ゴーストライターホテル
クラムボンは笑ったよ… |
あらすじ
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何ともグダグダなコメディドラマだった。阿部力演じる作家志望の青年・内海文一はこれまで一度も最後まで書き上げたことが無い。そこでこれまで数多の文豪が宿泊して執筆したホテル「本天堂」に滞在してみるのだが、それでもかけずやがてお金も尽きることに。已む無くホテルで清掃員の仕事をするのだが、何とそのホテルの地下倉庫には文豪たちの失敗原稿が保存されていて、それをとある部屋で読むと文豪の幽霊が出現するのだった。内海は彼らと協力して名だたる名作の続編を書き上げる。瞬く間に売れっ子になる内海に、ゴーストライターの噂が立ち…。っとまあ物語を簡単に言えばこんな感じだ。要するにゴーストライターと文豪の幽霊をかけているわけだ。
残念ながらストーリー自体が何の捻りもなく面白くない。しかも笑えるシーンは物語の軽妙さで笑えるのではなく、演じている芸人が笑わせているだけだ。要するにバラエティ番組のコントドラマの域を出ていない。…と思ったら、そもそも伊東寛晃監督はバラエティ番組のプロデューサーをしている方だそうな。バラエティ番組としてテレビで観る分には面白いのかもしれないが、お金を払って観に行く映画としてこういう作品を作るのはどうかと思う。登場する文豪たちは以下の通りで、夏目漱石を世界のナベアツ、宮沢賢治をケンドーコバヤシ、太宰治をフルーツポンチ村上健志、森鴎外をかたつむり林、林芙美子をおかもとまり、江戸川乱歩をカンニング竹山が演じて?いる。
例えば世界のナベアツだったり、ケンドーコバヤシだったり、カンニング竹山といった普段からトークが得意でそれで笑いを取っている芸人さんたちは、彼らの台詞回しや、素の様に演じる部分が確かに面白いし笑える。だがそれはあくまでも私個人がお笑い芸人としての彼らのことが好きだからであって、そういうことに何の興味も無い人にとってはさっぱりだろう。実際劇場にいたご年配の方々たちからは戸惑いにもにた微妙な空気が漂っていた。物語序盤で彼ら文豪たちの幽霊に出会うと、あとはかなりの部分をその幽霊たちとのトークを見せながら内海が執筆する話に費やすことになる。(まあそれが見せ場なので当たり前と言えば当たり前だが。)物語終盤で内海の秘密がばれるのだが、それは大学時代の文学サークル同期・鷺宮(池田鉄洋)が関わっている。
ただもうこの鷺宮のキャラクターや描写自体はもう殆どグダグダでどうでもいい。結局内海は文豪たちの幽霊=ゴーストライターの力を借りて本を書いていたことそのものを小説に仕上げるのだが、それが即ち「ゴーストライターホテル」という本だ。つまり文豪たちの幽霊以外の存在はそこにたどり着くための材料に過ぎない。吉本興業とテレビ朝日のコラボレーションで制作されたそうだが、せっかく文豪たちの幽霊が主人公とともに登場して自分たちの作品の続編を書くという面白いアイディアを自ら安っぽいコントに貶めてしまったのはとても残念だ。DVDで十分だと言いたい所だが、単に楽しく笑いたいなら、吉本芸人のライブDVDのほうが笑えると思う。
個人的おススメ度1.5
今日の一言:これは映画じゃない…
総合評価:42点
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