宇宙人ポール／PAUL

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン！』のサイモン・ペッグとニック・フロストが主演と脚本を務めたＳＦコメディ。ポールという名前の宇宙人と、オタクの青年２人がアメリカ大陸のミステリースポットを旅してゆく。ポールの声を『５０／５０　フィフティ・フィフティ』のセス・ローゲンが務める。意外な人物たちのカメオ出演が嬉しくも面白い。
>>公式サイト

百聞は一見にしかず、気になるなら観て♪

　あらすじ・作品情報へ　

←みなさんの応援クリックに感謝デス

最近ではＩＭＦのエージェントにまで出世したサイモン・ペッグとその盟友ニック・フロストのコンビによる何とも愉快なＳＦコメディだった。主人公２人はイギリス人で、漫画の原作者クライヴ（ニック・フロスト）と作画担当グレアム（サイモン・ペッグ）という。こう書くと中々ご立派なのだが、簡単に言えば売れない漫画家の２人は単なるオタッキーな青年に過ぎない。２人はアメリカで開かれるイベント“コミコン”に参加し、ついでにキャンピングカーでアメリカ大陸のＵＦＯスポットめぐりに出かけるのだった。そしてかの有名なエリア５１付近でであったのが宇宙人ポールである。俗に言うグレイと呼ばれているエイリアンが何故ポールなのか、これには下らない理由があるので観て欲しい（笑）

やけにフレンドリーで地球慣れしているというかスレているポールの声を演じているのがセス・ローゲンというのがまた楽しではないか！客観的にセスの声がエイリアンにあうかと言われたら疑問なのだが、ポールには異様にハマていた。そもそも何だってこんなところに彼が居るのか、聞くところによると６０年前にＵＦＯの墜落で地球に来た彼はずっと政府の施設に隔離されていたのだが、この度メデタク脱走してきたのだという。かくして３人の珍道中が始まるのだった。この手のおバカムービーにはつきものの極下らない小ネタは満載だ。いきなりキャンピングカーで人のトラックにぶち当たるだとか、男の２人旅だからゲイに勘違いされるだとか、笑えない人は全く駄目だろうが個人的にはツボ。

傑作なのはポールの回想だ。これが実に面白く、『Ｅ．Ｔ』ネタを電話でスピルバーグに提供するシーンなどは劇場が爆笑していた。３人で旅し始めるとすぐに政府の捜査官ゾイル（ジェイソン・ベイトマン）が後を追い始める。つい先日公開された『モンスター上司』では上司に苛められる部下の役を好演していたが、今回もしっかり上司であるビッグ・ガイにこき使われていた。ご都合主義で上手く切り抜けながら逃げてゆくポールたち３人だが、そこはそれ、そのご都合主義が観ていて楽しいのだから仕方ない。しかも途中で何故か敬虔なクリスチャンのルース（クリステン・ウィグ）を誘拐するはめになるのだが、彼女の存在にどのぐらい意味があるのかと言えばハッキリ言ってネタでしかない。

もっともポールによってダーウィンの進化論を肯定され、信仰を止めさせてしまうのだから、そんな映画をアメリカで公開して大丈夫なのかと少し心配にもなったり。ラストにくるどんでん返しと、それに伴う“エイリアンといえばこの人”シガニー・ウィーバーがリプリーばりに銃を構えて登場するシーンも大ウケだったが、そうまでして登場させたこの方を意図も簡単にご退場願ってしまう、それも『未知との遭遇』へのオマージュを捧げながらというところが余りにもシュールだった。ともあれ、ここで多くを語るより気になる方は観るのが早い。ただこの手の作品は好き嫌いがハッキリ別れるものだ。予告編を観て肌に合わないと思ったら止めて置くのが無難だとは思う。

個人的おススメ度3.5
今日の一言：お正月にお酒飲みながら観たい感じ
総合評価：71点

↑いつも応援して頂き感謝です！
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪