ケイト・レディが完璧な理由/I Don't Know How She Does It
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サラだから余計にはまり役だね |
あらすじ
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『セックス・アンド・ザ・シティ』はテレビも含めてチラ見すらしたことがないけれど、サラ・ジェシカ・パーカーの出演作と言うだけで思わず足を運んでしまう。どうでも良いけれど「ケイト・レディが完璧な理由」をわざわざ“完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)”とか余りにダサすぎないだろうか。原題の「I Don't Know How She Does It」は意訳すれば「彼女は一体どうやってんの?」とでも言う所だろうが、要するに本作は表から見ると良妻賢母で有能なキャリアウーマンであるケイトが一体どうやってその全ての役割をこなしているのだろうと言う、そんな彼女の裏側の部分を見せるコメディドラマだ。従ってケイトは実は“パーフェクト”でもなんでもない(笑)
彼女の仕事はファンドマネジャーで夫リチャード(グレッグ・キニア)は独立したての建築士。6歳のエミリー(エマ・レイン・ライル)とまだ2歳の息子・ベン(セオドア&ジュリアス・ゴールドバーグ)の4人家族だ。なるほど序盤では彼女が仕事も家庭も、そして夫婦仲も上手くこなしている様子が描かれる。個人的には上手くこなすことそのものよりも、アメリカの小学生の母親は子供のためにこんなことをするのかという生活の部分が興味深かった。にしても家庭に対する理解の深さが社会的に認知されていて、ナニーの習慣が割と普通であるアメリカ社会だからこそ可能なのだろうと思う。ただとある大仕事を彼女が任されたことから、次第にその生活にも破綻が見え始めるのだった。
とにかく出張出張また出張。遅くても帰宅できれば徹夜で作業してケーキを作ったりもできるけれど、いなければもうこれはどうしようもない。作業が無くても夜ベッドの上で翌日の“やることリスト”を頭の中に作り何とかかんとか切り抜けていくケイト。その姿は本来笑ってしまったら頑張っている女性に失礼なのかもと思いつつもこれが面白いのである。またケイトの役を演じているのがサラ・ジェシカ・パーカーというのが見事にはまっている。何故なら彼女自身が3人の子供の母親であり人気女優という働く女性だからだ。まあ普通に考えれば彼女ほどのセレブならお金に困ることは無いワケで、その部分に関しては世間一般と同じとはいえないかもしれない。
ただ子供が親に求める愛情や夫が妻に求める愛情はお金があろうと無かろうと、サラ本人にしか出来ないのは言うまでも無い。いつも家にいない妻に代わって子供の面倒や家事をこなすリチャードは、正直かなり出来た夫だと思う。だが、そんな彼をして堪忍袋の緒が切れる時がやってくる。無論溜まりにたまった不満もあるが、一番は雪だるまを作るという娘との約束を破ったことだろう。「5分でいいから仕事以外の話を君としたい!」そう怒る気持ちは良く解る。が、ここでふと既視感が。そういえばほんの20年かそこら前までは男女が逆でこんな争いが良く起こっていたものだ。女性の方が仕事命で夫や子供と気持ちのすれ違いに陥ってしまうとは時代の流れなのだなぁとしみじみ考えてしまう。
しかしそれでもギリギリのところで泥沼にならないのは、ケイトが仕事以上に家族を大事に思っていることが家族にきちんと伝わっているからだ。そしてそんな彼女の気持ちは見ている私たちにも伝わってくる。ニューヨーク本社の責任者であるジャック・アベルハンマー(ピアース・ブロスナン)に不倫を持ちかけられてもキッパリ断り、部下モモ・ハーン(オリヴィア・マン)に子供の良さを解らせるケイトの姿は、恐らくこの作品を観ている働く女性に勇気と元気をくれるに違いない。正直言って話しそのものは出来過ぎだと思うけれど、現実が厳しい中ではこのぐらい出来過ぎ感があるほうが映画として愉しめると思う。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:サラはやっぱりカッコいいねぇ
総合評価:62点
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