THE BEST CINEMAS CHOFU 2011 日本編

昨年に引き続き当ブログが選ぶ「THE BEST CINEMAS 調布」。まずは日本編。総じて言うと今年は昨年に比べるとかなり低調だったように思います。ただそんな中でもこれは！と思う作品は必ずあるはず。言うまでもありませんがこのベストは私自身が感じたもので異論反論は一切受け付けませんので悪しからず（笑）

>>THE BEST CINEMAS CHOFU 2011 外国映画編

今年劇場鑑賞してレビュー下数は３９８本。レビューを書かなかった作品も含めると２年ぶりに４００本の大台を突破しましたが、そのうち邦画は１４３本。その中から、作品、主演男優、主演女優、助演男優、助演女優、脚本、監督、映像、音楽、の９部門の「THE BEST」と特別賞＆ワーストを選んでみました。

The Cinema

『サウダーヂ』
ミニシアター系作品ではあるが、現代日本にある外国人差別や経済格差、若者たちの苛立ちがとてもリアルに描かれた作品。舞台は地方都市だが、地方の問題が日本全体の問題であると認識させてくれる。

ノミネート
『カリーナの林檎 ～チェルノブイリの森～』
『冷たい熱帯魚』
『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』
『ステキな金縛り』
『吉祥寺の朝日奈くん』
『CUT』

The Leading Actor

堺　雅人
『ツレがうつになりまして。』、『日輪の遺産』といった人気作品だけでなくテレビドラマにも頻繁に登場。益々日本映画界に欠かせない個性派俳優となった２０１１年。２０１２年秋公開作品の主演も既に決定しており来年も彼の活躍は続きそう。

ノミネート
吹越　満（『冷たい熱帯魚』、『ツレがうつになりまして。』）
向井　理（『僕たちは世界を変えることができない。 』、『パラダイス・キス』）
西島秀俊（『CUT』）
市川海老蔵（『一命』）

The Leading Actress

永作博美
『八日目の蝉』で演じた哀しい母親役はほぼ一年を経過しても色褪せることが無い。昨年出産したせいか今年はこの作品以外に映画出演作は無いが、２０１２年はまたきっと私たちを楽しませてくれるはずだ。

ノミネート
深津絵里（『ステキな金縛り』）
宮崎あおい（『ツレがうつになりまして。』、『神様のカルテ』）
芦田愛菜（『うさぎどろっぷ』）
大竹しのぶ（『一枚のハガキ』）

The Supporting Actor

中井貴一
『ステキな金縛り』だけでなく『プリンセス・トヨトミ』、『ワイルド７』と、今年は名バイプレイヤーとしての活躍が目立った。ともすれば主役を食ってしまいかねない程の存在感は流石だ。

ノミネート
でんでん（『冷たい熱帯魚』、『CUT』）
西田敏行（『ステキな金縛り』）
永瀬正敏（『スマグラー　おまえの未来を運べ』）
瑛太（『ワイルド７』）

The Supporting Actress

星野真里
２０代の若い可愛らしさと３０代の大人の色気の丁度中間の淡い魅力が作品にピッタリとはまっていた。作品自体もあまりメジャーではないが今年の邦画の中ではかなり秀逸だ。

ノミネート
黒沢あすか（『冷たい熱帯魚』）
長澤まさみ（『岳 -ガク-』、『モテキ』）
真木よう子（『ＳＰ　革命篇』、『ＳＰ　野望篇』、『モテキ』、『指輪をはめたい』）
吉高由里子（『カイジ２　人生奪回ゲーム』、『GANTZ: PERFECT ANSWER』、『婚前特急』）

The Director

園子温
『冷たい熱帯魚』は強烈な人の醜さエゴをあぶりだしながらもエンタテインメントに昇華させていた。続いて公開された『恋の罪』でもそれは相変わらずで、２０１２年早々に最新作『ヒミズ』の公開を控えている。今年最も旬な監督だろう。

ノミネート
深作健太（『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』）
今関よしあき（『カリーナの林檎 ～チェルノブイリの森～』）
アミール・ナデリ（『CUT』）
富田克也（『サウダーヂ』）

The Scenario

『ステキな金縛り』
驚くほど豪華な俳優を惜しげもなく出演させながら、その全てに何らかの役割を持たせて単なるチョイ役にしていないバランスの取り方はさすが三谷幸喜だ。

ノミネート
『八日目の蝉』
『カリーナの林檎 ～チェルノブイリの森～』
『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』
『ステキな金縛り』
『吉祥寺の朝日奈くん』

The Cinematography

『冷たい熱帯魚』
衝撃的なエログロ映像に最初は眩暈を覚えるほど。ところがそれが物語が進むに連れてそうでもなく思えてしまう。

ノミネート
『カリーナの林檎 ～チェルノブイリの森～』
『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』
『CUT』
『日輪の遺産』

The Music

『モテキ』
森山未來がパフュームと踊るミュージカルシーンがみもの。洋画『（500）日のサマー』をオマージュしているだけあってよく似たカットではあるが、むしろしーんとしてはこちらの方がテンポ良く楽しめる。

ノミネート
『ダンシング・チャップリン』
『指輪をはめたい』

The Special

『ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」』
毎年ゲキ×シネはとてつもなくクオリティが高い。これをそのまま既存の邦画と比べると殆どの作品は叶わないほどだ。元々舞台劇を映画で見せるために作られたものということで今年も特別賞にさせてもらった。

The Worst Cinema

『DOG＆POLICE 純白の絆』
もはや突っ込みどころが満載過ぎて笑うしかない作品。良くこんな脚本で企画が通ったものだと思うほど。こんな作品を作っているからテレビ局主導の映画は駄目だと言われるのだ。

さて、ざっとこんな形に落ち着きました。昨年は『告白』と『悪人』という化け物作品があったおかげ霞みがちではあったものの、割と良作揃いではありました。暫くの間、邦画が調子イイなんてことを言われていましたが、今年は明らかに外国映画の方が良作が多いです。作品賞に選んだ『サウダーヂ』は一見とっつきがたい作品ですがとても優れていますので是非！