アポロ18/Apollo 18
何故今更こんな映画をつくったのだろう |
あらすじ
←みなさんの応援クリックに感謝デス
「アポロ18」の名前におもいっきり騙されたハズレ作品。当初は20号までの予定だったアポロ計画が大幅な予算削減などを理由に17号で中止になった。本作は本来中止になったはずのアポロ18号が極秘裏に打ち上げられた時の一部始終を記録した映像を編集したもの…という設定のモキュメンタリーである。というか極秘裏にロケットを打ち上げることなどそもそも出来るのか?アメリカぐらいだだっ広ければそれも可能なのかもしれないが、それ以前に記録した映像が「ネット上の片隅で見つかった」というのが余りにいい加減すぎる。大体ネット上に片隅もど真ん中もないだろうに。ともかくベン・アンダーソン、ネイト・ウォーカー、ジョン・グレイの3人は月に向かって旅立つ。
目的は国防総省がソ連を監視するために開発した機械を月面に設置することだ。が、これがとんでもない事態を引き起こす。まあ簡単に言ってしまうと、実はそれは地球外生命体を引き寄せる機械だった。一見岩や小石のようにしか見えないその生命体は動き出すとクモのような姿になる。ただし、彼らの姿は終始チラッとしか画面に出てこない。この辺が同じモキュメンタリーでも『トロール』とは大きく違うところなのだが、あえて見せない演出はこの作品の場合は成功しているとは言い難かった。ちなみに地球外生命体だけではなく、様々な謎が散りばめられ、しかしどれ一つとして明らかにされないままに映像は終わる。無論最後に待っているのは3人の死だ。
国防総省は地球外生命体の存在を知っていて彼ら3人には伝えなかったのだが、そもそもその機械でヤツらを集めてどうしようとしたのか?ソ連の着陸船と乗組員の遺体が18号の着陸船リバティから程近いところにあるのだが、それは一体どういうことなのか?ヤツらに体を傷つけられたベンは錯乱状態に陥るのだが、何かに“感染”しているというそれは一体何に“感染”しているのか?そもそも奴らの目的は?本来それぞれの意味が少しづつ明らかにされ、それに対する策を持ち合わせていないことで恐怖に共感できるのだが、何が何だか意味が解らないままに、パニックを起こし喚きまくる宇宙飛行士だけ映されても「はぁ…?」としか思えない。
というか、例えば地球外生命体の目的を考えるとか、ど素人ではないのだから少しは宇宙飛行士になるほどの優秀な人間であるところを見せて欲しいものだ。もっとも密閉されたヘルメット内にタランチュラのデカイ版が入ってたら宇宙飛行士もクソもないか…(苦笑)ベンとネイトは何とか指令船やヒューストンと通信を試みるもそれは徒労に終わる。高まる不安、襲い来る地球外生命体。そしてネイトだけが辛うじてソ連の着陸船に逃げ込み、ヒューストンに回収を依頼するも、既に“感染”していることを理由に断られる…。一応ここの辺りでは絶望感はかろうじて伝わってくる。だが、やはり恐怖感は無い。せめて地球外生命体の残虐な行為やグロい姿ぐらい見せて欲しかった。
大体あれだけ様々なカメラで写しておいたのだし、ベンが襲われる姿は映っているのだからそのぐらい見せたほうが効果的だ。辛うじて着陸船で脱出するネイト、しかし…。それにしても、そもそも何で今頃こんな作品なのだろう。本当にアポロ計画が中止された当時ならまだしも、今こんなオカルティックな作品を作る意味が解らない。アポロ計画に限らず、アメリカのNASAに関する陰謀説は色々あるけれど、結局この作品もそのひとつということなのだろう。陰謀でも何でも構わないが、モキュメンタリーにもホラーにもなりきれていない出来そこないの脚本だということだけが真実だ。
個人的おススメ度1.5
今日の一言:なんかもうどうでもいいや
総合評価:35点
作品情報 |
| 固定リンク
最近のコメント