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2011年11月27日 (日)

ゾンビ処刑人/THE REVENANT

Photo 戦死したはずがゾンビに?甦った主人公とその親友がゾンビとして夜な夜な悪人たちを退治して回るホラーコメディだ。主演はデヴィッド・アンダース、共演にクリス・ワイルド、ジェイシー・キングが出演。監督はVFXを専門にしていたケリー・プリオーがメガホンを握る。おおよそゾンビらしくないゾンビに注目だ。
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元気一杯撃ちまくるゾンビ!

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こんなに普通のゾンビは観たことがない。いや、“普通のソンビ”と言えばロメロ作品に代表されるような姿や動きであって、ここでいう普通とは一般人と変わらないという意味である。もちろんゾンビと言うからには死体なワケで、目は白く濁り、体に出来た傷は治ることがない。けれどサングラスをして服を着ると外見上はそこらにいる人と変わらなく見えるのだ。しかもスタスタ歩くだけでなく走ることも可能、車の運転もするし、それどころかビールまで飲んでしまったりも。きっと酔わないだろうから飲酒運転にはならなくてラッキー…。ただどうしてこの物語の主人公バート(デヴィッド・アンダース)がゾンビになったのかは不明だ。実は彼はイラクで襲われ命を落とした陸軍少尉だった。

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葬儀が終わったその夜にムクリと墓から起き上がるゾンビ・バート。縫い付けられた口の糸を、鏡を見ながら自らメスで切っていく姿がやけにシュールだ(笑)さてこれからどうしよう?困った彼が訪れたのが親友ジョーイ(クリス・ワイルド)の家である。これがまた最初は驚くものの、割とすぐ順応してしまうジョーイ。平常時からヤクを決めているかのようにあファンキーなバカに思わず苦笑いしてしまった。既にこの段階で一般的なゾンビを逸脱しているのは明らかなのだが、その路線を突き進まず、何故かちゃんとゾンビの約束事には従うところが面白い。即ちバートが生きてゆく?ためには人間の血を飲まなくてはならないということだ。

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病院を襲うも太っちょ看護師の反撃を食らったりと、「本当に陸軍少尉だったのか?」と疑いたくなるような場面も。で、血液を飲むとそれまであからさまに顔色が悪かったのが、ほんのり人肌色にもどるのだ。一体どんなゾンビだよ!と思わず突っ込みたくなった…。ここで起こった事件がこの後の彼らの方向性を決める。といっても別に大したことは起こっていない。単に強盗に襲われてバートが撃たれただけだ。無論バートはゾンビだから死なない。逆に相手を撃ち殺しその血を飲むのだった。そこで彼らは閃くのだ。「そうだ!悪人をぶっ殺してそいつらの血を飲めばいいんだ!」と。こうして「ゾンビ処刑人」は誕生するのだが、あいにく相棒のバートは撃たれたら死ぬ普通の人間だ。

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で、お約束どおり撃たれて死ぬ(笑)さらにこれまたお約束どおり、親友を助けるという大義名分の下に、バートは苦渋の決断……は別にしないでさらりと彼の血を飲みゾンビの世界へと招き入れるのだった。ちなみに私は悪人を殺しまくるからこのタイトルがついたのだと思っていたが、それが誤解だったことに気付かされたのはこの後だ。バートの散弾銃、ジョーイの二丁拳銃、黒のロングコートを羽織った2人が観音開きの扉を開き銃を乱射する姿がスローモーションで描かれる。どこかで観たようなシーン……そう、「ゾンビ処刑人」の“処刑人”はショーン・パトリック・フラナリーとノーマン・リーダスが主演する映画『処刑人』から来ていたのだった。

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街のヒーローとして庶民的人気はあれども、警察は当然犯罪者として彼らを追う。終盤様々な要因が重なり、更に仲間割れまで起こした2人の物語は、そこまでのコメディ色が一転シリアスな内容に。死にたくても死ねないゾンビの悲哀、そしてそんな悲哀とは無関係に秘密の国家プロジェクトは推進されてゆく恐ろしさ。しかしそういう展開に持ってゆくなら前半のおふざけ的軽さはもう少し何とかすべきだっただろう。最後の〆の段階でいきなり話をシリアスに重くされても戸惑いしか残らないし、何だか取ってつけたようにしか思えないのだ。結局どういう作品にしたかったのかという大切な部分まで散漫とした印象としてしか残らない結果になっている。元気なゾンビ処刑人なら最後までそれで通して欲しかった。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:恋人の存在はあまり意味なかったなぁ
総合評価:55点

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