« 宇宙兄弟 | トップページ | 孤島の王/Kongen av Bastøy »

2012年5月 2日 (水)

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン/Bridesmaids

Photo

第84回アカデミー賞脚本賞にノミネートされたコメディードラマ。親友の花嫁介添人を務めることになった主人公が引き起こす大騒動を描いている。主演と脚本を『宇宙人ポール』のクリステン・ウィグ。共演に『お家をさがそう』のマーヤ・ルドルフ、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のローズ・バーン、メリッサ・マッカーシーらが出演している。監督はポール・フェイグ。
>>公式サイト

単なるコメディドラマではありません

book あらすじ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01

オスカーの脚本賞にノミネートされたコメディドラマ。流石に声を出して笑ってしまうほど面白かった。が、125分はちと長い。観終わった後は少々疲れてしまったのだが、それは時間もさることながら本作が単なるコメディドラマではないからだ。それにしてもこの邦題、明らかに『ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のパクリである。恐らく日本ではあまり馴染みの少ない原題「ブライズメイズ(花嫁介添人)」ではインパクトがないということもあるだろうが、こういうことをされると知っている人間にとってはヒット作のおこぼれに預かろうとしているように思えてしまう。確かに出演している女優も日本では一般的な知名度は殆どないだけに売り方は難しいとは思うのだが…。

02

03

物語の軸となるのは花嫁の親友アニー(クリステン・ウィグ)だ。彼女と花嫁リリアン(マーヤ・ルドルフ)は幼い頃からの親友で、結婚の報告と共にブライズメイズたちのリーダーであるブライズメイズオーナーを頼まれる。ところがこの時アニーはどん底だった。全財産をかけたケーキ屋はつぶれ、結果恋人は逃げ、母親の紹介で勤める貴金属店では幸せな顔をした人々の接客をする毎日。親友の結婚は心から嬉しいのだけれど、無意識のにうちコンプレックスを感じてしまう気持ちは良く解る。彼女以外のブライズメイズたちだが、それぞれのキャラクターが立っていてユニークだ。このブライズメイズ内でのアニーの立ち位置に工夫があるのが脚本的に上手かったと思う。

04

05

花婿の上司の妻ヘレン(ローズ・バーン)、リリアンの従姉妹で3人の息子を持つリタ(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)、新婚のベッカ(エリー・ケンパー)、花婿の太めの妹メーガン(メリッサ・マッカーシー)…特にヘレンが彼女の気持ちをかき乱す。何しろ彼女ときたらアニーの持っていないもの全てをもっている(とアニーは思っている)のだ。他のメンバーもメーガン以外は結婚し生活にも困っていない。人並みの悩みはあるものの、それはベースとなる生活が充実しているからこそ感じるものなのだ。しかし!アニーが持っていてヘレンがもっていない(とアニーが思っている)ものが1つだけあった。それはリリアンの“一番の親友”の座である。

06

07

アニー以外からすれば他愛も無いことだが、今の彼女のアイデンティティを支えているのはそれしかなかった…。にも関わらず、ヘレンはそこに土足で上がりこむようなマネをする。この2人の微妙な心の距離感、神経戦の部分を下世話なコメディに絡めて表現しているところに本作の脚本の秀逸さがあると思う。結婚式の方向性を決めたり、店を決めたり、ドレスを決めたり…客観的には全てアニーのやることをヘレンは上回る。無論ヘレンとてリリアンが一番喜ぶようにとの想いなのだが、今のアニーにそこまで相手のことを考える心の余裕がないのだ。澱の様に溜まって行くストレス。そしついに独身旅行で彼女は大失敗をする。観ている方としては大爆笑で本作の見所の一つなのだが(笑)

08_2

09

ところでそんな彼女の余裕の無さを客観的に計る軸として2人の男が登場する。ローズ巡査(クリス・オダウド)とケヴィンだ。アニーはたまたま取り締まられたことでローズと知り合うのだが、上手く付き合えそうでそうはならない。そこには体だけの関係を公言するケヴィンとの付き合いも影響している。要するにともすればヘレンが一方的に嫌な女に見えてしまうところを、原因の一端は、というより大半はアニーにもあるのだということを男性の存在を使って表現しているということだ。旅行の一件でブライズメイズオーナーを降ろされ、パーティーの席で自分が手作りの質素なプレゼントしか渡せないのに、ヘレンはリリアンが以前から憧れていたパリ旅行をプレゼントしたことで遂にアニーはキレる。

10

11

この時、彼女は唯一の心の支えだった“一番の親友”の座すらヘレンに奪われてしまったと感じたのだ。暴れまわる彼女の姿はあまりに哀しい。プレゼントは金額ではなくて心を渡すもの、その時その人が出来る精一杯の真心を込めれば良いだけで、リリアンにしてみたらパリ旅行だからヘレンが“一番の親友”だなんてことがあるはずがない。幼なじみの親友の気持ちすら解らなくなっていたアニーの気持ち、しかし人間誰だってそんな理屈だけでは生きていないのも事実で、だから私たちはアニーの哀しみに心をザワつかされる。全ての思いのたけを吐き出した彼女の姿は正に“白”という感じ。しかし、だからこそそこに一から新しい絵を描き始められるのだ。

14

13

それを感じさせるラストシークエンスの落ち着きは心地良かった。おかしな例えだが、酔っ払って気持ち悪くなってトイレで全部吐いた後みたいな感じちうか…(苦笑)結局のところ本作はコメディ映画とされているけれど、アニーの心の機微を見事に描き出した人間ドラマであり、表現の手法としてコメディを使っているだけだと思う。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:これ続編できないかなぁ…
総合評価:76点

作品情報
キャスト:クリステン・ウィグ、マーヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、ウェンディ・マクレンドン=コービー、エリー・ケンパー、メリッサ・マッカーシー、クリス・オダウド
監督:ポール・フェイグ
製作:ジャド・アパトー、クライトン・タウンゼント、バリー・メンデル
製作総指揮:ポール・フェイグ
脚本:アニー・マモロ、クリステン・ウィグ
撮影:ロバート・イェーマン
美術:ジェファーソン・セイジ
編集:ウィリアム・ケアー、マイク・セール
音楽:マイケル・アンドリュース
原題:Bridesmaids
製作国:2011年アメリカ映画
配給:東京テアトル
上映時間:125分
映倫区分:R15+

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 宇宙兄弟 | トップページ | 孤島の王/Kongen av Bastøy »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/45097940

この記事へのトラックバック一覧です: ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン/Bridesmaids:

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [映画感想メモ]
親友の座を掛けた女同士のバトル。下ネタ有り。 いい加減あらすじ 全財産をつぎ込ん [続きを読む]

受信: 2012年5月 2日 (水) 06時54分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
Bridesmaidsクチコミを見る花嫁介添人ってこんなに大変なのか!と驚く異色のおバカコメディ「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」。下品な笑いの向こう側に真実が垣間見え ... [続きを読む]

受信: 2012年5月 2日 (水) 08時45分

» 「ブライズメイズ 史上最悪のウエディングプラン」幸せはそこにある [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
「セックスアンドザシティ」に憧れる女性は是非見なさい。 ぐっと庶民的で、ぐっと現実的。 きらびやかなファッションに目もくらむ宝飾品・金持ちでイケメンの男から目をそらしてみると、ほら幸せはすぐ目の前にある・・・・... [続きを読む]

受信: 2012年5月 2日 (水) 10時26分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン/クリステン・ウィグ [カノンな日々]
ハリウッドのガーリームービーではたびたび題材になるブライズメイドの大騒動の顛末を描いたコメディドラマです。『宇宙人ポール』に出演していたクリステン・ウィグが主演と脚本 ... [続きを読む]

受信: 2012年5月 2日 (水) 11時40分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★【3点】(10) ちらし、ポスターから受ける印象はいいんだけど [続きを読む]

受信: 2012年5月 2日 (水) 15時42分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [ハリウッド映画 LOVE]
日本にはなくて良かった!ブライズメイズ(花嫁介添人) [続きを読む]

受信: 2012年5月 3日 (木) 15時33分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [象のロケット]
開業した手作りケーキ店がつぶれ、恋人にも捨てられた30代の独身女性アニーは、母親のコネで宝石店で働き、セックスフレンドと虚しい関係を続けていた。 そんな時、幼なじみの親友リリアンが婚約。 ブライズメイズ(花嫁介添人)のまとめ役を頼まれたアニーは、他の4人のブライズメイズを紹介される。 それからは、とんでもないハプニングの連続。 果たして無事、結婚式が迎えられるのか…? ブライダル・コメディー。... [続きを読む]

受信: 2012年5月 3日 (木) 18時48分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [Memoirs_of_dai]
女性版『ハングオーバー』と言われるほどの下ネタ 【Story】 ケーキ屋の経営に失敗し恋人に捨てられるという人生どん底のアニー(クリステン・ウィグ)は、婚約した幼なじみの親友リリアン(マーヤ・...... [続きを読む]

受信: 2012年5月 3日 (木) 22時00分

» ジャド・アパトー製作、ポール・フェイグ監督『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(BRIDESMAIDS) [映画雑記・COLOR of CINEMA]
注・内容に触れています。ジャド・アパトー製作『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』主演・脚本(アカデミー賞脚本賞ノミネート)を務めたのは「サタデー・ナイト・ライブ」でブレイクしたコメディエン... [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 00時32分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [風に吹かれて]
どん底女アニー公式サイト http://bridesmaidsmovie.jpケーキ屋の経営に失敗した上に恋人に捨てられ、人生どん底のアニー(クリステン・ウィグ)。そんな彼女の親友リリアン(マーヤ・ル [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 16時30分

» ブライズメイズ 至上最悪のウェデイングプラン [Said the one winning]
ストーリー:ケーキ屋の経営に失敗した上に恋人に捨てられ、人生どん底のアニー(クリス テン・ウィグ)。幼なじみの親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)を心のよりどころにしていたが、彼女から婚約したと告げられ、花嫁介添人をまとめるメイド・ オブ・オナーを頼まれる。...... [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 22時03分

» 「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」 [てんびんthe LIFE]
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」ヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞 2012-044 GW中のハッピーフライデーだったせいか朝一のチケット買うのに長蛇の列。 (朝一と言っても11:45ですが) 朝一は予告がないので 着席した時にはいきなりタイトル出てました。 たぶん5分くらい見逃していると思います。 女版「ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」だと聞いていたので観に行ったのですが、女版「SATC」かな? コメディなんだけど笑いどころのツボがわからな... [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 23時36分

» 「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」 [みんなシネマいいのに!]
 30代独身。 開業したケーキ店がつぶれ、恋人にも捨てられ、不幸の連続のアニー。 [続きを読む]

受信: 2012年5月 6日 (日) 09時55分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [映画 K'z films 2]
Data 原題 BRIDESMAIDS 監督 ポール・フェイグ 出演 クリステン・ウィグ  マーヤ・ルドルフ  ローズ・バーン  メリッサ・マッカーシー  クリス・オダウド 公開 2012年 4月 [続きを読む]

受信: 2012年5月 7日 (月) 23時47分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン/ときどき、オトコはどうでもいい。 [映画感想 * FRAGILE]
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプランBridesmaids/監督:ポール・フェイグ/2011年/アメリカ 中見出し なぜか複数形を単数形に変えてしまう邦題が目立つ中、珍しく複数形のままですね「ブライズメイズ」。あからさまに「ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を意識した副題となっておりますが気にしないことにしてですね、これくらいはねしょうがないです。主人公の親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)と、冒頭に公園でトレーニングしているテリー・クルーズの2人は「26世紀青年」にも出... [続きを読む]

受信: 2012年5月 9日 (水) 12時05分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [佐藤秀の徒然幻視録]
新世代「結婚しない女」 公式サイト。原題:Bridesmaids。ポール・フェイグ監督、クリステン・ウィグ、マーヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、ウェンディ・マクレンドン=コービー、エミ ... [続きを読む]

受信: 2012年5月10日 (木) 21時28分

» ★ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(2011)★ [Cinema Collection 2]
BRIDESMAIDS 女友達は、最高だ。 上映時間 125分 製作国 アメリカ 公開情報 劇場公開(東京テアトル) 初公開年月 2012/04/28 ジャンル コメディ 映倫 R15+ 【解説】 「40歳の童貞男」「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」の ジャド・アパトー製作、「サタ...... [続きを読む]

受信: 2012年5月13日 (日) 18時00分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン・・・・・評価額1550円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
“一番の友だち”は誰? 人生ドン底の主人公が、幼馴染の結婚式で花嫁の介添人に選ばれた事から、大騒動を巻き起こす抱腹絶倒の女子会コメディ。 昨年、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」や「トラ...... [続きを読む]

受信: 2012年5月14日 (月) 00時06分

» 映画「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」見た目じゃ分からない良質さを感じたい [soramove]
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」★★★☆クリステン・ウィグ、マーヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、 ウェンディ・マクレンドン=コービー、エミリー・ケンパー、 メリッサ・マッカーシー、クリス・オダウド出演 ポール・フェイグ監督、 125分、2012年4月28日公開 2011,アメリカ,東京テアトル (原題/原作:Bridesmaids ) 人気ブログランキングへ">>→  ... [続きを読む]

受信: 2012年5月18日 (金) 07時49分

» ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
「40歳の童貞男」「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」のジャド・アパトー製作、「サタデー・ナイト・ライブ」などで活躍するコメディエンヌ、クリステン・ウィグの脚本・主 ... [続きを読む]

受信: 2012年6月18日 (月) 21時50分

» ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン [迷宮映画館]
面白かった! [続きを読む]

受信: 2012年6月25日 (月) 15時35分

« 宇宙兄弟 | トップページ | 孤島の王/Kongen av Bastøy »