« 孤島の王/Kongen av Bastøy | トップページ | ル・アーヴルの靴みがき/Le Havre »

2012年5月 4日 (金)

キリング・フィールズ 失踪地帯/Texas Killing Fields

Photo 『パブリック・エネミーズ』のマイケル・マンが製作を担当し、彼の娘アミ・カナーン・マンが初監督した作品。テキサスに実在する“キリング・フィールド”と呼ばれる犯罪多発地帯を舞台にした刑事たちの姿を描いたクライム・サスペンスだ。主演は『タイタンの逆襲』のサム・ワーシントンと『シャンハイ 』のジェフリー・ディーン・モーガン。共演にクロエ・グレース・モレッツが出演している。
>>公式サイト

雰囲気だけはマン風味?

book あらすじ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01

サム・ワーシントンが主演で、何よりクロエ・グレース・モレッツが出演しているというので鑑賞。後から知ったのだがマイケル・マン監督の実の娘、アミ・カナーン・マンが監督だそうだ。なるほどテキサスにあるキリング・フィールズという実在の犯罪多発地帯が背景だったり、南部特有の人種差別要素なども漂わせたりして、重苦しく陰鬱な雰囲気作りには成功していたと思う。が、残念ながらストーリーは凡庸で、人物の掘り下げも浅いガッカリな作品だった。マイク(サム・ワーシントン)とブライアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)はテキサスシティ警察に所属する刑事でコンビを組んでいる。要するにキリング・フィールズで発見された他殺体の犯人探しが物語の流れだ。

02

03

まず根本的に足りないと思うのは人物像の描写である。マイク自身に関して観ていて解るのは気性の荒さと、同じく刑事のパム(ジェシカ・チャステイン)と別れたらしいということだけ。ブライアンは同様にニューヨークから来たらしいということだけだ。そもそも刑事モノに必要なのは彼らの行動の原点である。例えばそれはトラウマかもしれないし、コンプレックスかもしれないし、単純に性格的なものかもしれない。今回ブライアンは事件捜査の過程で、自分たちの管轄外の事件まで調べるのだが、何故彼がそこまでするのかの説得力が弱いのだ。次に足りないと思うのは、事件そのものの描写。正直言って今私はこの作品で何件の殺人事件が起こったのか解らない。

04

05

劇中では少女の遺体がキリング・フィールズに捨てられているのだが、2人が一体今誰の何を調べているのかが途中から解らなくなってしまった。その割にはブライアンのオフィスには犠牲者の写真が何枚も貼ってある。一体そんな事件いつあったの?という感じなのだ。しかも先に書いたように、別の管轄であるパム刑事の担当事件まで調査し始めるから余計にワケがわからなくなる。さて、彼らが捜査している過程でお目当てのアン役のクロエ・グレース・モレッツが登場する。彼女は母と兄ともう一人の男リノと暮らしているのだが、彼女は保護観察になっていて過去にマイクと何か関係があったらしい。だがそれも詳しくは語られていない。母や兄はともかくリノに到っては、結局今でも誰なのか謎だ。

06

07

こうして登場人物に何の感情移入も共感も抱けないままに極めて醒めた目でストーリーを頭で追うだけになっていく。観ているとマイクとブライアンは相棒にも関わらずそれぞれ別に捜査し、それぞれの犯人像に迫って行く。余計なことはせずに決められた枠の中で捜査を進めるマイクと枠をはみ出すブライアンは対照的ではあるが、最初に書いたとおりどうしてそういう違いが出てしまったのかがスッキリと解らない。一番それが顕著に出たのが、アンが誘拐された時だ。マイクは容疑者を逮捕する作戦を立てているが、ブライアンはそれを無視してアンを探し回るのである。ただこれによって結果的にマイクが追っていた容疑者は犯人ではなかったということが判明する。

08

09

となれば残された登場人物から真犯人は自明の理だ。即ちアンの兄とリノがそうだった。しかしながら犯行の動機や目的も解らないし、第一リノが何者でどんな人物かが解らない状態で彼らが犯人だといわれても「はぁ…そうなんですか…」と言うしかない。もちろんサスペンスの謎が解かれたカタルシスも無いし、人間ドラマ的に何かが完結した訳でもないので、観ていて一体何が言いたかったのか、何を描きたかったのかがまるで伝わってこないのである。初監督ということだが、作風として父親を目指したのかもしれないが、とりあえず一本オーソドックスなしっかりとした作品を作ってみるべきだっただろう。監督が“未体験ゾーン”の映画ではしゃれにもなっていない。

個人的おススメ度2.0
今日の一言:『キリング・フィール“ド”』は名作だったけど…w
総合評価:47点

作品情報
キャスト:サム・ワーシントン、ジェフリー・ディーン・モーガン、ジェシカ・チャステイン、クロエ・グレース・モレッツ、ジェイソン・クラーク、アナベス・ギッシュ、シェリル・リー、スティーブン・グレアム
監督:アミ・カナーン・マン
製作:マイケル・マン、マイケル・ジャッフェ
製作総指揮:ビル・ブロック、ポール・ハンソン、ジャスティン・トムソン、アンソニー・J・A・ブライアン・Jr.、イーサン・スミス、ジョン・フリードバーグ、マイケル・オホーベン
脚本:ドン・フェラローン
撮影:スチュアート・ドライバーグ
美術:アラン・レオ・マン
編集:シンディ・モロ
衣装:クリストファー・ローレンス
音楽監修:リズ・ギャラチャー
音楽:ディコン・ハインクリフェ
原題:Texas Killing Fields
製作国:2011年アメリカ映画
配給:ミッドシップ
上映時間:105分

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 孤島の王/Kongen av Bastøy | トップページ | ル・アーヴルの靴みがき/Le Havre »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/45116303

この記事へのトラックバック一覧です: キリング・フィールズ 失踪地帯/Texas Killing Fields:

» 【未体験ゾーンの映画たち2012】『キリング・フィールズ 失踪地帯』 (2011) / アメリカ [Nice One!! @goo]
原題: TEXAS KILLING FIELDS 監督: アミ・カナーン・マン 出演: サム・ワーシントン 、クロエ・グレース・モレッツ 、ジェフリー・ディーン・モーガン 、ジェシカ・チャスティン 観賞劇場: ヒューマントラストシネマ渋谷 公式サイトはこちら。 『未体験ゾーン...... [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 08時28分

» キリング・フィールズ 失踪地帯 [風に吹かれて]
こんな場所があるなんて公式サイト http://killingfields.jp製作: マイケル・マン監督: アミ・カナーン・マンマイク(サムワーシントン)は、テキサス州の田舎町の殺人課の刑事。血の気 [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 11時06分

» 『キリング・フィールズ 失踪地帯』 湿地の死体 [Days of Books, Films ]
Texas Killing Fields(film review) 冒頭、この映 [続きを読む]

受信: 2012年5月 4日 (金) 17時09分

» キリング・フィールズ 失踪地帯 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
実在する犯罪多発地区を舞台にしたクライム・サスペンス「キリング・フィールズ 失踪地帯」。作品は地味だが、旬の俳優たちが豪華競演している。テキサス州テキサスシティの殺人課 ... [続きを読む]

受信: 2012年5月10日 (木) 09時38分

» キリング・フィールズ 失踪地帯 [キノ2]
★ネタバレ注意★  テキサスに実在する犯罪多発地域で起きた実話をもとにしたストーリーだそうで、製作にマイケル・マンの名前が見えますが、本作の監督のアミ・カナーン・マンは、マイケル・マン監督の娘さんなんだそうです。コッポラ家に続け!  キリング・フィールドと言えば、ポル・ポト政権下のカンボジアで大量虐殺が行われた処刑場の俗称ですが、この映画のオリジナルタイトルは “TEXAS KILLING FIELDS”。内容的にも舞台がテキサスであることがキモです。邦題、素直に「テキサス・キリング... [続きを読む]

受信: 2012年5月12日 (土) 21時26分

» キリング・フィールズ 失踪地帯 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★【3点】(10) 主演がサム・ワーシントン!今や何かをしてくれる男! [続きを読む]

受信: 2012年5月26日 (土) 22時06分

» キリング・フィールズ 失踪地帯(2011)●TEXAS KILLING FIELDS [銅版画制作の日々]
 絶対に救い出す――。 好き度:=40点(甘めかな) 京都みなみ会館にて鑑賞。 観なければ良かった!これがこの作品の感想第一声です。もうもう最近ついていません。せっかく遠くまで足を運んだのに、、、。これはないでしょ(涙) クロエちゃん、サム・ワ―シントン...... [続きを読む]

受信: 2012年6月 4日 (月) 21時57分

« 孤島の王/Kongen av Bastøy | トップページ | ル・アーヴルの靴みがき/Le Havre »