サルベージ・マイス
『おにいちゃんのハナビ』の谷村美月が広島を舞台に怪盗マイスとして美術品窃盗団と戦いを繰り広げるアクションムービーだ。共演に映画初出演となる空手少女長野じゅりあ。プロデューサー・アクション監督を『ハイキック・ガール』では監督を務めた西冬彦が、監督を「平成仮面ライダー」シリーズの田崎竜太が務める。 |
長野じゅりあのアクションは素晴らしい |
あらすじ
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谷村美月目当てでの鑑賞だったのだが、観て初めてこれが彼女の初めてのアクション映画だと知った。ちなみに監督の田崎竜太は「平成仮面ライダー」シリーズの監督だそうだが、私はそっちは興味ゼロなため、監督は初めて聞く。むしろそれよりアクション監督の西冬彦だ。武田梨奈を見出した『ハイキック・ガール』では監督も務め、昨年公開の『KG カラテガール』でもアクション監督を務めているが、彼の名前が無くともそのキャスティングとアクションの動きを見た瞬間「もしかして?」と気付いた。何しろ劇中悪役で登場する飛松陽菜は『ハイキック・ガール』では主演のが武田梨奈とコンビを組んだ美少女空手家だし、敵のボスであるリチャード・ウィリアム・ヘセルトンは今回も同じくラスボスだ。
さて主人公・有栖川真唯(谷村美月)は騙されて奪われたお宝を美術館などから盗み出し、元の持ち主に返すサルベージ・マイスを名乗っている。ちなみにタイトルにある“マイス”は“マウス”の複数形で、それは単に相棒がいるからだ。言ってみればネズミ小僧を意識しているのだろうが、そもそも騙されようがどうしようが美術館が善意の第三者として手に入れたものを盗み返して良い道理があるはずがない。もっともその辺の細かい設定はごっそり割愛されているのだが。というか、あまりにもズタボロの脚本を書いているのは『牙狼 GARO』シリーズの田口恵だけに、要はそういった系統の作品だとして観る、即ち“余計なことを考えない”ようにしないといけない。
元々組んでいたマリク(佐藤祐基)に裏切られ、盗みの濡れ衣を着せられた真唯は広島をこよなく愛する空手少女・宇佐木美緒(長野じゅりあ)と出会う。最初は真唯のことを誤解していた美緒が彼女の本当の心を理解すると、2人は組んで新生サルベージ・マイスとして裏切ったマリクとそのボスを倒すために戦いを挑むのだ。谷村美月の警棒を使ったアクションは初めてにしては上出来。中々華麗な動きを披露してくれる。しかし今回何と言っても目を奪われたのは長野じゅりあの動きだ。糸東流空手道の世界大会で優勝したこともある16歳の女子高生は600人のオーディションを勝ち抜いて選ばれた。美しい動きだけでなく、何と言ってもその繰り出す技の速さが素晴らしい。
私は武田梨奈は豪快な技を繰り出すが欠点は動きが遅いことだと思っている。『KG カラテガール』ではそんな彼女と対照的に恐ろしい速さを持った飛松陽菜という新星が現れた。ただ飛松陽菜はまだ子供過ぎて今度はどうしても技が軽く見えてしまう。長野じゅりあは武田梨奈の豪快さ、飛松陽菜の速さの両方を併せ持った存在だと言える。本作でも長野vs飛松は用意されているが、残念ながら飛松の方が割と存在感が軽めのやられ役だったため、ガチンコ勝負とまでは行かなかった。それでもスピード感溢れる立会いは今後を期待させるに十分だ。願わくば近いうちに武田・飛松・長野の3者をメインに据えたアクション映画を観てみたいものだ。これは是非、西監督にお願いしたい。
さて、クライマックスの敵ボスとの戦いは例によって『KG カラテガール』同様に女子2人が白人の大男と対決して倒すというもの。毎度のことながらこれだけはどうにも馴染めないし引いてしまうのだが、それでもリチャード・ウィリアム・ヘセルトンのやられっぷりが前より様になってきているのが面白かった。ところで彼の喋りはあからさまなアフレコで英語がかぶさっていて、それに字幕が乗るというよく解らない状態になっているのだが、どうも口の動きを見ていると演技自体を日本語でしているようにも見えるのだがどうだろう?最後の最後で長野じゅりあが全国展開をするかのようなセリフを言うのだが、もしかして連ドラ化や映画続編を考えているのかもしれない。
個人的おススメ度2.0
今日の一言:映画のクオリティとしては…無理
総合評価:47点
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