イップ・マン 誕生/葉問前傳
ドニー・イェン主演の『イップ・マン 序章』、『イップ・マン 葉問』よりの前の時代、イップ・マンの子供の頃から青年時代を描いたカンフー映画。主演はその2作品にも出演していたデニス・トー。共演にサモ・ハン・キンポーやユン・ピョウ、そしてイップ・マンの実子であるイップ・チュンが出演している。監督はハーマン・ヤオ。 |
巡り巡るカンフーの絆 |
あらすじ
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ドニー・イェン主演の『イップ・マン 序章』、『イップ・マン 葉問』より更に前の時代、イップ・マンが子供の頃から青年に達するまでを描いた物語だ。今回イップ・マンを演じるのはの『イップ・マン 序章』で映画デビューを果たしたデニス・トーである。といいつつも、残念ながらどこに出演していたのかは全く覚えていない。更にちょっとややこしいのだが、前2作でイップ・マンの友人役だったルイス・ファンが本作ではイップ・ティンチーという兄弟役に、「葉問」でイップ・マンと闘った武館の主サモ・ハン・キンポーが今回はイップ・マンの師匠として登場する。物語的には例によって例の如く日本人悪役ストーリーで、もちろん最後はイップ・マンがそんな日本人の企みを撃破する(苦笑)
最初イップ・マンは兄ティンチーとともにチェン・ワースン(サモ・ハン・キンポー)に師事するのだが、その師匠が亡くなると兄弟子のウー・ツォンソウ(ユン・ピョウ)教えを請うことになる。私の世代からすると、後のブルース・リーの師匠がそのブルース・リーの影響を受けたサモ・ハンとユン・ピョウから教えを受けるという、何とも映画的な面白さにウキウキしてしまった。しばらくしてイップ・マンは香港に留学するのだが、今度はそこで師匠チェン・ワースンの弟であるリョン・ピックに教えを受ける。後から知ったのだが、驚くべきことにこのリョン・ピックを演じていたのはイップ・マンの実子であるイップ・チュンというご老人だった。何とも心憎いキャスティングではないか。
とまあ、映画的にも実際にもスゴイ人々に教えを受けたデニス・トーだが、残念ながらそのカンフーアクションは普通だった(笑)決して悪くは無いが、いかんせん同じイップ・マンを当代髄一の香港アクションスターのドニー・イェンが演じていたのだから、これはもうどうしたって比べてしまうし、彼と比べてしまったら流石に見劣りしてしまう。ただ、イップ・マンのスタイルが元々チェン・ワースンが教えていた詠春拳とは若干違い、リョン・ピックが関節技や上段蹴りなどを取り入れたより実戦的なものに変わって行く様子が解ったのは面白い。もっともそれに関しては正統だ邪道だでひと悶着あるのだけれど…。ともあれ英語も完璧でハンサムな上、拳法も強いイップ・マン像が描かれていく。
さて、そんな素敵なイップ・マンだけに女子が放っておくはずが無い。彼女に恋心を寄せるのは副市長(ラム・シュー)の愛娘であるチャン・ウィンセン(クリスタル・ホアン)と妹弟子のメイワイ(シュー・チャオ)の2人だ。正直イップ・マンのラブストーリーなどどうでも良いのだが、2人の女性はそれ以外の部分で重要な役回りをする。余談だがクリスタル・ホアンは尾野真千子に見えて仕方なかった…。この後、悪役として登場する貿易商・北野行雄(拳也)との争いに突入していくのだが、困ったことにこの北野が大して悪党に見えない。確かに当時の日本の力を背景にして、警官を買収し税関職員をものともしない傍若無人ぶりを見せるものの、具体的に何をしているのかが解らないのだ。
ただ精武体育会のリー会長を殺害し、その濡れ衣をイップ・マンに着せ、更に副会長だったティンチーが会長に昇格するすると物語の流れ自体は見えてくる。最後の最後に明かされる実はティンチーが日本人で軍の大佐だったという衝撃の事実は流石に驚かされたが、結局この一件はこの後にイップ・マンが辿る人生を考えると、全ての発端になっているのだということが解る。『イップ・マン 誕生』はこれ単体で面白いというよりも、後に続くイップ・マンの人生を含めて観て初めて面白いと思える作品だ。本作を観るならば是非『イップ・マン 序章』、『イップ・マン 葉問』も併せて観ることをおススメしたい。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:アレで日本人の役はないだろw
総合評価:63点
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