東京プレイボーイクラブ
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| 大森&光石コンビはイイネ! |
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2010年のゆうばりファンタスティック映画祭で審査委員長のジョニー・トー監督が賞賛したという作品だそうだ。監督は弱冠24歳の奥田庸介。確かにユニークなバイオレンスムービーではあるが、かなりの部分を大森南朋と光石研という日本を代表する俳優の演技力に救われているのではないだろうか。物語そのものは正直言ってどこにポイントを当てたかったのかがあやふやに感じたし、映像的にも甘さを感じる部分が多かったように思う。ただ、主人公・勝利(大森南朋)が目の前に現れる嫌らしい奴らを叩きのめす暴走っぷりは観ていて胸がすく思いになるのも事実だし、それがどことなく笑いに繋がってしまうあたりはプチ園子温風でもあるといったところか。
冒頭地元でトラブルを起こし、勝利は昔の仲間の成吉(光石研)が東京で経営するサロン“東京プレイボーイクラブ”に身を寄せる。そもそもこのクラブ自体がナンなんだか良く解らないのだが、椅子の並び方がピンサロのようでもあり、店のボーイ・貴弘(淵上泰史)のマイクパフォーマンスがキャバクラのようでもあり、とにかく妙に場末感だけはたっぷりと漂わせている。少なくともそこに集う人間が基本的には底辺の連中だということは良く解る。さて、成吉にとって勝利が転がり込んできたのは“勝利”どころか“敗北”の始まりだったというのがミソだ。何しろヤツときたら店のある地域一体を仕切るヤクザの三兄弟の末弟・梅造(三浦貴大)をボコボコにしてしまうのだ。
もちろん理由はあって、梅造が酔っ払ってトイレで勝利に詰らない因縁をつけたからなのだが(苦笑)ちなみに三浦貴大は知っての通り三浦友和と山口百恵の息子で芸能界のサラブレッド。どう汚い言葉を喚こうが、その存在からそこはかとなく漂う育ちの良さは消しきれず、ハッキリ言って「何でチンピラやってんの?」と失笑するしかなかった。この辺が二世俳優でも松田優作の息子の龍平・翔太あたりとはちと違うところだろう。大体怒鳴れば迫力が出るものではない。この事件を発端に梅造の次兄・竹男(赤堀雅秋)、長兄・松ノ介(佐藤佐吉)まで登場して成吉はとんでもない自体に無理矢理引きこまれて行くことになる。これが本線。それとは別に貴弘とその恋人エリ子(臼田あさ美)の話もある。
しかし本線ににエリ子が大きく関わってくる展開にも関わらず、序盤から途中までは貴弘が中心となっているのが勿体無い。大体途中から全く登場しなくなってしまうキャラクターを店の金を持ち逃げする事件を起こすほどフィーチャーする必要はない。エリ子を登場させるキッカケだけならもっと軽い扱いで良かったのではないかと思う。その分エリ子の人物像をもう少し深めに掘り下げて欲しかった。ともあれ物語は進む。勝利は梅造をボコボコにしたその夜のうちに竹男までも半殺しにするのだが、この辺から役者の演技力と監督の演出力の乖離を感じてしまった。「死ねよ」とひたすら顔面を殴る大森南朋の静かな狂気は良く伝わるが、殴られている人間に激しさを感じない。
要するに全然痛くない。他にもこの後、松ノ介がとある理由で死んだその遺体をノコギリでバラシて袋につめて捨てるなんていうシーンもあるのだが、何も『冷たい熱帯魚』までやってくれとは言わない。しかしノコギリの音だけで逃げるのは余りに弱い。ではその分そこに笑いを込めていたりするのかといえばそういう演出にもなっていない。結局監督はワザワザ入れたバイオレンスシーンを活かしきれていない。ただ大森南朋の迫力と、光石研のヘタレ振りのコンビネーションが素晴らしくてそれだけで観れてしまうのだ。最後の最後でいきなり勝利とエリ子の間に絆が出来上がってしまうのはいくらなんでも苦しいところだろう。無理にエリ子を挟まずとも名優2人で十分魅せられたのではないかと思ってしまった。
個人的おススメ度
2.5
今日の一言:懐かしい音楽が良かった!
総合評価:56点
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