女ドラゴンと怒りの未亡人軍団/楊門女將
楊門女將のアクションを見るべし! |
あらすじ
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中国版ラジー賞の「金箒賞」の全部門にノミネートされた作品だそうだが、そんなことは知らなくても予告編をみたらこの物語の下らなさ、バカバカしさは一目瞭然だ。引きになるのはジャッキー・チェンが製作したということだけだが、このバカバカしさを承知の上でB級作品として観る分にはこれがそこそこ面白い。荒唐無稽な描写やストーリー展開が「金箒賞」ノミネートの理由だそうだが、確かにそこは全く否定できないので、そういう下らなさが我慢ならない人は最初から観ない方が良いだろう。それにしても『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』とは良くもまあこんな意味不明なタイトルをつけたものだ。100歩譲って“怒りの未亡人軍団”は解らなくもないが“女ドラゴン”は必要か?(苦笑)
ちなみに原題の「楊門女將」は物語を一番素直に表している。何故か。事の起こりは宋の時代、武家の名門楊一族の将軍・楊宗保(リッチー・レン)が戦死したことだ。残された宗保の未亡人だけでなく、母、祖母、姉妹、娘、そしてそれぞれの部下も含めた女性たちが復讐のために立ち上がるのである。だから楊家(楊門)の女性の将たち(女將)というワケ。何で女性ばかりなのかというとそれも理由がある。楊一族の男性は国のために戦う事を名誉としていたためどんどん戦死してしうのだ。かくして残された男は宗保と穆桂英(セシリア・チャン)の息子文広(シャオ・ミンユー)だけだった。皇帝は跡取り息子の文広を元帥に任じて北方の蛮族を討つよう勅命を下す。
で、登場する「楊門女將」たちなのだが、これが人数が多すぎて誰が誰だかもうサッパリ(苦笑)一応文広を基点として観たとき、曾祖母の余太君(チャン・ペイペイ)、祖母の柴郡主(リウ・シャオチン)、母の桂英は直系の関係であり、物語の軸となる親子関係なのでよく解る。ただ例えば柴郡主は六娘と呼ばれているように余太君の6女だ。他に姉妹が確か八娘までいたような…既にうろ覚えというか把握できていない(笑)更に柴郡主の娘で文広の兄妹や、おそらくは余太君に仕えている女性武官も登場してくる。こうなるともう顔と名前が完璧に結びつかないので、彼女たちが戦死しても何の感慨も沸かない。というより誰が死んだのかもよくわからなかったりする…。
では本作の面白いところはどこか。それはもう一重にカンフーアクションに尽きる。この「楊門女將」たちはそれぞれ得意な武器があり、それを使ったそれぞれのアクションは注目だ。全篇戦争シーンがてんこ盛りで、ワイヤーアクションだけでなくこれ見よがしな陣形だったり、古代中国の大型武器が登場したりと見た目に飽きないこともあって、好きな人間にはかなりワクワクさせられるだろう。更に、まるで『大奥』を思わせる女性上位の状況が炸裂するのが、断崖絶壁に男の兵士が橋をつくりその上を「楊門女將」たちが渡るシーンだ。今時アニメーションでも滅多に観ないアホらしさに思わず笑ってしまった。さて、死んだと思われていた宗保は何故か山賊に助けられて生きている。
それはいいのだが、何故か連中は蛮族を倒して宗保を助けようとするのだ。説明不足でこのくだりも全く意味不明ではある。が、もはやそんな枝葉末節をゴチャゴチャ言っても仕方ない。ジャッキーが製作をしているだけあって戦争であってもグロいシーンは殆ど無いし、ラスボスとの戦いの中で宗保と桂英を亡くした文広が、男として、楊家一門の当主として立派に成長し独り立ちするというラストは、それこそジャッキーの拳法モノ作品と共通している点だろう。ちなみにエンドロールでメイキング映像を見せてくれる辺りもジャッキー映画の定番のお楽しみだ。ところで蘭秀役のシンシア・ラスターは日本人の大島由加里が演じていたそうだが、申し訳ないが当然認識など出来なかった。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:何も期待しちゃだめよw
総合評価:57点
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