貞子3D
1988年に映画化されて大ヒットした『リング』が3Dで復活!鈴木光司書き下ろしのシリーズ第5弾『エス』が原作だ。今回は観ると死ぬといわれるネット動画を基点に物語が展開されている。主演は『漫才ギャング』の石原さとみ。共演に『ランウェイ☆ビート』の瀬戸康史、山本裕典、田山涼成らが出演している。監督は『ハンサム★スーツ』、『高校デビュー』などの英勉。 >>公式サイト |
あらすじ
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公開前のプロモーションでは大人数の貞子が渋谷の街を闊歩したり、プロ野球の始球式に登場したりと、今回は貞子のキャラクターが変わったかのようだったが、まさか本当に変わっているとは思わなかった。それも悪い方に。結局今回の作品はただ単に画面から貞子が飛び出てくるのを3Dでやりたかっただけなのではないか。観ていて全く恐怖を感じないし、そもそも映像だけで驚かすならハリウッドの作品の方が遥に上だ。結局『リング』がいかに傑作で、人の心の奥に潜む本質的な恐怖心を呼び起こす作品だったのかを改めて認識してしまった。今回はの事件の発端はニコニコ動画で生中継されたとある動画で、それを観た人間が次々不審死を遂げたというものだ。
昔は“呪いのビデオ”だったのが今では動画、それ故にパソコンだけでなくスマートフォンでも観られるというのがミソなのだが、別にその媒体の違いが物語に活かされているかといえばそうでもない。この生中継をした人物は柏田清司(山本裕典)というのだが、ネット上の情報を見る限り彼は貞子を復活させて自分を虐げた世間に復讐をしようとしているのだとか。が、どこかで見落としたのか私には彼の動機が何なのか最後まで不明のままだった。それはさて置き彼が井戸の底に人間を投げ込むシーンの3D効果は中々効果的だったと思う。ついでに言えばモニターから手とか、貞子本人が出てくるシーンもウリにしているだけあって流石に良くできていた。
柏田の弁によれば貞子は想念の塊としてあの井戸の底にあり、簡単に言えば肉体を欲しているらしい。それも貞子のどす黒く強力な想念を受け入れられる肉体を。で、彼女は動画を通じて彼女のお眼鏡に叶う人間を探すのだが、やっと彼女のお眼鏡に叶ったのが主人公・鮎川茜(石原さとみ)だった。しかし何で彼女なのか?それは彼女が超能力者だからだ。彼女は子供の頃に学校に押し入った変質者を彼女の持つ超能力で撃退したことがあった。悲鳴を上げると強力なサイコキネシスを発動する彼女の能力は物語後半に向かってポイントポイントで見られるようになる。なんだかもうこの時点で既に心霊的なお話からは随分と離れてしまった。ともあれ彼女は貞子に付け狙われることになる。
貞子は茜の彼氏・安藤孝則(瀬戸康史)を捕らえて彼女を引き寄せようとするのだが、ここで何故か最初は貞子の存在など信じていなかった刑事の小磯(田山涼成)が絡んでくるのが不思議だ。2人が当然のように貞子がいる井戸に向かうのも良く解らない。何故知っているのだろう?原作ではシリーズ第5弾だというから、もしかしたら第4弾までで何かが描かれているのかもしれないが。かくして井戸から出て来たのはクモ女と化した貞子だった。それも何匹も。そう、実はこの作品はモンスター映画だったらしい。ならこれ貞子である必要性があるだろうか?(苦笑)必死に逃げる茜がその割りにあっさりと、それも超能力ではなくて金属のパイプのようなモノで敵を倒す姿に違和感がありあり。
倒すと無数の黒い蝶に敵はバラけるのだが、別途白い蝶ともどもそれが一体何を意味しているのかも説明はない。おまけに最終的には例の悲鳴で全ての敵を倒すと来ている。CMで使われている石原さとみが恐怖を必死で押し殺すシーンは、それそのものだけとれば良い演技だと思うが、一連の流れの中では噛み合っていなかった。要するに何も出来ないのか、何か出来るのかどっちかに統一して欲しい。彼女のキャラクターが掴みづらくて観ていて戸惑いを覚えてしまうのだ。最後に橋本愛扮する実に美しい貞子が登場するのだが、どうやらこれが本体でこれまでのはダミーということらしい。茜は彼女に取り込まれるぎりぎりのところで孝則に助けられる。ただそのシーンも正直サッパリ意味が解らない。
何で携帯電話を叩き壊すと茜が貞子のいる世界から戻ってこられるのか…。結局本作はジャパニーズホラーの史上最高傑作『リング』の財産を食い潰しているだけの作品だ。
個人的おススメ度1.5
今日の一言:少なくとも3D料金払って観る作品じゃない
総合評価:39点
作品情報 キャスト:石原さとみ、瀬戸康史、高橋努、染谷将太、高良光莉、山本裕典、田山涼成 監督:英勉 原作:鈴木光司 脚本:藤岡美暢、英勉 撮影:藤木信成 照明:和田誠二 美術:原田恭明 音楽:川井憲次 主題歌:シド 製作国:2012年日本映画 配給:角川映画 上映方式:2D/3D |
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貞子、復活…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201205120002/
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貞子3D [DVD]クリエーター情報なしメーカー情報なし
『貞子3D』 2012年(日)監督:英勉
●自虐的ホラーの良作
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【出演】
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【ストーリー】
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受信: 2012年5月23日 (水) 20時23分
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