ストリートダンス TOP OF UK/StreetDance
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ホンモノのダンスシーンに大興奮! |
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これは掘り出し物!元々私はストリートダンスなど何も解らないし、ヒップホップ系といわれてもどうも胡散臭げな感じしかしないのだが、彼らがダンスにかける熱意には素直に感動させられた。物語は主人公カーリー(ニコラ・バーリー)がチームを率いてイギリスのストリートダンス大会の優勝を目指すというものだ。本作には本物のプロダンサーが多く参加しているがニコラ・バーリーは本職が女優。初めて見たけれど普段はテレビで活躍しているのだそうで、とても可愛らしい顔立ちだ。それだけでなくヘソ出しスタイルはこれがとてもセクシーでイイ。彼女はこの映画に出演するに当たってかなりの特訓を積んだそうだが、層々たるプロに混じって少しも引けを取らないダンスを見せてくれる。
元々カーリーはリーダーではなく、恋人のジェイがリーダーでチーム名もジェイ20と言った。ところが突然そのジェイが活動を休止すると宣言してしまうのである。いきなり慣れないリーダーになったこともありチームはバラバラ、しかも練習場所すらなく彼女は途方にくれる。そんな時彼女に助け舟を出したのがバレエ学校の女性教師ヘレナ(シャーロット・ランプリング)だ。彼女はスタジオを貸すかわりに、バレエ学校のダンサー5人もチームに参加させるように言う。バレエとストリートダンスといったら素人目に見ても全然違うもので、一体どうするのかとこれはもう興味深々だ。案の定最初は元のメンバーといざこざが耐えないのだけれど、この馴染んでゆく過程がまた見ていて面白い。
ストリートダンスなのに異様に背筋が伸びていたり、足先がピンと伸びていたり。何しろ最初はレオタードとバレエシューズだ。もちろんこれにはへレナの狙いがあって、彼女の生徒たちに足りない熱気とエネルギーをストリートダンスから得させようという目論見である。逆にカーリーには皆をまとめると言うことはどういうことなのか、リーダーとしての資質を磨かせる意味もあった。シャーロット・ランプリングと言えばイギリスの名女優であり、どちらかと言えばアート系のイメージが強い女優だが、その彼女がストリートダンスの映画に出演すると言う事自体が、まるでバレエとストリートダンスの融合のメタファーであり、おかげで映画そのものがピシッと引き締まってくる。
チーム名“ブレイキング・ポイント”として徐々にまとまりが付き始めた頃に全員で連れ立ってクラブに行くシーンがあるのだが、そこに大会の優勝候補筆頭チーム“ザ・サージ”が現れる。クラブでのダンスバトルシーンはこれがもうワクワクして自然と体がリズムを取ってしまうほど楽しい。クラブの観客は大盛り上がりだが、まるでこちらもそこに参加しているかのようである。ところが!バトルも山場に差し掛かった時、一人のダンサーが現れる。<何とそれはチームを抜けたジェイだった。そう、彼は優勝する可能性の高いチームへ乗り換えたのだ。>この事件を元により結束を固める“ブレイキング・ポイント”だったが、ここへ来てまた問題が立ちはだかるのだった。
元々へレナが生徒をチームに参加させたのは、彼らに足りないものを補うためだったのは既に述べた。それも全ては学校からロイヤルバレエ団オーディションの通過者を一人でも多く出すためだ。その肝心要のオーディションがヘレナに批判的な人物によって、よりによって大会当日にセッティングされてしまうのだ。といっても話としては結末はミエミエではある。従ってそんなことよりも、大会でどんなパフォーマンスを見せてくれるのかに注目していた。素晴らしかった。これは本当に素晴らしい。ストリートはそもそも自由、バレエのテイストを巧みに取り込んで自分たちのものにした“ブレイキング・ポイント”のパフォーマンスは、美しくも興奮させられた。
実際にプロバレエダンサーであるトマス役のリチャード・ウィンザーが見せるバレエテイストのダンスもこれは流石にはまっている。ちなみに映画的には“ブレイキング・ポイント”が勝たないと物語が成立しないけれど、決して“ザ・サージ”のパフォーマンスが劣っていると言うようなことはない。全編に渡ってホンモノのダンスをたっぷり堪能できる本作は、素人でも、いや素人だからこそ存分に楽しめる作品だと思う。
個人的おススメ度4.0
今日の一言:オマケつけるなら映像でなきゃ意味ない
総合評価:79点
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