屋根裏部屋のマリアたち/Les femmes du 6ème étage
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| ある意味フランスらしいお話 |
あらすじ ![]()
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時代は1960年代、舞台はパリ。高級アパートに住むジャン=ルイ・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)は株式仲介人で稼ぐ金持ちだ。妻のシュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)はセレブの奥様の例に漏れず、家事一切はメイド任せ。更に2人の息子たちは寄宿舎に入れていた。長年この家で働いてきた老メイドがシュザンヌと上手く行かず辞めたのをキッカケにやってきたのがスペイン人メイドのマリア(ナタリア・ベルベケ)だった。当時のフランスでは「メイドと言えば今はスペイン人」と言うぐらいで、スペイン内戦後のフランコ軍事政権が支配する故郷を離れてパリで働く貧しい彼女たちスペイン人女性の多くがセレブなフランス人家庭に雇われていたのだった。
原題『LES FEMMES DU 6EME ETAGE』(6階の女たち)は、マリアを含めた6人のスペイン人メイドたちがジャン=ルイの住むアパートの6階に住んでいたことからついている。邦題はどちらかと言うと情緒的であり、個人的には悪くないと思った。と言うのも本作は単なる6階の彼女たちの話というより、ジャン=ルイがマリアに惹かれて行くラブストーリーでもあるからだ。彼女を気に入るキッカケはゆで卵。きっかり3分半の半熟ゆで卵を朝食に食べることが唯一の拘りというジャン=ルイに、マリアは完璧なゆで卵を出してみせるのだ。言うなれば彼の恋は卵から生まれたわけだ。美しく機智に富んだマリアだが、その裏に6階の仲間たちの協力があったりもする。
さて、ヨチヨチ歩きのジャン=ルイの恋がいよいよ本格的になって行くのはマリアの裸を目撃してしまったことがキッカケだった。シュザンヌに気に入られたマリアはシャワー室を使う許可をもらっており、たまたま早く帰宅したジャン=ルイはシャワーを浴びるマリアを目撃してしまったのである。バストトップこそ見えないものの、豊満なバストは彼の脳裏に焼きついたに違いない。マリアの事を気に入った彼は何かと彼女に目をかけ、それだけでなく6階のメイド仲間に対しても親切にする。ずっと詰まっていたトイレを直したり、DVで家出した女性のために家を紹介したり、無論それは全てマリアの歓心を買う為なのはモチロンだ。もっともルキーニの人の良さげな顔は変な下心感じさせない。
スペイン人らしいラテン系で感情表現が大きなメイドたちの姿は観ていて何かと可笑しくて仕方なかった。ある日、彼女たちに食事に招かれたジャン=ルイは、6階で美味しいワインとパエリアを楽しみながら大いに歌い大いに踊る。マリアに恋はしていても、離婚してまでとは考えていなかったジャン=ルイ。ところがこの一件が思わぬ事態を引き起こすのだった。彼の帰りが遅くなり、良からぬ噂の多い顧客の夫人からの手紙を見つけてしまったシュザンヌは彼が浮気したと思い込むのである。かくして家を追い出された彼は、何と6階にマリアたちメイドと共に住むことに決めるのだった。しかし考えようによってはこれはジャン=ルイにとっては願ったり叶ったり。
友人となったスペイン人メイドたちやマリアとの楽しい生活、しかも仕事は今までのままなのだからお金は当然持っている。つまり生活の心配がなくて自由を手に入れたのだから、そりゃ毎日がイキイキとして来て当然だ。軍事政権の窮屈さから逃げ出したメイドたちと、毎日の生活の窮屈さから逃げ出したジャン=ルイ、似ているようで似ていない境遇の6+1人の生活がこの後暫く描かれることに。結局彼は息子たちの説得にも耳を貸さず、シュザンヌとの離婚を決意する。これには少々違和感を感じなくもなかった。正直言ってシュザンヌはそれほど悪い女性に見えなかったし、2人でベッドを共にするなど確かに愛し合っていた様子も描かれているのだ。
無論マリアのせいだけでなく、結婚以来積み重なった不満もあるようだが、そんなものは長い結婚生活の中では誰しもあるものである。とはいえ既に両想いの2人にはそんな当たり前の思考はない。恋は盲目とは良く言ったものだ。この後もすんなりと結ばれない2人ではあるが、それでもジャン=ルイは一途に彼女を愛し続ける。結論から言えばその想いは遂げられるのだけれど、2人の息子の事を考えてもそう簡単に人生リセットしてしまうことに共感はしづらかった。フランス人は離婚率が非常に高いというけれど、それだけにこういう考え方も自然に受け入れられるものなのかもしれない。
個人的おススメ度
3.0
今日の一言:メイドたちの明るさは楽しい
総合評価:65点
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