DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
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たかみなの凄さに圧倒された! |
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高橋栄樹監督は舞台挨拶で本作が最初は8時間強あったと明かした。それを2時間にしているワケだが、つまり簡単に言えば2011年のAKB48年録ダイジェスト版ということだ。当然ながらAKB48に興味が無い方は最初から観る気も起こらないだろうし、逆にファンは大体観るだろう。したがって今回はおススメ度はつけない(笑)ちなみに私はファンとは言ってもAKB劇場はおろかコンサートにも行ったことがない。一応総選挙で投票はしたが。観られる出演番組はなるべく観るようにしている緩いファンといったところだ。推しメンは“さしこ”こと指腹莉乃、2推しは横山由依、3推しは石田晴香。ちなみにこの辺で既にドン引きしている方はこの先は読まないほうが良いかもしれない…。
本作ではサブタイトルにある通り昨年一年間に彼女たちに起こった出来事で、傷つきながらも懸命に夢に向かって頑張る少女たちに密着している。様々なエピソードの裏側にある彼女たちの素顔は華やかなスポットライトの下では決して見ることが出来ない、ともすれば格好悪い姿だったりするが、そのプロフェッショナルとしての行動には素直に胸打たれるものがあった。もちろん重いシーンだけではなく、時には笑わせてくれる部分もあり、何れもメンバーにそのときの心情をインタビューしながら進んでいく。全編を通して一番感じたのがチームAのキャプテン、いや148.5センチの小さな体ながらAKBの精神的支柱・高橋みなみの凄さだ。あの小さい体の何処にあんなパワーが秘められているのか。
メンバーに対する責任感、包容力、気配り…およそリーダーとして必要な要素を全て持っている彼女のリーダーシップには言葉が無い。社会現象にもなった昨年の総選挙は、表から見ていても悲喜こもごもあったのはニュースにもなった。前年1位の大島優子を破り前々年の覇者・前田敦子が1位に返り咲いたワケだが、舞台裏で篠田麻里子の胸の中で大泣きする彼女の姿に複雑な想いが感じられた。綺麗事ではなく、当然彼女は連覇したかったはずだし、出来なかった悔しさは当然あるだろう。しかしだからと言って前田敦子を祝福する気持ちにも偽りは無い。TOPを務めたことがある2人にしか解らない重圧と誇りそんなものが入り混じった涙、でも多分それが彼女たちの成長を促すのだ。
前田敦子は「誰だって自分から(総選挙)をやりたい人なんていないと思います」と語っていたが、結局ここがAKB48が国民的アイドルでいられる理由の一つなのだろう。即ちチームとしての団結力とは別に、それぞれが強烈なライバルであること。じゃんけん大会の決勝で篠田麻里子と決勝で対戦した藤江れいなは、篠田の目を観て「怖い」と言ったそうだが、篠田本人は「私はセンターであろうが怖いものは無かった」と言っている。同様に準決勝で対決した峰岸みなみは負けたとき自分がセンターにならずに済んだとホッとした気持ちが少しあったと言っていた。総選挙順位、篠田4位、峰岸15位、藤江40位。気持ちの差はパフォーマンスの差に表れそれはファンに伝わり順位の差となる。
別に峰岸と藤江がどうこうではなく、そういった競争原理がAKB48の強さなんだろうと感じたということだ。西武ドーム公演の1日目。以前他のテレビ番組でも高橋みなみが最低だったと言っているのを聞いたことがあるが、実際に秋元康が「今までで最低だ」と講評していたのには驚いた。舞台裏でのドタバタが映し出されていたが、自分の事で精一杯になってしまった彼女たちが、明らかにバラバラだったのは観ていて解る。ただ秋元康も言っていた通り、あれはスタッフに問題大有りだ。明らかに演者に段取り部分で負担を掛けすぎで、そこが把握で来ていないから不安になり、それ故に過呼吸の発作が起こっているのだろう。しかしそこからの彼女たちの巻き返しは素晴らしい。
熱中症で倒れた前田敦子をフォローするメンバー、ドクターストップを振り切って歌う前田、限界を超えてもファンの前ではいつもと変わらぬ笑顔を浮かべ、楽しげに歌い踊る。たかがアイドルと侮るなかれ、これはやろうとしても誰でも出来ることではない。他にも峰岸みなみの被災地の子供から受け取った花束のエピソードやじゃんけん大会3位のエピソード、チーム4大場美奈のスキャンダルと島崎遥香の複雑な心境など見所は盛り沢山だがとても書ききれない。最後になったが、我が推しメンのさしこは「Everyday、カチューシャ」のPV撮影の合間に密着されて、同じ大田プロ仲間の北原里英とエキストラごっこをしているという微妙なネタを披露して笑わせてくれたのが一番印象深かった…(苦笑)
ファンとしては普通に楽しめた作品ではあるが、自分たちが裏で努力しているところをこうして表に出して切り売りすると言う部分に多少引っかかりを感じないわけでもない。美学の問題だと思うが、例えばイチローはこういう企画は絶対に引き受けないだろうし。ただいずれにしてもメンバーたちに責任があるわけではなく、それは周りの大人が考えなくてはいけないことだし、ファンも何でもかんでも知りたがることが必ずしも良いことなのか考えてみる必要はあるのかもしれない。
個人的おススメ度4.0
今日の一言:最近は横山の京都弁にやられまくりだよ?
総合評価:79点
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