私の叔父さん
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いやそれは無理があるでしょう… |
あらすじ
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叔父とめいの禁断の愛を描いた作品との触れ込みだが、別にそれほどどうというものでもなかった。その昔のテレビドラマ「魔女の条件」は滝沢秀明演じる男子生徒と松嶋菜々子演じる女教師の禁断の愛を描いたものだったが、あのドラマで感じた背徳的な香りや、ダメとわかっていても押さえられない恋愛感情というのがあまり感じられない、どこか表面的な描き方だったように思う。その叔父とめいとは高橋克典演じる田原構治と寺島咲演じる夕季子のことだ。構治の姉・郁代(松原智恵子)の娘が夕季子である。年が近いということで兄弟のように育ったという設定なのだが、いくらなんでも47歳の高橋克典と21歳の寺島咲が年の近い叔父とめいには到底見えない。
そもそもこの物語、そういった禁断の関係にするのならもう少し役者の年齢を考えてキャスティングするべきだろう。松原智恵子と高橋克典の間ですら20歳の年の差がある。実年齢に沿って考えるのは無駄だけれど、夕季子が20歳ならば一体彼女は智恵子の何歳の時の子なのか。さて、実は物語は構治と夕季子の想い出を回想する形で展開される。きっかけは構治の元を夕季子の娘・夕美子(松本望)が訪れ、母との関係を問いただしたことからだ。当時東京でカメラマン修行をしている構治のもとを今回のように夕季子が訪れる。彼女は心の底で構治のことを愛していて、彼女なりに意を決して来たわけだ。しかし、当然ながら叔父とめいということで構治はその愛を受け入れずにはぐらかすのだった。
甲斐甲斐しく構治の世話をする夕季子の姿はとてもチャーミングだが、何度も「お兄ちゃん♪」を連呼するのは何やらエロゲームのデモを見ているようでどうも安っぽさを感じてしまった。実際には夕季子と何かあるわけでもなく淡々と物語は進んで行く。むしろ構治のカメラマン修行の話のほうがメインなくらいだ。師匠の大久保を演じた長谷川初範は、大御所カメラマンのイメージにピッタリで、この物語の中で高橋克典との年齢差に不自然さがない数少ない例だろう。ただやはりどう見てもカメラアシスタントとして働くには47歳のオッサンは年を取り過ぎてあまりにも変なのだけど(笑)誤解のない様に書いておくが、高橋克典自身は私は大好きな俳優で実にイイ男だと思っている。
構治と夕季子の間に何の進展もない中、現代では夕美子が妊娠していることが判明し、子供の父親は構治だと言い出し始めるのだった。無論そんなワケはないのだが、一体どうしてそんな話が盛り込まれているのかいま一つ解らない。一応は“構治はお母さん(夕季子)を愛していたけれど叔父とめいでは手を出せなかったから、その娘を抱いた”という流れにしたいらしいのだが、流石にそこまで行くと社会常識的に“禁断の恋”を超えて変態の領域だ。更に構治に振り向いて貰えなかった夕季子は田舎で結婚するのだが、夫・布美雄を演じるのが鶴見辰吾というのがまたスゴイ。ちなみに鶴見辰吾は高橋克典と同い年。こうなると、俳優の実年齢と差がありすぎて過去なんだか現代なんだかもう…。
しかも最終的に構治は夕美子のお腹の子供を自分の子だと言い出し、結婚しようとまで言い出す始末。当然そんな嘘はバレバレなのだが、仮にそうでなかったとしても17歳と47歳の叔父と姪の娘だ「それでいいのか?」と首を傾げてしまう。そこに狂おしいほどの愛情があったりするならまだしもサラッと流す話ではないだろうに。そもそも、郁代は「親戚と言ったって遠いから本当に愛があるなら私は構わないと思う」なんてことを言うのだが、田舎の年配の女性が言う言葉とは到底思えない。思わず「いやそりゃ構うだろ、普通。」と心の中で突っ込みをいれてしまった(苦笑)まあお話そのもの理解はできるけれど、とにかく決定的に相手を想う気持ちの強さを感じないところが物足りない。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:若手女優2人は可愛かったなぁ…
総合評価:55点
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