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2011年11月 2日 (水)

フェア・ゲーム/Fair Game

Photo 夫の元大使がイラク戦争開戦の理由となった大量破壊兵器が存在しない事実を公表したために、その身元をリークされるという政府からの報復を受けた女性CIA工作員の実話「プレイム事件」の映画化。主演を『愛する人』のナオミ・ワッツと『ミルク』のショーン・ペンが演じる。監督は『ボーン・アイデンティティー』、『Mr.&Mrs.スミス』のダグ・リーマンが務めた。
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権利は闘って勝ち取るもの

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元ニジェール大使の夫が、イラク戦争開戦の理由となった大量破壊兵器の存在に関してブッシュ政権の間違いを告発したため、CIA工作員だった妻の身元をリークされるという報復を受けた「プレイム事件」の映画化である。観ている限りでは殆ど余計なエピソードを挟まずにそのものズバリを描いている作品だった。正直言うと最初はこの手の作品はまたぞろアメリカのイラク戦争にたいするエクスキューズ映画ではないかと思っていたのだが、観ているうちにそうではないと気付かされる。即ちストーリーは余計なエンタテインメント要素や感動要素を出来るだけ省き、起こった出来事に関して愚直に描いていたからだ。ただし、それならばドキュメンタリーか記録映画にすればよいのにと思った。

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要するに余りにそのものズバリしか描かれて居ないため、知識的興味としての面白さそれ以上でも以下でもないのだ。ただし、演じているのがナオミ・ワッツとショーン・ペンという2人の実力派だけにその演技力にグイグイと牽引されていく感じではある。そもそもブッシュ政権が9.11以降イラクを「悪の枢軸」と決め付けていたことは私達も知っている。この物語の主人公であるヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)やジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)にとって、いやアメリカ国民にとって不幸だったのはブッシュが希代の大バカ大統領だったことだ。チェイニー副大統領の首席補佐官ルイス・“スクーター”リビーは簡単に言えばイラクに難癖をつける絵図を書いていた。

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そこでCIAに対してその絵図に見合う材料を探させるわけだが、その過程でジョーも元ニジェール大使として協力する。しかし核兵器開発計画など無いわけで、無い以上何も出て来るワケがない。ところがアメリカはひたすら開戦へと突き進み結果は今私たちの知るとおりだ。ジョーはその過ちをマスコミに暴露するのだが、直後に報復で妻ヴァレリーがCIAの工作員であることをバラされてしまう。即ちそれは彼女にとってはキャリアの全てを失うことと同等だった。この話、最近の日本の特捜検察の話と非常に良く似ている。日本の司法の一機関ですら、反論を封じ込め有罪にすることなどワケもなく出来るのだから、まして世界最高の権力であるホワイトハウスからすれば造作もないことだろう。

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バカをリーダーに頂くとこういう時に修正が効かない、というか、側近の言うことを的確に判断する能力もないのにアメリカ大統領をやっているのだから、これはまさに何とかに刃物と同じだ。社会的に抹殺されてゆく夫妻だが、ジョーだけが必死の抵抗を続ける。ヴァレリーは下手にCIA、つまり体制内部にいただけに権力の恐ろしさを熟知していて、逆らうことは無駄だと考えていたのだ。この考え方の違いによって夫婦は崩壊寸前に追い込まれる。が、実話だから仕方ないのかも知れないけれど、ヴァレリーが実家に帰って両親と過ごしただけであっという間に夫と共に戦う事を決意するという流れは何ともお手軽で安易に見えてしまった。

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ちなみにこの時彼女がいうセリフ「全てを失ってもこの結婚だけは守りたいの」の“結婚”は“家族”と意訳したほうがよいと思う。確かに“marriage”とは言っているが、まさか子供を失っても良いと考えているはずがないだろう。最終的にはこれも既に周知の通り、大量破壊兵器は存在しなかったということになっている。従って彼女たちの名誉は回復されましたという話なワケだ。結局この作品にテーマがあるとすると、それは最後にジョーが講演で言った「民主主義は決して簡単に与えられはしない。」コレに尽きるのではないか。民主主義の枠組みの中で生きる上で、政府はそれを制限する動きになることが多い。それに対して常に主張し、戦う事でしか権利は勝ち取れないのだ。本作を観ていると、昨今のデモ等を含め、日本も3.11移行そういう社会に変わりつつあるのかなと感じた。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:ナオミとショーンに★1
総合評価:71点

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