合評価:73点

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