スウィッチ/Switch
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| 何故スウィッチしたのか、そこが問題だ。 |
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何者かによって自分の存在が消され、その何者かの犯した殺人の罪を着せられる…。これで実は主人公が二重人格だったとなると『ザ・ウォード 監禁病棟』っぽくもあるのだけれど、この作品の場合はそこまで陰鬱としたサスペンスではない。“switch.com”というサイトでバカンスの間、家ごと交換してお互いの家に住みましょうという契約を交わしたソフィ・マラテール(カリーヌ・ヴァナッス)は、最近どうもやることなすこと全て上手く行かないと悩んでいた。たまたまそんな時に雑誌編集者のクレール(マキシム・ロイ)から聞いたのがこのサイトの存在だったのだ。早速自宅の鍵を交換し相手の家のあるパリへと向かう。豪華なアパートや素敵なエッフェル塔の夜景に大満足の彼女だったが…。
既にこの時点で彼女ががんじがらめにされているのが面白い。翌朝突然警察が乗り込んできて他殺体を発見し、しかも彼女のパスポートの名前は家を交換した相手の名前ベネディクトに変わっている。凶器には彼女の指紋もべったり。彼女が彼女であることを証明する手段が一切なくなっていたのだ。さて、無論我々は彼女がベネディクトなどではないことを知っている。従ってここからどうやって彼女が自分が自分であることを証明するのか、そして真犯人ベネディクトを見つけるのかという部分に注目してゆくことになる。当然観ながら「まずはカナダの実家に電話しろよ」だとか、「“switch.com”は見たのか?」とか、「クレールに連絡取れば?」とか、思うのだが当然それは織り込み済み。
観ている側の考えることが悉く潰されてゆくと、犯人の頭の良さと、そのためには簡単に人を殺す残忍さが際立ってくるという寸法だ。それは当然ソフィーの焦りを誘い、ソフィーの焦りは観ている私たちの焦りに繋がって来る。このもどかしさはもしかしたらイラッとする人もいるかもしれないが、私は良い意味で緊迫感を感じた。ただ、後から冷静に考えたら、人の存在を全て消すなどということは国家権力でもなければ無理な相談で、まして一人の真犯人に出来るはずがない。例えば友人関係一人とっても、全ての友人を殺して回るなど不可能だからだ。しかし、劇中ではそんな疑問を抱かせるまもなくソフィーが警察から脱走する。デザイナーにしては結構過激な女性だが、窮鼠猫を噛むということか。
ちなみに彼女を捕らえ尋問し、追走するダミアン警部がエリック・カントナ。元プロサッカー、マンチェスター・ユナイテッドの看板選手だ。途中かなり長めの追走劇があり、何と彼女は彼を振り切るのだが、歳を取ったとはいえエリック・カントナから逃げ切るソフィーって…と思わず現実とごっちゃになってしまった(笑)実際の所を言うと、彼女はどうやらランニングを日課にしているらしい描写がキチンと伏線として用意されている。いずれにしてもこの後一歩で捕まりそうで捕まらないという見事な距離感の追走劇は本作の見所のひとつだ。さて、一見完全犯罪にみえたベネディクトだったが、徐々にほころびが見え始める。と同時に、犯行の謎だけでなくやけに猟奇的なその動機までもが明らかに。
一つ不満だったのは、ソフィーがベネディクトでないことがハッキリするのが、ソフィー自体の働きでもダミアン警部の活躍でもなかったことだ。なんと<監察医が死亡推定時刻を誤っていたと警部に報告にくるのだ。物語に直接タッチしていない人物の一言が全てを確定させる決め手になるのはちょっと残念だった。>もっとも、最初からソフィーがベネディクトでないことはバラしている作り手としてはそこはあまり重要ではなく、ここから明かされるソフィーとベネディクトに秘められた謎こそが重要と考えたのだろう。そしてその謎は確かに奇想天外だった。楽しいはずのバカンスが、本人に何の罪も無いのにメチャクチャにされただけでなく、自身も大怪我を負い、母やクレールまで殺されるとあっては、謎が解けようが解けまいが、余りに悲惨過ぎて言葉が無かった…。
<謎メモ(ネタバレ)>ソフィーは12歳までパリに住んでいた。当時家は貧乏で父はそのために精子を精子バンクに売った。その精子から生まれたのがベネディクトと最初に殺された男だ。要するに3人は異母兄弟。ベネディクトは精神を病んでおり、自分が恵まれない環境なのに、幸せに暮らすソフィーやその男の事を逆恨みする。実際には彼女とて金持ちの家に生まれていたのだが。そこで復讐のために彼ら2人を殺そうとしたと言うのが事の真相である。
個人的おススメ度
3.5
今日の一言:カリーヌ・ヴァナッスさんが可愛い♪
総合評価:68点
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