アタック・ザ・ブロック/Attack the Block
あんまり期待しすぎなければ… |
あらすじ
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ブロックとは何ぞや…と思っていたらすぐに解った。ロンドンにある貧しい人たちが多くすむ公共団地のことで、そこにすむ不良少年たちが攻めてきたエイリアンたちと戦うから『アタック・ザ・ブロック』と言うワケだ。この手の団地がロンドンにもあるのにちょっと意外ではある。さて、モーゼス(ジョン・ボヤーガ)という15歳のクセにやけに老け顔の少年をリーダーにした不良グループは、ある日夜道で出くわした女性サム(ジョディ・ウィテカー)を脅して金目のものを奪い取ろうとする。するとそこに突然隕石が落ちてきて…。なにやら『エイリアン』に出てくるエイリアンの1/4スケールぐらいのヤツが現れるのだが、何と彼らはそいつを全員でボッコボコにして殺してしまうのだ。
エイリアンのサイズといい、弱さといい、やけに貧相かつショボイ相手にいささか拍子抜けだったのだが、何とこれは序章に過ぎなかった。このあと大量の隕石と共に大量の凶暴なエイリアンが襲来するのである。ところが現れたエイリアンは最初のタイプとは異なり、全身真っ黒で幾重にも生えた鋭い牙は青白く光っている。別にエイリアンの姿に決まりなどないので何でも良いのだが、なにやらやけに安っぽい気がするのは私だけだろうか。ただ不良グループとエイリアンとの戦いが始まると、そんな安っぽさが気にならないテンポの良さで物語が展開されていく。エイリアンと人間が戦う作品自体は別に珍しくも無いが、この作品で特徴的なのはモーゼスたちは別に地球のために戦っているわけではない点だ。
彼らが戦うのはエイリアンが襲ってくるからで、しかも彼らの縄張りである団地に我が物顔で押し入ってきたからなのである。つまりエイリアンであろうが人間であろうが、彼らの行動は変わらないということだ。花火、爆竹、刀、金属バット、ナイフと思い思いの武器を手にエイリアンたちに戦いを挑む不良たち。しかしながら敵は思いのほか数が多かった!ただ警察官2人がエイリアンに惨殺されるシーンはあるものの、それでも彼らたちの周りに漂う空気感はやけに緩い。大体『宇宙人ポール』のニック・フロストが出演していたり、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のエドガー・ライトが製作しているのだから、てっきり私はコメディがらみの展開を見せるのかと思っていた。
ところが予想に反して仲間の一人が殺されることに。これがまあ結構エグイ殺され方だったりする…(苦笑)そこから先の不良たちはひたすら逃げの一手になってしまうのだった。それはそれで緊迫感も高まっていいのだが、個人的にはもうちょっと笑いが多くても良かったと思う。サムの家に逃げ、友達の家に逃げ、しかし何故かエイリアンたちは的確にモーゼスたちを追ってくる。その秘密は一番最初に殺したエイリアンにあった。どうやら最初のエイリアンはメスで、追ってくるエイリアンはオスらしい。つまり彼女を殺したことでモーゼスたちの体にフェロモンが付着し、その匂いを奴らは追ってきていたのだ。なるほどこの設定は中々思いつかない。
そこでモーゼスは自分をおとりに一箇所にエイリアンを集めて一気に退治してやろうと計画する。ここが本作一番のスペクタクルシーンだった。団地の一室に集めたエイリアンをまるごとガス爆発で吹っ飛ばすというこのシーン、まるでハリウッド映画のワンシーンを観ているようなのだが、あくまでも爆発しているのは公共団地というのが可笑しい。冷静に見ると何故警察が来ているのに全くエイリアンに気付かないのかとか、逃げる時に律儀に自転車で逃げるメンバーがいるのは何故なのかとか突っ込みたいところはあるのだが、この手の作品では物語の本筋以外の部分の矛盾点はスルーするのがお約束と言うものだろう。そうしてみると笑い、ドキドキ、感動ともにそこそこ楽しめる作品ではあった。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:タラちゃんの2011年度7位らしいけど…
総合評価:63点
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