プレイ‐獲物‐/La proie
刑務所で知り合った男に妻への伝言を頼んだ主人公が、実は男が連続殺人犯だったことを知り妻子を守るために脱獄し男を追う様子を描いたサスペンスアクションだ。主演はアルベール・デュポンテル。共演にステファーヌ・デバク、セルジ・ロペスが出演している。監督はエリック・ヴァレット。幹線道路を走り抜けたり、電車に飛び乗ったりと、アルベールの体当たりのアクションに注目だ。 |
逃亡と追跡が一体化した面白さ |
あらすじ
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最初観た時にはタイトルの意味がピンとこなかった。実は今回はプレイはプレイでも“Play”でも“Pray”でもなく“Prey”。何のことはないサブタイトル通り獲物とか餌食という意味だった(苦笑)どうでも良いのだが、個人的に映画本編よりも本編を使った上映前の注意フィルムの方が何度も何度も観せられたのと、恐ろしくツマらなかったせいで記憶に残っている…。さて、今回の主人公は銀行強盗で刑務所に収監されているフランク(アルベール・デュポンテル)。実は彼は仲間と共に収監されていたのだが、金を隠したのが彼自身だったせいで何かに付けて脅迫を受けている。そんなタイミングで同房のモレル(ステファン・デバク)が未成年者暴行の冤罪が認められて釈放されることになった。
物静かで真面目な彼を信用したフランクは妻アンナ(カテリーナ・ムリーノ)への伝言を託すのである。ところが!その後面会に来たマニュエル(セルジ・ロペス)という元憲兵によってモレルが実は巧妙に罪を逃れたサイコ野郎だということが判明したから一大事。それからのフランクは日々アンナや5歳の愛娘アメリ(ジャイア・カルタジオーネ)の無事を祈り悶々と眠れない日々を過ごすことになるのだった。っとまあそう考えると“Prey”は一応“Pray”(祈る)でも意味が通らなくもない気がする。結果的にその祈りは通じず、アメリは連れ去られアンナは殺されていたのだが。それにしてもモレルの行動の動機付けが少々あやふやだったように思う。
彼はそもそも未成年の女子に対する暴行容疑で収監されていたのだ。要するに最初はフランクの娘アメリが目的なのかと思ったのだが、どうもそうではないらしい。具体的にはモレルの妻クリスティーヌ(ナターシャ・レニエ)の希望を叶える為にアメリを連れ去り、まるで我が子の様に可愛がるのである。では金のためだろうか。恐らくフランクが強盗した金の隠し場所を知っていることは刑務所中の人間が噂話レベルにせよ知っていただろう。しかしだからと言ってモレルが金目当てで犯行を犯しては彼のサイコなキャラクターに犯罪が合致しないのだ。とはいえ現実にはモレルは金を奪って逃走する。フランクは刑務所内で看守を抱きこんだ元仲間たちに襲われたのをキッカケに脱獄するのだった。
車での逃走シーンもさることながら、ひたすら走って逃げるフランクとそれを追う刑事クレール(アリス・タグリオーニ)の画が緊張感を煽ってくれる。特に幹線道路を逆走するシーンは次々向ってくる車をギリギリで避ける2人にドキドキしてしまった。一方モレルは自分の罪をフランクになすりつけるべく細工を施す。結局フランクは脱獄だけでなく連続婦女暴行殺人事件の容疑者としても追われることに…。ただこの流れにはちと失笑した。モレルは一応自分の隠れ家らしきところにフランクの痕跡を残し、それをもって刑事たちは彼の犯行だと決め付けるのだが、冷静に考えたらそんなことが成立するはずがないだろう。大体フランクは出所間近だった。ということはそれなりに長く収監されていたはずだ。
それなのに真新しい証拠が出てくること自体おかしいし、そもそも動機すら解らないのに彼の犯行だと考えてしまうというお粗末さはいくらなんでもどうかとおもう。ともかくこの時点でモレルをフランクが追い、フランクをクレールが追うことだけは決まった。この追いかけっこはそれなりに見応えがあるのだが、無能な警察だけに毎回毎回後手をふむと言うのがなんとも情けない(苦笑)しかも刑事がフランクを直ぐ見つけるのはともかく、フランクがモレルまで一直線なのは話が上手すぎだろう。あっという間にモレルの潜伏先を突き止めたフランク、そして同じ頃クレールと刑事たちは連続殺人がモレルの仕業であることに気付き同じくモレルの潜伏先に直行する。
連続殺人犯としてのサイコぶりを露にしたモレルのお陰で後味が悪い終わり方になりそうだと思ったのだが、最後の最後でエクスキューズがあったのは素直に喜ぶべきなのか。いずれにしても逃亡と追跡が一体化した面白さはあったものの、ストーリーの展開に弱冠無理があったと言わざるを得ないだろう。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:ジャイア・カルタジオーネちゃん可愛い!
総合評価:61点
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