ドットハック セカイの向こうに
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無性にMMORPGがやりたくなった |
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「.hack」シリーズは「ザ・ワールド」というネットゲームの世界をベースにしてメディアミックスに展開されているだけにゲーム、アニメ、小説、漫画と様々な作品が存在している。私はその中の『.hack//SIGN』、『hack//黄昏の腕輪伝説』、『.hack//Roots』、『.hack//Liminality』、『.hack//G.U. TRILOGY』の5作品(全てアニメ)を観てきたので今回は6作品目のアニメということになる。今回は3DDGアニメということだったのだが、何と久しぶりに重いメガネと暗い画面で悪名高きXpand3Dでの鑑賞となった。観始めてすぐ思ったのは、ここ久しくこんなにチープなCGは観たことがないというぐらいのCG画面。一体何年前の映像なんだと愕然としてしまった程だ。
このシリーズはネットゲーム「ザ・ワールド」の世界と現実世界がシンクロするところがミソだが、酷いのは現実世界の方だった。ただ観続けてゲーム世界が映し出されると、今度はそのある種あからさまなCGアニメが、現実のゲーム画面として観る分にはとても美麗に見えてくる。要するに物語内のゲーム画面と現実世界を同じCGアニメで表現しているが故に見え方に差が生じるわけだ。それが解ってからは、現実シーンとゲームシーンでは受け止め方を自然に変える事が出来て、全体としては気にならなくなった。主人公の有城そら(桜庭ななみ)は当初「ネットゲームなんて…」と敬遠しているが、同級生の田中翔(松坂桃李)や岡野智彦(田中圭)の誘いでお試しで始めてみる。
個人的に思ったのは、ゲームを始めるまでがちょっと長いのではないかということ。正直言ってゲーム世界で起こる事件が現実とシンクロすることがこの作品のキモなんで、いつまでたっても事件が起こらないのがタルい。が、一端そらがゲーム世界に足を踏み入れるとそこから先の展開は一気だった。というか一気にネタバラシ過ぎて、NABのデイビッドの存在が何の山場も無く味方と判明してしまうのは勿体無くないだろうか。ともあれそらは「ザ・ワールド」の世界でカイトというキャラクターを操ることになる。シリーズを観ている人なら誰でも気付くだろうが、智彦の操るバルドルと翔の操るゴンドーは明らかにバルムンクとオルカそのものだ。(実際ゴンドーの声優・増谷康紀は同じである。)
ゲーム内の問題で現実世界の人間が意識を失ってしまい、それを助けるためにカイトが活躍するのはいいのだが「ザ・ワールド」内の究極AIであるアウラの助けを得る理由が今一つ明確でないのが苦しいところだ。アウラの存在の大きさが初見では今一つ伝わらない気がするが、多分この作品はシリーズを全く知らない人は観ないだろうという前提なのだろう。一応カイトには秘められた役目、アウラから託された役目があるのだが、それも今一つピンと来ない。更に言うなら、最後の決戦でも別にカイトが何かと戦うわけではなく、ただアウラのいる場所へとひたすら走るのみだ。しかし、これはMMORPGをやったことがある人なら解るだろうが、目的を共にする一つのイベントと捉えるとこれは燃える。
現実世界のジイちゃんがジャック・スパロウ張りの格好良いPCになり、友達の女の子が可愛らしい動物系PCになる、そして痩せて秀才肌の翔は筋骨隆々のファイターになり、体育会系の智彦がスマートな剣士として艦隊を指揮する…。みな自分の理想をヴァーチャルな世界で体現し、現実世界とはまた異なる絆が生まれるのだ。ネットワークが繋ぐ現代のもう一つの人間関係としてはこれは実に面白いし、結構感動的だった。久しく離れていたMMORPGの世界だったが、これを見て無性にやりたくなってしまった。もっとも、始めてしまったが最後、映画鑑賞などそっちのけではまることは解りきっているので自粛するけれど。むしろ自制が聞いているそらたちのプレイスタイルを尊敬する(笑)
個人的おススメ度3.0
今日の一言:Xpand3Dはもう廃止しようよ
総合評価:63点
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