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2011年11月24日 (木)

指輪をはめたい

Photo 芥川賞作家・伊藤たかみの同名小説を映画化。記憶喪失に陥った青年がポケットに入っていた婚約指輪を渡す相手を忘れてしまい、本当の相手を探し出そうとするドタバタする姿を描いたラブコメディ。主演は『鴨川ホルモー』の山田孝之。お相手になる女性たちに小西真奈美、真木よう子、池脇千鶴らが扮する。はたして真実の愛は見つかるのだろうか?
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4人とも素敵な女性だなぁ

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原作は未読。それにしても主人公の片山輝彦(山田孝之)はまさしく『モテキ』が来ているようでクールで年上の才女・智恵(小西真奈美)、巨乳でフランクなめぐみ(真木よう子)、人形劇の屋台をしている真面目で清楚な和歌子(池脇千鶴)と付き合っていた“らしい”。“らしい”というのは実はそこが本作のポイントだからだ。輝彦は薬品会社の営業で訪れたスケートリンクで頭を打ち記憶の一部を失ってしまう。その失った記憶がよりによって付き合っていた3人の女性の事と、カバンに入っていた婚約指輪の事だった。さて困った。一体自分はこの婚約指輪を誰に渡すつもりだったのだろう?何とかして相手を見つけ出さなくては!――というのが本作のメインストーリーである。

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それにしてもこの3人の女性がそれぞれいい。輝彦が3股をかけたくなる気持ちも良くわかるのだけれど、結末まで観ていくうちにこの3人の女性の存在の意味が解ってくる。知恵は年上で男が頼れるタイプだ。小西真奈美という女優は笑顔が愛らしいけれど、真面目な時のクールさ加減との差がいいのである。いわゆるツンデレというヤツだ。めぐみはもう巨乳がいい。サバサバした性格だしセックスを楽しむ体の関係としては理想的。真木よう子が珍しく可愛らしい役を演じてくれていたが、登場するたびに胸の谷間に目は釘付けになっていた。そして和歌子。ひたすら男に尽くしてくれる彼女は、要するに和風で古風な女性と言える。池脇千鶴が一時のぽっちゃりから抜け出してイイ感じだ。

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要するにこの3人はそれぞれ彼の理想の一部を体現しているのだ。だから逆に輝彦1人を選べない。贅沢すぎる三択なのだが…。物語前半は3人の女性それぞれとのif話が展開されてゆく。ラブコメらしいハチャメチャさと、テンポの良さで愉快かつ気持ちよく観ることが出来るだろう。しかし輝彦が記憶を失ったリンクで会ったスケート少女エミ(二階堂ふみ)に相談をする辺りから話が重めになってくる。徐々に彼女に惹かれてゆく輝彦。しかも3股が4股になるならまだしも、彼はエミが本命になってしまうのだ。可愛らしく、そして優しく、「なんのために絆創膏持ってるの?思いっきり転ぶためでしよ?」というセリフに象徴されるように彼を励ましてくれるエミ。

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要するぬ彼女こそが輝彦の理想の女性なのだ。ここから終盤に向かって種明かしが始まる。実はスケート少女は輝彦が別れた恋人だった。いや正確には彼が出会って恋に落ちた頃のエミだった。従って彼女が輝彦の理想の女性なのは当たり前。婚約指輪はそもそも彼女に渡すものだったのだ。ここが本作のユニークなところである。3人から1人に絞れず追い込まれた輝彦は妄想の世界に閉じこもることが増えてゆく。要するにその間彼はスケート少女エミと会っているのだが、この辺を敢てこの作品は具体的に説明していない。ただ来年公開の園子温監督作品『ヒミズ』で第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を授賞した二階堂ふみの演技が実に上手い。

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ふわっとして掴み所の無いスケート少女を上手く体現していて、ファンタジー感を醸し出していた。現実的には結局3人の女性が一堂に会してしまい大乱闘、「そして誰もいなくなった」になるのだが…。ここまで観て来てふと思いついたのが、本作は作品そのものの構成が逆説的だということだ。つまり全てはラストで登場する現実のエミと付き合っていたところから始まっているのである。エミに捨てられた輝彦は彼女を見返すために3人と付き合うけれど、実は理想の女性が分散化しただけ。当然彼はエミを諦めきれていない。事故で記憶を失ったのも、本当は失ったのではなく、嫌な記憶を封印しただけなのだ。更には自らの中に理想のエミ、それは出会ったときの少女のエミを作り上げる。

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そしてその彼女に支え励まされることで現実的にも立ち直る…。っと書くと綺麗だけれど、悪く言えば女にフラられていつまでもウジウジしていた男がそのフラられた女によって立ち直るという話なワケで、なんとも情けない話だ。爽やかにサヨナラで別れるラストは、個人的には全く共感できない。と言うより、「もうつまらない」という理由で自分をフッた女など、例えどんなに未練があっても絶対逢わない位の男の意地ぐらい見せて欲しい。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:二階堂ふみって昔の宮崎あおいみたい
総合評価:73点

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