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2012年4月23日 (月)

捜査官X/武侠

X 『ウォーロード/男たちの誓い』のピーター・チャン監督が送るカンフーアクション映画だ。とある村で起こった強盗犯たちの変死事件をもとに、意外な真相が明らかになっていく。主演は「イップ・マン」シリーズのドニー・イェンと「レッド・クリフ」シリーズの金城武。共演に『ラスト、コーション』のタン・ウェイ。多彩な映像効果に注目だ。
>>公式サイト

前半は推理モノ、後半はカンフーモノ

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『武侠』の原題がどうやったら『捜査官X』になってしまうのだろう。確かに金城武が扮するシュウは捜査官で、彼が捜査する事件が意外な方向へと発展して行くというお話だが…。それはともかく相変わらずドニー・イェンの作品はストーリー的にどうあろうともそのアクションはピカイチで安定感抜群。そもそも彼のカンフーを観ることが鑑賞目的の私としてはそれだけでも第一義的な満足感は得られると言うものだ。さて、事の発端となる事件は会議室ではなく現場で…もとい山奥の村で起こっていた。指名手配中の凶悪犯2人組が強盗に入った店に偶然居合わせたのがドニー扮するリウ・ジンシーだ。必死で反撃を試みるジンシーによって何故か犯人2人は死亡してしまう。

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事件の捜査を担当したシュウ(金城武)は推理小説に登場する探偵の如く綿密な調査を繰り返すうちに、どうもこの殺人はジンシーが意図的にやったものではないかと考え始めるのだった。要するにジンシーは人畜無害な庶民を装っているが、実はカンフーの達人ではないかと疑うのである。現場検証をしながら、残された証拠からそのときの様子を推測し、それがスクリーン上に再現されるのはコレが中々面白い。が、これどこかで見たような気が…で思い出したのがジョニー・トー監督の『MAD探偵 7人の容疑者』。あの作品では相手の内面が見える主人公がプロファイリングしている映像がスクリーンに展開されていたが、要するに現実と頭の中の映像が両方観られるところが良く似ている。

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それにしても、自身も気を操るために鍼を用いるシュウが、ジンシーが犯人たちに与えたダメージを経絡、要するにツボを使って説明をつけるあたりが如何にも東洋らしくてイイ。もっとも聴いたところで「そんなことホントに出来るのかいな?」というのが本音だが、ある意味「北斗神拳」に通じる感じもして、お話としてはそれなりの説得力をもっている(笑)それにしても金城武は既に中国映画に出ていても何も違和感を感じない。完璧な中国語だけでなく、佇まいがもう中国人の若手俳優だ。シュウの疑惑は日を追うごとに大きくなるも、ジンシーの暮らしぶりは実に慎ましやかで、村人が凶悪犯から村を救った英雄として称えても、照れくさそうにする姿がまた本当に小市民的である。

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が、同僚に荊州でのジンシーの調査をさせたところでアッサリと彼の素性が割れてしまうところがちょっと意外だった。ある種妄想に近いほどの推理力で事件に着目したシュウの眼力とは別の話の展開だけで真実に辿り着いてしまうのはなんとも勿体無いと思うのだが、要はここが本作が『捜査官X』ではなくて『武侠』である証左だ。要するに、シュウの推理シーンは物語展開上の演出の一つに過ぎず、本当のテーマはジンシーの過去から現在に至る人生にあるということだ。実はジンシーは凶悪な暗殺集団“七十二地刹”のナンバー2、タン・ロンという人物だった。荊州でのとある事件で己の道に迷ったタン・ロンは勝手に“七十二地刹”を抜けて新しい人生を歩むべくこの村に流れ着いたのである。

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「武侠」とは武術によって己の信義に乗っ取った正義のための行動をとろうとする人物のこと。この後“七十二地刹”の一味はジンシーを組織に連れ帰るべく村を襲うのだが、彼は命を懸けてそれを阻止しようとする。しかもそのために自らの左腕まで差し出すほどだ。その裂帛の気合は正に「武侠」と呼ぶに相応しい。ジンシーの実の父であり、“七十二地刹”の教祖と戦うシーンでは、シュウも鍼を使ってジンシーの手助けをする。もちろん鍼は武術ではないけれど、命を懸けて戦う彼もまた「武侠」と呼んでも良いのではないか。良くあるカンフーアクションとはちょっと毛色が異なるが前半は金城武を、後半はドニー・イェンを楽しめると言う意味ではお得な一本かもしれない。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:タン・ウェイ久しぶりに観たなぁ
総合評価:71点

作品情報
キャスト:ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング、クララ・ウェイ、リー・シャオラン
監督:ピーター・チャン
脚本:オーブリー・ラム
撮影:ジェイク・ポロック、ライ・イウファイ
美術:イー・チュンマン
音楽:コンフォート・チャン、ピーター・カム
アクション監督:ドニー・イェン
原題:武侠
製作国:2011年香港・中国合作映画
配給:ブロードメディア・スタジオ
上映時間:115分
映倫区分:PG12

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受信: 2012年4月23日 (月) 05時48分

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受信: 2012年5月 2日 (水) 17時38分

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受信: 2012年5月 3日 (木) 01時10分

» 「捜査官X」 [てんびんthe LIFE]
「捜査官X」新宿ピカデリーで鑑賞 2012-042 この邦題やめてほしい。 「捜査官X」は金城君中心に考えて、金城君のためにつけた邦題だと思う。 だけど完全にドニー・イェンのカンフーアクション作品です。 いきなりいつもと違う優しい顔のドニー・イェンが画面に出てくるんだけど、いいお父さんで。 イメージチェンジ図りましたか?と思いきや結局はいつもの怖い顔のドニー・イェンが暴れまくることになりました。 ピーター・チャンと金城君は相性がよさそうだから呼ばれたんでしょうね。 この作品の試写... [続きを読む]

受信: 2012年5月 3日 (木) 22時16分

» 捜査官X [だらだら無気力ブログ!]
第7回大阪アジアン映画祭のクロージング作品でドニー・イェンと金城武が主演で監督がピーター・チャンとくれば観に行かずにはいられない [続きを読む]

受信: 2012年5月 5日 (土) 00時51分

» 捜査官X/深淵を覗く者 [映画感想 * FRAGILE]
捜査官X武侠/Wu Xia/監督:ピーター・チャン/2011年/香港、中国 金城武がドニー・イェンをしつこく追い回します。 アジアの映画をあまり見ることがないために知識がまったくなく初ドニー・イェンです。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン」ときたら「チャイナ」でなく「アメリカ」が先に出てくる人生を送って来ました。金城武も初めてです。「レッドクリフ」はテレビで見たので、鑑賞数には入れてない。 あらすじ:田舎の村に謎の男がいるので捜査します。 天才捜査官シュウ(金城武)は、のどかな村... [続きを読む]

受信: 2012年5月 7日 (月) 11時48分

» 捜査官X [キノ2]
★ネタバレ注意★  ピーター・チャン監督、ドニー・イェン主演の中国・香港合作映画です。  例によってニッポンの配給は、この映画本来のありかたを無視して、金城武主演のミステリのような売り方をしたいっぽいですが、この映画の原題はそのものズバリ『武侠』、あくまでドニー・イェンが主演のカンフー・アクションです。  武侠、という言葉が日本人には馴染みがいまひとつであるならば、これは任侠のことだと思ってもそんなにはずれじゃないんじゃないかな。中国語の武侠という言葉には、それはそれで細かいお約束... [続きを読む]

受信: 2012年5月 7日 (月) 18時22分

» 映画「捜査官X」ドニー・イェンと金城武の見せ場を公平に用意 [soramove]
「捜査官X」★★★★ ドニー・イェン、金城武、 タン・ウェイ、ジミー・ウォング出演 ピーター・チャン監督、 115分、2012年4月21日公開 2011,香港、中国,ブロードメディア・スタジオ (原題/原作:武侠/WU XIA ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「ドニー・イェンと金城武の共演を楽しみに劇場へ、 強盗殺人事件の... [続きを読む]

受信: 2012年5月 9日 (水) 12時57分

» 武勇と侠気~『捜査官X』 [真紅のthinkingdays]
 武侠  1917年、中国・雲南省の小さな村。武術に長けた二人組の強盗が、居合わ せた紙職人リウ・ジンシー(ドニー・イェン)の「正当防衛」によって死亡する。 町から派遣された捜査官シュ...... [続きを読む]

受信: 2012年5月10日 (木) 11時23分

» 捜査官X [とりあえず、コメントです]
20世紀初頭の中国南部の村を舞台にドニー・イェン&金城武主演で描いたサスペンスです。 この2人がどんな謎を見せてくれるのだろうと気になっていました。 予想以上に不気味な狂気と哀しみに満ちた、観終わった後にいろいろ考えてしまうような作品でした。 ... [続きを読む]

受信: 2012年5月11日 (金) 23時30分

» 『捜査官X』 裏目読み武侠映画 [Days of Books, Films ]
Wu Xia(film review) 40年前の学生だったころ雑誌『映画芸術』 [続きを読む]

受信: 2012年5月13日 (日) 16時39分

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