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2012年3月12日 (月)

おかえり、はやぶさ

Photo 小惑星イトカワからのサンプル採取という世界初の偉業を成し遂げた小惑星探査機ハヤブサの出発から帰還までをJAXAのエンジニアの視点から描いた物語。主演は『カイジ』の藤原竜也。共演に杏、前田旺志郎、大杉漣、中村梅雀、三浦友和らが出演している。監督は『鴨川ホルモー』の本木克英、脚本を陰日向に咲くの金子ありさた担当した。
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久しぶりに途中で帰りたくなった作品

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20世紀FOXの『はやぶさ/HAYABUSA』、東映の『はやぶさ 遥かなる帰還』につづくハヤブサテーマの3作目。結論から言うと3作中もっとも酷い出来、いや映画としてここまで酷い作品も久しぶりだ。今回はかなりの辛口で書くので作品を気に入った方は読まないで頂きたい。とはいえどんな作品でも良いところはあるもの、この作品ではそれは何か。3作品中唯一の3D作品ということで、宇宙の三次元感覚は中々良く表現出来ていたと思う。他にもCGを使用した解説画面、例えばスイングバイの説明をする時の、はやぶさと地球の軌道や位置などは解り易かった。ただ逆に機械的な説明をする時は、簡潔にしようとする余り説明を省きすぎて折角の画面が説明になって無かったりもする。

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もう一つの良い点、それは俳優の三浦友和の演技だ。主人公でイオンエンジンのエンジニアである大橋健人(藤原竜也)の父親で、火星探査機“のぞみ”プロジェクトのリーダーだった伊佐夫、物語の経過はともかくとして彼の登場するシーンだけは場が締まっていた。特にはやぶさ帰還後の健人と伊佐夫の父子の和解シーンはその場面だけ見ると少し感動する。少しというのは、本来そこまでもって行く物語が上手く出来ていればもっと感動できたはずだと言う意味だ。以上の2点がこの作品の良かったところである。それではこの作品の何が悪いのか。そもそも何を言いたいのかが解らない。はやぶさの物語はそれだけで十分感動的なのに、そこに変な味付けをしようとして失敗している。

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例えば『はやぶさ/HAYABUSA』はそのはやぶさの感動物語を一人の女性の目を通して素直に表現していた。そして『はやぶさ 遥かなる帰還』は3.11を経験した上で今の日本に対する渡辺謙のメッセージが込められていた。本作にはそうした明確なものは何も無く、唯ひたすら薄く陳腐でありきたりな、耳障りだけが良い言葉とはやぶさを重ね合わせていた。例えば何故か肝臓移植の患者であるJAXA職員の妻にはやぶさを重ねて“諦めない”だとか、主人公・健人と伊佐夫に重ねて“道を示してくれた、導いてくれた”などという、いかにも後付けの都合の良さが覗えて呆れるばかりだ。脚本の金子ありさは私も好きな作品を多く書いている人だが、何故またこんなホンを書いてしまったのだろう。

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はやぶさの旅における大イベントはイトカワへのタッチダウンが失敗し、2度目のタッチダウンをするかどうかの決断するシーンと、はやぶさをロストするシーン、イオンエンジンのクロス運転の決断のをするシーン、そして帰還してくるシーンの4つだが、この作品はそのどれもに全く心動かされない。まるで起こった事象の結論を単に映像化しただけかと思うほどの深みのなさ、溜めのなさで物語が進行して行くのには驚くばかりだ。ここでプロジェクトリーターの江本智彦(大杉漣)の決断やスタッフの苦悩を描かないなら何のためのはやぶさなのか。物語は肝心要のプロジェクトスタッフには目もくれず、何故か健人と同僚の野村奈緒子(杏)の2人にばかり密着している。それ以外は、唯一江本が伊佐夫に会いに行く位だ。

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スタッフのとてつもない苦労を知ることで、その苦労がはやぶさの約7年60億キロの旅と重なり、やっと帰還してきたシーンで感動を呼ぶのである。まさか本気ではやぶさを擬人化し、その苦労だけで感動できるとでも思っているのだろうか。3D故に2000円の料金を払ったけれど、とても値段に見合う内容ではない。しかし皮肉にもこの作品の数少ない良い点が3Dというのだからもう笑うしかない…。しかしここでふと気がついた。見た目の解りやすさ、アバウトな説明、陳腐なテーマ、人間の描き方の薄さ…要するにこの作品はお子様向けなのか。3作品の中の3番目の公開という不利な条件はあったにせよ、私には本木監督が舞台挨拶で語ったように“これが(3作中)一番の評判”とは思えない。

個人的おススメ度2.0
今日の一言:謙さん杏さん父娘対決は父の勝ち!
総合評価:45点

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» おかえり、はやぶさ [あーうぃ だにぇっと]
おかえり、はやぶさ@なかのZERO [続きを読む]

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» 『おかえり、はやぶさ』 2012年3月11日 TOHOシネマズ市川 [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
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受信: 2012年3月12日 (月) 07時50分

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受信: 2012年3月12日 (月) 17時08分

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小惑星探査機<はやぶさ>を題材にした3本目の実写映画。 真打ち登場、と言いたいところだけど、こういうものは旬が大事、早い者勝ちって部分が少なからずあると思う。 3本の中で一番フィクション要素が強いのかな、もはや<はやぶさ>じゃなくても良くなってきてる。 主人公がプロジェクトの中心人物ではなく、かといって他所者でもないという中途半端さは、他の2本との差別化の意味では面白いのだけど、自信過剰で大言壮語する嫌なヤツで、確かに能力はあるんだろうけど一緒のチームで仕事はしたくないよな、というタイプ。... [続きを読む]

受信: 2012年4月 8日 (日) 14時44分

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受信: 2012年5月28日 (月) 22時39分

» 映画:おかえり、はやぶさ [よしなしごと]
 3つの制作会社がそれぞれの視点と思いで惑星探査機・はやぶさを映画化し、今回は松竹が描いた作品、唯一3Dで作られたおかえり、はやぶさのレビュー記事です。ただし鑑賞は2Dで。... [続きを読む]

受信: 2012年6月18日 (月) 04時36分

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