モンスターズクラブ
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う~ん、正直面倒くさいヤツだ… |
あらすじ
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「なんだかなぁ…」コレが観終わった直後の正直な気持ちだ。豊田利晃監督はアメリカの実在する爆弾魔、ユナ・ボマーの犯行声明分を読んで本作を作ることを決めたそうである。ユナ・ボマーは本名をセオドア・カジンスキーといい全米の大学と航空・金融業界の関係者に爆弾を送りつけ重軽傷者をだした。で、この作品の主人公・垣内良一(瑛太)のどのへんがユナ・ボマーをモチーフにしているのかと言えば、山小屋に篭り、爆弾によって現代社会システムを破壊しようとしたことや、ユナ・ボマーが弟に告発されたのと同様に、彼は妹に告発されたというところぐらいだろうか。彼は雪深い山奥にたった一人で住みつき、文明の利器を殆ど使わず基本的に自給自足の生活を送っている。
爆弾魔がどうしてそんなところで?赤軍派の隠れ家的感じ?色々なことが頭をよぎるのだが、別のそれに関しては観ている側が考える余地も無かった。と言うのもご丁寧に作中で良一が説明してくれる。一応、ユナ・ボマーの声明文よろしく、垣内良一の声明文が淡々と読み上げられられるのだが、要は現代社会に生きる人間が本当に自由を得ようとしたら、今ある社会システムやテクノロジーを放棄するしかないということらしい。それは解った。だがそれと彼が爆弾を作って送りつける行為とどんな関係があるというのか?良一の家族は妹のミカナ(草刈麻有)を覗いて全員死んでいて、弟のケンタ(Ken☆Ken)やユキ(窪塚洋介)が時折亡霊の如く現れては良一と言い争いを繰り広げる。
ユキは言う「いくらお前が爆弾を作って送りつけても世の中なんか変わらない」と。それでも良一はそうすることで世の中を変えられると信じているのだが、そこに関してはどうしてそう信じているのかは全く説明が無い。とにかく物語の大半は亡霊との会話に費やされる。いや、亡霊ならまだ良いのだが、何だか得体の知れない化け物が彼を襲うのだ。ちなみにその特殊メイクを担当しているのがピュ~ぴるという現代美術家。どことなくオバQを思い出させるその特殊メイクは不気味さが際立つけれど、何が何だか全く意味不明である。え?と思ったのは物語も半ばを過ぎた所だ。爆弾が送られて爆発することを思わせる描写は1度しかないのに、あっという間に彼の前に警察が現れるのである。
後から知ったのだがこの作品、僅か72分しかないではないか。そりゃ駆け足にもなるだろう。結局、その妙な特殊メイクをした良一は刑事たちを振り切り町に逃げ出す。というか気がつくとどうやら渋谷のスクランブル交差点にいるようだ。時間や空間はまるきり無視し、何となく雰囲気だけ保ちつつ物語はラストへ…。ひたすらナレーションによる説明が入るこの作品、何処が良いのかサッパリ分からない。いずれにしても言葉でハッキリ説明が入る分解り易い反面、逆にそれ以上のイマジネーションを許さない演出は個人的には好みではなかった。豊田監督は「ユナ・ボマーが危惧していた社会システムの末路が日本の現状に似ている」と思ってこの作品を作ったそうだが、凡人の私にはそれこそ連合赤軍時代のような、己の理屈に縛られた人のようにしか思えなかった。
個人的おススメ度2.0
今日の一言:窪塚は相変わらず何も進歩なし
総合評価:53点
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