ピラミッド 5000年の嘘/La révélation des pyramides
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まるで雑誌「ムー」の特集を髣髴とさせるこの手の作品、個人的に非常に楽しみにしていたのだが、結論だけ言うと“私には”残念な作品だった。それは内容がという意味ではない。内容そのものは驚きを隠せないものばかりなのだが、問題はそれを知ったのが映画そのものではなくてその宣伝番組だったと言うことだ。一番有名な「ギザの大ピラミッドは、本当は4面ではなく、8面で構成されていた」という事実は普通に夕方のニュースで特集されていたほどだが、それ以外にも何故か既に知っている“謎”ばかり登場したのである。何故こんなに?と調べてみると公開10日前の2月8日に放送された「ザ・ベストハウス123」で思いっきり特集を組まれていて私はモロにそれを観ていた。
「突然やってくる人類滅亡!超古代からの警告 ピラミッド2万6000年のカウントダウン」と銘打たれたその番組では、「ギザの大ピラミッドがクフ王の墓と言える証拠がない」こと、「星座の動きを計る時計である」こと、「その針がスフィンクスの視線である」こと、更にはもっとも驚きの事実である「ギザのピラミッド、南米ペルーのマチュピチュ、イースター島のモアイ像、南米ペルーのナスカの地上絵、クスコといった古代遺跡は赤道から30度の角度で地球を一周する第2の赤道上にある」といったことまで明かされていた。無論映画の公開は解っていたのだから観なければ良いのだが「テレビでここまで出すってことは、映画の方はもっと大きな秘密があるんだろう」と思っていたのだ。
結論から言うと確かにテレビ番組の内容が全てではなかったが、大きな驚きを与えてくれる内容は殆どネタバレされていた…。しいて言うなら「ギザの大ピラミッドや巨大な像の多くが左右対称で現代技術でも困難なコンマ数ミリのズレしかない石積みで出来ている」といった事実や、「左右対称な像の顔のパーツが全て同じ大きさの円で出来ている」といったあたりに軽く驚いたぐらいだった。要するに本作では既存のエジプト学には矛盾があり、37年間に渡って調査・研究し、6年間に渡って検証した結果ある一つの事実が見えてきたのだと言っている。それは『ギザの大ピラミッドは、“墓”ではなく“時計”だ』と言うことだった。時間をかけただけあって検証された事実は確かに面白い。
何も予備知識なしで本作を観る分にはこれはもうかなり引き込まれるのではないかと思う。ただ、最初の方で実際に建造物や像といった目に見えるモノを検証の対象としているうちは、「おぉ~、ほんとだ!すげぇ。」といった所なのだが、最後の方の地球の磁場の乱れの話になってくるとこれがとたんに胡散臭さも孕んでくる。いわゆる2012年人類滅亡説のたぐいの話しに聞こえてしまうのだ。更に言うと、この作品では反論する側の意見がまるで説得力を持たない…。作品側が一生懸命事実を積み上げても、いわゆる既存のエジプト学者の反応が、科学的な見地からというよりも「そんな常識ハズレなことは話しにならない」とでも言ったようにハナから相手にしていない。
それがまたあまりにもわざとらしいステレオタイプな既存学者に見えてしまうので、この作品自体が茶番とまでは言わないが、どこか昔からある矢追純一系テレビ番組に見えてきてしまう。もちろんそれ系が好きな人には何も問題ないだろうが、せっかく映画にするからにはもう少しアカデミックに意見が戦わせられると作品自体のドキュメンタリー性も上がってくるように思う。この作りだと、正直な所私には本作よりも「ザ・ベストハウス123」の方が面白かった(苦笑)続編が用意されているとのことだが、願わくば次回は一切ネタバラシをすることなく公開まで行って欲しい。せっかく料金を払ってテレビで見た内容ばかりでは余りに寂しすぎる。
個人的おススメ度
3.0
今日の一言:次の嘘はなんでしょうねぇ~
総合評価:63点
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