君への誓い／The Vow

事故で最近４年分の記憶を失ってしまった妻と、その４年の間に恋をして結婚までした夫。再び妻と恋をしようと努力する夫と、自分を取り戻せずに困惑する妻を描いた感動のラブストーリー。出演は『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムスと『親愛なるきみへ』のチャニング・テイタム。監督はマイケル・スーシーが務める。
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人を好きになる尊さと歓びを感じた

　あらすじ　

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レイチェル・マクアダムスは相変わらず飛び切り可愛い。そしてチャニング・テイタムは相変わらず飛び切り首が太い。冗談はさて置きレイチェル目当てで鑑賞したのだが中々感動的な作品だった。実在するカップルをベースにして作られた作品だそうだが、脚本が『そんな彼なら捨てちゃえば？』や『２５年目のキス』のアビー・コーンとマーク・シルヴァースタインが担当していた。ラブストーリーを書かせたら安定したヒット作を生み出す二人が今回描き出したのは事故で記憶を失った妻ペイジと、その夫レオの物語である。オープニングで事故のシーンが描かれるのだが、カーセックスをしようとペイジがシートベルトを外したしたところに、後ろからトラックが追突するという嘘のような事故が…。

フロントガラスを突き破って飛び出るペイジの姿は正にシートベルトをしないとこうなりますという見本で、思わず心の中で「シートベルトは大切だな」などと変なことを考えてしまったのだった（苦笑）序盤から暫くは４年前の２人の馴れ初めから幸せな結婚生活が描かれる。それはそれはもうお互いにラブラブで、特にレオのペイジを愛することといったら観ているこっちが眩しいほどだ。あまりにベタで思わず口元が笑いを浮かべてしまうようなシーンが暫く続くのだが、このシーンがあるからこそこの後の苦悩が引き立つというのも事実である。幸いにも命が助かったペイジだったが、意識が戻ると何とレオとの４年間の記憶だけがスッポリ失われていた。

おまけに彼女と疎遠になっていた両親までもが登場し、彼女を実家で療養させようとするのである。何とか自分と生活することを了承させることに成功したレオなのだが、ここから先必ずしもその選択が正しかったのか疑問に感じるほどの苦しみを味わうこととなるのだった。何しろレオとペイジのアツアツぶりを散々見せられているだけに、今は全く他人になってしまった彼女とレオの会話はそれだけであまりに哀しい。ただ全く記憶がないペイジにしてみたらレオと住むのは知らない人と知らない家に住むことであり、その精神的な疲労は計り知れないのも当然。奇跡的な瞬間の積み重ねが自分を形作っているというレオの考えからしたら、ペイジはその積み重ねてきた瞬間が崩壊してしまっているわけだ。

しかしこればかりはどうしようもないことである。焦っても仕方ないとは解っていても、レオを焦らせるような事象が彼の心を掻きむしる。それはペイジの元婚約者であり、両親の存在だった。ペイジが元婚約者に向ける恋する女の目線に嫉妬し、しかしだからと言って彼女の家族と食事をしたり、彼女の姉の結婚式に参列したりすれば、そこに自分の居場所がないことを嫌でも感じさせられる。要するに彼女の人生の中に自分がいないのだ。自分の人生の中では彼女は間違いなく生きているというのに。そこでレオはもう一度ペイジと恋愛からやり直そうとするのだが…自分たちの出会いのシーンをトレースすることはやり直しになるのかが少々疑問に感じる。

既にペイジは出逢ったころのペイジではない。ペイジ本人にとっても過去の自分は既に赤の他人なのだ。知らない男性が赤の他人と熱烈な恋に落ちた道筋をもう一度辿るというのはどうなのだろう。幸いそれでも彼女はレオに好意を抱くのだけれど、やはり本質的にレオは彼女の好みだったということなのだろう。いずれにしても、つくづく恋というのは生き物なのだと痛感させられる。レオがペイジの姉の結婚式で、彼女の元婚約者を殴り倒したことをキッカケに２人は離婚することに…。要はもう２人の人生が交わることがないのだとお互いに気付いてしまったのだろう。一体どういうオチにもって行くのか。やはり最後には彼女の記憶が戻って感動の大団円なのか。

そんなことを考えながら見ていたのだが、ある日ペイジは買い物の最中に友人と出逢い、その友人が自分の父と不倫していたことを知ってしまう。どうもこの辺の展開があまりに急で取ってつけたようなのが気になる。何しろそれで彼女は実家を出て街に住み始め、再びレオとやり直そうというラストに話は展開して行くのだから。ペイジが家を出た理由が父親の不倫だったことは解ったが、それとレオとの恋愛は本来別の話ではないのか。そこが潮目になる理由が良く解らない。いつも行く店ではなく、新しい行った事のない店に行ってみようとまとめるラストシーンは、お互いに新しい奇跡的な瞬間を積み重ねていこうと決めたシーンでもあり、人を好きになることがとても尊く幸せなことだと実感できるシーンでもあった。

個人的おススメ度3.5
今日の一言：レイチェルで★0.5♪
総合評価：72点

作品情報
キャスト：レイチェル・マクアダムス、チャニング・テイタム、サム・ニール、スコット・スピードマン、ジェシカ・ラング
監督：マイケル・スーシー
製作：ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン
製作総指揮：J・マイルズ・デイル、オースティン・ハースト、スーザン・クーパー
原案：スチュアート・センダー
脚本：アビー・コーン、マーク・シルバースタイン、ジェイソン・ケイティムズ
撮影：ロジェ・ストファーズ
美術：カリーナ・イワノフ
編集：メリッサ・ケント、ナンシー・リチャードソン
音楽：マイケル・ブルック、レイチェル・ポートマン
原題：The Vow
製作国：2012年アメリカ映画
配給：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間：104分
映倫区分：G

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