恋人たちのパレード/Water for Elephants
| こっちのロバートは“ジェイコブ”です |
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『トワイライトサーガ/ブレイキング・ドーン』と本作の2本が同日公開というロバート・パティソン主演のラブストーリーである。ちなみに本作では恋人同士がパレードすることはない。サーカス団が舞台になっているのでイメージ的にそんな邦題がついているのだが、原題『Water for Elephants』にあるとおり象が重要なポイントだ。物語はサーカスの前で雨に濡れている1人の老人とそこで働くチャーリーの出逢いから始まる。老人はそのサーカスの事務所にあった古い写真を手に取り、その昔働いていたベンジーニ・ブラザーズ・サーカスで1930年代に起こった伝説的な事件について語り始めるのだった…。要するに良くある回想型の作品である。
当然この老人がロバート演じるのが主人公の青年ジェイコブだ。どうでもいいけれどロバート・パティソンが演じているけれど“ジェイコブ”だ(笑)彼は大学で獣医師を目指しているも、両親の事故死で中退を余儀なくされる。そしてそんな彼が行くあてもなく通りすがりの列車に飛び乗ると、なんとそれがベンジーニ・ブラザーズ・サーカスの列車だったのだ。サーカス団があちこち巡るのは知っていたが、機関車と列車で動物や人間を乗せて回っていたとはかなり意外。余計なことだがそりゃ維持するだけで莫大な金がかかりそうだ。ジェイコブは獣医学の知識で、一座の花形マーリーナ(リース・ウィザースプーン)がショーに使っている白馬の病を見抜く。
それがきっかけで団長のオーガスト(クリストフ・ヴァルツ)にすっかり気に入られるのだった。さて、そこでお約束ではあるがジェイコブはマーリーナに一目惚れ。しかし問題はマーリーナが既にオーガストの妻だということだ。単なる不倫ではなくオーガストの人を人とも思わない身勝手な態度は、リストラする人間を走っている列車から放り出すようなことまでするほど。従ってマーリーナがオーガストと結婚したのにも当然理由がある。ただ理由はあるが、そうだとしてもこれはジェイコブの横恋慕であり略奪愛以外の何ものでもない。夫婦仲が悪かろうが良かろうが、結婚している女性を奪って良い筈がないし、女性の方もどんなに不満を抱いていてもその絶対にその横恋慕に応えてはならないのは当然だ。
と言うワケでもう設定からして私はジェイコブに共感は抱けない。ただし、個人的な感情はさて置き、一応その辺の微妙な心情の変化は描かれていて、そのポイントとなっているのが原題にある通り象だった。象のロージーはジェイコブの診断で安楽死させた白馬の代わりに、一座の看板となるべく連れてこられたのだが、そのロージーに対する態度を通してジェイコブとマーリーナは愛情を深めていく。少し残念なのが、この2人の距離感の描き方に比べて、マーリーナとオーガストの距離感の描き方が少ないことだ。具体的にはマーリーナのオーガストに対する気持ちが描ききれていない。確かにオーガストは酷い人間だけに、具体的に描かなくとも何となく解ったような気になってしまうのだが…。
オーガストと出逢って結婚するエピソードも逃げられなかったらしいことは解るが、その時どういう状況だったのかは今一つ不明だ。要はマーリーナはオーガストのことを捨てるほどに嫌っているように見えなかった。脚本のせいが大きいだろうが、相手に対する気持ちという意味ではオーガストを演じたクリストフ・ヴァルツが見事である。自分がすぐカッとなる性格だということも認識しながら、それでもマーリーナを深く愛している、身勝手と言われようが、無様だろうが彼女への深い愛は変わらず、それが叶わない時にみせる強烈な嫉妬心と怒り。オーガストからは若い男に愛する妻を取られた男が見せるであろう人間性の全てが感じられる。むしろ私はオーガストの方に共感を覚えるほどだ。
ただ結果的にその身勝手さが伝説的な事件を引き起こし、サーカス団はつぶれてしまうのだが。しかしこれは考えようによってはジェイコブがサーカス団を潰したと言っても良いのではないか。結果的にストーリーの流れとしては、ようやく2人の恋は成就し、幸せな人生を歩みました、メデタシメデタシとなる。だがそれでは行くあてもない男を拾ってやったが故に、自らの命のも含めた全てを奪われた男オーガストが哀れでならない。映画的名クオリティはともかく個人的には素直に感動できる作品ではなかったようだ。
個人的おススメ度
3.0
今日の一言:クリストフさんの上手さが光ってます
総合評価:65点
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