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2011年11月25日 (金)

ハードロマンチッカー

Photo_2 グ・スーヨン監督の故郷である下関を舞台に、フリーター青年のグーが暴力とセックスにまみれた世界に生きてゆく姿を描いたバイオレンス映画だ。主演は『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の松田翔太。共演に永山絢斗、柄本時生、渡部篤郎、中村獅童といった若手とベテランの演技派が揃う。思わず顔を背けたくなるほど壮絶なバイオレンスシーンの裏にある青春ドラマに注目したい。
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soon 11月26日(土)公開

唯我独尊で回りは敵だらけ!

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観ていて思い出したのが井筒和幸監督の『ヒーローショー』や品川ヒロシ監督の『ドロップ』だった。ただそれは過激な暴力描写という意味においてであり、主人公の精神的な成長を描くというよりは、どこにもやり場のないやるせなさや怒りをを描いていたように思う。とにかく過激な描写のオンパレードで、不良同士の殴る蹴るは当たり前、女子高生に馬乗りになって顔面タコ殴りだとかレイプ、包丁で腹を何度も突きまくる殺人と思わず顔を背けたくなるシーンだらけだ。実際後ろの席のおばちゃんが思わず「ヒィッ!」と声が漏れていたほどで、間違いなく観る人を選ぶ作品だと言える。そんな本作の舞台となっているのはグ・スーヨン監督の故郷下関だ。

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登場人物が話す“下関弁”は“広島弁”にソックリで、さながら「仁義無き戦い」の現代若者バージョンといった様相である。実は主人公グー(松田翔太)は在日韓国人二世で、名前を見ても解るとおりこの作品は監督の自叙伝的作品でもあった。物語はそんなグーの後輩・辰(永山絢斗)とマサル(柄本時生)がとある事件の腹いせに朝鮮高校の学生の祖母を襲い図らずも殺してしまうことから始まる。そもそも下関は日本有数のコリアンタウンがあり、事件の背景には在日韓国・朝鮮人と日本人との微妙な人間関係が絡んでいた。刑事の藤田(渡部篤郎)から事件への関わりを尋問されたグーは、事件の真相を探り始める。といってももちろん正義感からなどではなく、単に疑われてムカついたからだが…。

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要するに元々グー自身は何も悪いことはしていないのだが、彼が動くことであちこちに暴力のタネをばら撒くことになるのが面白い。辰は警察に捕まってしまったため、マサルに事情を聞こうと歩き回る途中、偶然にもパクヨンオ(遠藤要)の弟をボコってしまい、ボクサーで超人的な強さを誇る兄貴に付け狙われるハメに。更にその時に偽名で金子と名乗ったが故に、本物の金子がパクヨンオにボコられる。結果、金子もグーを狙うことに…。更には悪友のタカシの元を訪れた際に、ひょんなことからイーパッキ(石垣佑磨)やカンテファン(ペ・ジョンミョン)といったヤクザ予備軍をぶちのめしたことで彼らからも狙われるのだった。気がつくとグーは下関じゅうのロクデナシから狙われるハメに。

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元々人とつるむことを良しとしない、己の美学を貫くグーの生き方はそれは観ていてカッコイイものがあるのだが、当然ながらそれには代償が付きまとうわけで。この手の青春バイオレンスムービーの場合大抵は仲間との絆が重要な要素となってくるのだが、本作の場合このグーの孤高さ加減が特徴であり魅力でもある。一体どうなってしまうのかとハラハラしながら観ているのだが、ここでタイミングよく小倉でクラブのマネージャーのバイトをすることに。このクラブのオーナー・高木(中村獅童)が実に面白いキャラで、実はヤクザの幹部にも関わらず妙に丁寧な口調で喋るシーンは本作の中の数少ない笑えるシーンだった。結局グーは下関に戻ることになるのだが、この間様々なエピソードが起こる。

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悪友タカシ(金子ノブアキ)の事故、気に入っていた女子高生・中村みえ子(小野ゆり子)の売春、懇意にしていたヤクザ・庄司(真木蔵人)の死、グーの周りで目まぐるしく起こる事件、そのどれもがいま一つ表面的な描き方であり、それはまるで所詮は俺には関係ないというグーの生き方そのもののようでもあった。そして対決。パクヨンオにタコ殴りにされボロボロになっても起き上がるグー。これまでと違ってケンカの様相自体にはリアリティはあまり感じられない。どこか綺麗にまとめられているようで、それはやはり主人公だからか。ただ、ボロボロになったグーから未来への希望や夢といったポジティブな要素が感じられない点が、現実には映画ほど甘くないとでもいった感じで妙にリアルだった。

soon 11月26日(土)公開

個人的おススメ度3.5
今日の一言:上目遣いで怒鳴る柄本時生が父親ソックリ!
総合評価:74点

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» 映画 「ハードロマンチッカー」 [ようこそMr.G]
映画 「ハードロマンチッカー」 [続きを読む]

受信: 2011年11月26日 (土) 11時55分

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“ハードなバイオレンスのが行き着く先はモヤモヤした閉塞感” 誰ともつるまず自分の価値観だけで生きようとしているグーは、どんなに暴力をふるっても、彼のモヤモヤとしたやり場のない怒りが晴れることはないように思います。目の前で女の子がレイプされようと、自分を目の敵に思っている連中に囲まれようと、興味がなければ手を出すこともなく、いたってクールに振る舞うところは、グーのかっこ良さだと感じます。 そして、彼の行動が暴力の連鎖を生み出していき、敵に囲まれてしまう様子は、どこまで行っても出口の見えない彼の心が持つ... [続きを読む]

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2011年12月1日(木) 18:55~ 丸の内TOEI② 料金:1000円(映画サービスデー) パンフレット:未確認 『ハードロマンチッカー』公式サイト 予告編のバイオレンスぶりに魅せられ、結構期待して観に行ったのだが・・・。 チンピラ・バイオレンスなので、テンポの良さを期待したのだが、どうにも現実に即してか、間を重視して演出している節が窺われる。よってもって、どうにも間延びした感、弾ける勢いが無い。 チンピラ・バイオレンスなので、対立関係はシンプルな筈なのだが、登場人物が多くて、人間関係... [続きを読む]

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受信: 2011年12月13日 (火) 19時28分

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受信: 2012年6月14日 (木) 00時02分

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