Black & White ブラック＆ホワイト／This Means War

ＣＩＡの敏腕エージェントの親友同士がなんと同じ女性に恋してしまう。恋の鞘あてがエスカレートすると、ＣＩＡの人やアイテムを駆使して相手の邪魔をし始めるのだった…。主演は『スター・トレック』のクリス・パインと『インセプション』のトム・ハーディ、そして『恋人たちのパレード』のリース・ウィザスプーン。監督は『チャーリーズ・エンジェル』のマックＧが務める。
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面白いところがない

　あらすじ　

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恐ろしくツマラナイ。９８分の上映時間の３分の１を眠気と格闘し、３分の１を全く感情が動くことなくスクリーンを見つめ続け、最後の３分の１でほんの僅かだけテンションが上がった、そんな作品だった。ファンの方には申し訳ないがそもそも私はリース・ウィザスプーンという女優にあまり魅力を感じない。しかしそのバイアスを外したとしてもこの作品の彼女には全く惹かれるものがなかっただろう。例えばキャメロン・ディアスにこんな役をやらせたらどれだけ魅力的に見せてくれるだろうか。何とも言えず人をひきつける愛嬌だったり、時としてハッとさせる美しさだったり、天然ボケだったりセクシーさだったり。リースにはそんな部分が何一つとしてない。

従って、２人の男が公私混同してＣＩＡの職員やらアイテムを自分の恋のために使ってしまうという本作の設定のキモの部分にまるで説得力が感じられないのだ。こういってはナンだが、むしろリース演じるローレンの親友トリッシュを演じたチェルシー・ハンドラーの方がハチャメチャだけれども友達思いの女性をよほど上手く表現できていて、観ていて何を言い出すのか解らない可笑しさがあったと思う。ちなみにキモと書いた公私混同の部分、例えばタックがキスしようとすると部屋の中に雨を降らせたり、ＦＤＲが彼女と良い感じになろうと言う時に彼を麻酔銃で撃ったりといったシーンは予告編にも使われているけれど、これがまったくと言っていいほど笑えなかった。

魅力が無いのはローレンだけではなく、ＦＤＲ（クリス・パイン）やタック（トム・ハーディ）も同様だ。大体２人ともキャラ的にそんなに大きな違いがない。ローレンがどちらにしようか迷い、どちらも好きになったのは、本来それぞれに惹かれる部分があるからのはず。もちろん全く同じ人間などいない。しかし今回は２人ともＣＩＡのエージェントで、お互いに同じ手法で相手の邪魔をしているだけに、２人のローレンに対するアプローチのかけ方が非常に似通ってしまった。何しろ２人とも彼女を調査して彼女に気に入られるように行動しているのだから。結果、２人の違いはＦＤＲが長身で青い瞳、タックが英国人というぐらいに…。ローレンがこの２人を同時に好きになる動機も弱くなってしまった。

メインの物語自体はスパイラブコメとでも言うべき流れなので、ラブコメの裏側にもＣＩＡ的な物語が粛々と進んでいる。冒頭のシーンで取り押さえた闇商人の話がそれだ。簡単に言えば弟を殺された闇商人のハインリヒがその復讐のために２人を狙っているのである。恋の駆け引きが最高潮に達しようかというところでそれまで完全に忘れ去られていたハインリヒの存在が浮かび上がり、恋のライバルが一転、ＣＩＡの凄腕コンビが復活するというのが本作のカタルシスと言ったところだろう。一応そこにローレンが何故かスーパードラテクをもっているという伏線が絡まってくる。が、そもそもがラブコメだ。アクションそのものは別にどうと言うこともなく、〆に向かうためのお約束程度だ。

結局のところこの作品の一体何処が面白いのか、何処を楽しめと言うのかがサッパリ解らない。コレほどまでに何処を切り取ってもツマラナイ作品を作るほうが難しいとすら思う。

個人的おススメ度1.5
今日の一言：時間とお金を返してください
総合評価：32点

作品情報
キャスト：リース・ウィザースプーン、クリス・パイン、トム・ハーディ、ティル・シュワイガー
監督：マックG
製作：ロバート・シモンズ、ジェームズ・ラシター、ウィル・スミス、サイモン・キンバーグ
製作総指揮：マイケル・グリーン、ジェフリー・エバン・クワティネッツ、ブレント・オコナー
原案：ティモシー・ダウリング、マーカス・ガウテセン
脚本：ティモシー・ダウリング、サイモン・キンバーグ
撮影：ラッセル・カーペンター
美術：マーティン・ラング
編集：ニコラス・デ・トス
衣装：ソフィー・デ・ラコフ
音楽：クリストフ・ベック
原題：This Means War
製作国：2012年アメリカ映画
配給：20世紀フォックス映画
上映時間：98分
映倫区分：G

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