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2012年4月22日 (日)

僕等がいた 後篇

Photo 高校時代の恋人と東京・北海道間で遠距離恋愛になるも、男の方は女の前から姿を消す…2人の恋の行方は一体どうなるのか。小畑友紀のベストセラー少女コミックスを映画化した後篇。主演はもちろん変わらず『源氏物語 千年の謎』の生田斗真と『ロボジー』の吉高由里子。共演に高岡蒼佑や本仮屋ユイカ、そして今回は比嘉愛未が加わる。監督も変わらず三木孝浩。
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様々な試練を越えた先にある結末は…

book あらすじ book

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前篇より断然こちらの方が面白い。まあ言って見れば前篇は後篇のためのプロローグに過ぎなかったワケだから仕方がないだろう。何しろ吉高由里子と生田斗真の高校生姿が流石に無理があることが確認できただけだった。しかし今回は2人とも東京に出てきて大学を卒業し社会人として働いている。ようやくほぼ実年齢に近付いたワケで等身大の若者のラブストーリーを観ることができたのだった。前作、高校時代に恋に落ちた高橋七美(吉高由里子)と矢野元晴(生田斗真)は、矢野の母親の上京に伴って東京と釧路の遠距離恋愛をすることになる。2人は東京の同じ大学に通うことを夢見ていたのだが、色んな事情でそれは叶わなかった。それどころかあるタイミングから2人は音信不通となる。

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物語の序盤は矢野に一体何があったのかが細かく描かれていた。少し長めでその間殆ど吉高由里子は電話の声でしか登場しないのだが、この部分は本作の肝でもある。簡単に言うと矢野の母親は自殺してしまうのだが、その引き金を引いたのが矢野本人だったという構図だ。そう、彼は以前付き合っていた山本奈々を事故で亡くしている。そのことで彼はずっと自分を責めていた。そのトラウマが七美のお陰でようやく癒えようかというタイミングでの母の死なワケだ。自分が傍にいることで大切な人を失ってしまう…。矢野が七美の前から姿を消したことそれ自体が、どれだけ七美のことを大切に思っているかの証であり、彼の哀しい決意の表れだったことが初めて解る。

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また上手いと思うのが山本有里(本仮屋ユイカ)の存在だ。前篇では奈々の妹で、事情はあるにせよ嫌な女でしかなかった。それが後篇で、彼女自身もまた矢野と同じ人間であることが判って来るのである。矢野は有里と同棲するが、彼女を愛してはいない。彼女が自分と同じ哀しみ・苦しみを抱えていることで、彼自身も彼の気持ちを理解してくれる人間に救われるのだ。この2人の距離感の取らせ方が脚本的に実に上手く、それ故に彼らの心の機微が非常に良く伝わってくる。一方で前篇から引き続き登場する竹内匡史(高岡蒼佑)は今回はちょっと蚊帳の外的存在かもしれない。もちろん矢野と七美を結びつける役割は相変わらずで、今回も再び2人を引き合わせるきっかけを作る重要な役周りだが。

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七美にプロポーズして断られ、それでも彼女と親友・矢野のために何かをしてあげたいと思う彼の良い意味での人の良さは、難しい環境や心情にあることが多いこの物語の登場人物の中で唯一と言ってよいほどホッとさせてくれる存在だ。だからこそ最後に千見寺亜希子(比嘉愛未)と結ばれることに、素直に「よかったね」と言いたくなる。ところでその千見寺亜希子は後篇から登場したキャラクターだ。矢野の東京の高校時代の友人で、なんと七美と同じ会社に就職する。ここらあたりはちょっと出来すぎだが、その役割は竹内と全く同じと言ってよい。要するに矢野と七美を繋ぐ上で七美の側にいる女性だ。そう考えると竹内と彼女はお似合いの2人だったということだろうか(苦笑)

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にしても比嘉愛未の美しさは特筆モノだった。モデルだっただけあってスタイルのよさは際立っていて、吉高由里子とベンチで2ショットになるシーンではあまりの脚の細さに一瞬吉高が太っているかのように錯覚してしまったほど。2人のお陰で矢野と再会した七美。2人が最後の思い出作りのためにするデートシーンは物凄く幸せそうなのだが、吉高由里子の弾ける様な笑顔が眩しくて、そして哀しくて…。恵比寿ガーデンプレイスのスロープでのシーン、お互いにお互いをこの世の何よりも大切であり、しかもそれをお互いに解っているのに、でもだからこそ別れなくてはならない。どうして素直になれないのか、しかしそれは前篇で描かれる高校時代からの彼らを見ていれば納得できるだろう。

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既に私たちは彼らの人となりをとても良く知っているからだ。ここに来て長々と描いてきた意味が初めて出ていた。ただ、矢野は一点だけ間違っていた。七美は彼が思っているほど強いわけではないのだ。彼女は矢野と出会って強くなったと言ったが、正確には“矢野のために”だろう。どこまでもどこまでも相手の事を思うが故に結ばれない2人、やはりこの2人も似た者同士である。一体この2人はどうなるのだろう…といっても直球ラブストーリーなのだから、最後は2人が結ばれても良い。いやむしろそうあって欲しいしそうでなければ嫌だ。結論を言えば2人は結ばれる。しかしそのシーンはちょっと惜しかった。同級生の結婚式に遅れてきた矢野と七美は思い出の屋上で出会う。

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しかし畳み掛けるように急接近する流れは、ここまでせっかく時間をかけて描いてきたのに拙速に思えた。そこまでハッキリと結ばれた様子を映し出し、言葉でしゃべらせる必要があるだろうか。観ている側にそう確信させながらも、絵的にはファジーな見せ方をすることは出来たのではないかと思う。とはいえ総じて言えば、様々なハードルを越えた上に結ばれる2人を観ていると、感動と同時に大きな満足感で満たされた気持ちになれた。

movie 僕等がいた 前篇

個人的おススメ度4.0
今日の一言:前後篇で1本の作品としして観るべきだね
総合評価:77点

作品情報
キャスト:生田斗真、吉高由里子、高岡蒼佑、本仮屋ユイカ、小松彩夏、柄本佑、比嘉愛未、須藤理彩、麻生祐未
監督:三木孝浩
原作:小畑友紀
脚本:吉田智子
音楽:松谷卓
製作:市川南、豊島雅郎、小林昭夫、都築伸一郎、藤島ジュリーK.、畠中達郎
製作統括:塚田泰浩
企画プロデュース:荒木美也子、春名慶、臼井央
プロデューサー:川田尚広、山崎倫明
撮影:山田康介
美術:花谷秀文
録音:矢野正人
照明:川辺隆之
編集:坂東直哉
主題歌:Mr.Children
製作国:2012年日本映画
配給:東宝、アスミック・エース
上映時間:122分
映倫区分:G

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Data 監督 三木孝浩 原作 小畑友紀 出演 生田斗真  吉高由里子  高岡蒼甫  本仮屋ユイカ  比嘉愛未 公開 2012年 4月 [続きを読む]

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受信: 2012年7月 5日 (木) 22時19分

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