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2012年2月 8日 (水)

マノレテ 情熱のマタドール/Manolete

Photo 『エクスペリメント』のエイドリアン・ブロディと『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のペネロペ・クルスというオスカー俳優そろい踏みのトゥルーラブストーリー。今も尚スペインの英雄として語り継がれる伝説の闘牛士・マノレテとその恋人ルーペのロマンスを描いている。監督・脚本は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の原案を担当したメノ・メイエス。
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闘牛の愉しみ方が解らないと…

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エイドリアン・ブロディとペネロペ・クルスというオスカー俳優2人がメインキャストにも関わらず日本未公開となってしまった本作。しかし実際に鑑賞してみるとそれも無理ないことが良く解った。それは一言で言ってしまえば、闘牛の楽しみ方、闘牛士のもつステータスや技術の意味などを知らない一般的な日本人には、この映画の表現がとても理解しにくいと言うことである。実際、私には途中意味が解らない部分が多かった。例えば闘牛場でマノレテ(エイドリアン・ブロディ)のマネージャーや取巻きが「悪い牛だ」と言うシーンがあるが、一体何が悪いのかがサッパリ解らない。そしてそこが解らないとマノレテが技を披露して賞賛を浴びる理由も解らない。

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また、マノレテが牛を押さえ込むように回転するシーンで若い闘牛士が「無謀過ぎる!」と言うが、そもそも闘牛のテクニックの標準も知らないので何が無謀なのかも実感が湧いてこないのだ。もしかしたらスペイン人がハリウッドの野球映画を見たらこんな感じを受けるのかもしれない。更にノレなかった理由がもう一つある。それは本作がスペイン、それも田舎の人間が多く登場するのに全編が英語で展開することだ。ちょっと調べてみるとマノレテとは1917年に生まれたコルドバ出身の闘牛士で、三大闘牛士とか伝説の闘牛士として、今現在も国民的英雄なのだという。その英雄をアメリカ人のエイドリアン・ブロディが演じるのはまだいい。

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しかし恋人ルペ・シノを演じるのがスペインを代表する女優ペネロペ・クルスであり、その彼女がスペイン語訛りの英語を使うというのはスペインの英雄を描くのに本末転倒ではないかと思うのだ。そんなワケで個人的には殆ど感情を揺さぶられることも無く淡々と観ていたのだが、ストーリー自体はそう解りにくいものではなかった。若くしてデビューしたマノレテは、日々感じる死に対するストレスへの癒しを恋人ルペに求めたのだろう。そもそもそこに不幸のタネがあった。ルペは確かにマノレテを愛していたが、何かに縛られる女性ではないのだ。むしろその奔放さが彼女の魅力でもある。獰猛な牛を手玉に取るように、マノレテは彼女を自らの手に納めたかったのかもしれないがそうはいかなかった。

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「ずっとそばにいる。でもいつも見てはいられない。」彼女のこの言葉が彼女自身をとても顕著に表している。このように前半は、ルペ優位の展開だ。しかし後半は危険な仕事に従事する夫或いは恋人を持つ女性の気持ちとしては普遍的な物語として展開する。即ち彼女はマノレテとの結婚を望むようになるのだが、結婚の条件として彼に闘牛士を引退するように迫るのだ。しかし今度はマノレテがそれを良しとしない。仕事と私とどっちを取るの?ではないけれど、この展開は例えば男が軍人だったり、格闘家だったりしても当てはまるだろう。愛する人が傷つくかもしれない場面を見ていられない女性の気持ちと、それでもその女性が見ていてくれることで力を発揮できる男性の気持ち。

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相容れないこの感情はこの2人もピッタリと当てはまり、それが故に一瞬の油断を招いたマノレテが命を落とす結果になるというのが皮肉である。彼が死に行く最後の最後もまた皮肉だ。実はマノレテはルペを抱く時「マミッタ(お母さん)」と言いながら果てるという秘密を持っていた。いまわの際で「マミッタ」と呟くマノレテは明らかにルペを呼んでいる。しかし秘密にして欲しいと言う彼との約束を守り彼の傍に近づかないルペ…。それは国民的英雄のマノレテを守ったことを意味するが、彼女にとっては哀しみ以外の何ものでもない。このように、物語そのものは割と普遍的なものだったのが救いだった。もし本作を鑑賞するならば、多少なりとも闘牛に関して予備知識を得てからの方が良い。見方は確実に変わるだろう。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:配給会社の判断は正しいだろうな…多分…
総合評価:59点

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『戦場のピアニスト』(主演男優賞)のエイドリアン・ブロディ、『それでも恋するバルセロナ』(助演女優賞)のペネロペ・クルス。アカデミー賞俳優競演による激情のトゥルーストーリー ... [続きを読む]

受信: 2012年2月 8日 (水) 18時59分

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