« 苦役列車 | トップページ | コナン・ザ・バーバリアン/Conan the Barbarian »

2012年7月11日 (水)

屋根裏部屋のマリアたち/Les femmes du 6ème étage

Photo 1960年代のパリを舞台に、高級アパートに住むセレブな夫婦とスペイン人メイドたちの暮らしをユニークに描いている。雇い主の男とヒロインの禁断の恋の行方は…。主演は『モリエール 恋こそ喜劇』のファブリス・ルキーニ。共演に『悪魔のリズム』のナタリア・ベルベケ、『プレイヤー』のサンドリーヌ・キベルラン、カルメン・マウラらが出演している。監督・脚本はフィリップ・ル・ゲ。
>>公式サイト

ある意味フランスらしいお話

book あらすじ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01_2

時代は1960年代、舞台はパリ。高級アパートに住むジャン=ルイ・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)は株式仲介人で稼ぐ金持ちだ。妻のシュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)はセレブの奥様の例に漏れず、家事一切はメイド任せ。更に2人の息子たちは寄宿舎に入れていた。長年この家で働いてきた老メイドがシュザンヌと上手く行かず辞めたのをキッカケにやってきたのがスペイン人メイドのマリア(ナタリア・ベルベケ)だった。当時のフランスでは「メイドと言えば今はスペイン人」と言うぐらいで、スペイン内戦後のフランコ軍事政権が支配する故郷を離れてパリで働く貧しい彼女たちスペイン人女性の多くがセレブなフランス人家庭に雇われていたのだった。

02_2

03_2

原題『LES FEMMES DU 6EME ETAGE』(6階の女たち)は、マリアを含めた6人のスペイン人メイドたちがジャン=ルイの住むアパートの6階に住んでいたことからついている。邦題はどちらかと言うと情緒的であり、個人的には悪くないと思った。と言うのも本作は単なる6階の彼女たちの話というより、ジャン=ルイがマリアに惹かれて行くラブストーリーでもあるからだ。彼女を気に入るキッカケはゆで卵。きっかり3分半の半熟ゆで卵を朝食に食べることが唯一の拘りというジャン=ルイに、マリアは完璧なゆで卵を出してみせるのだ。言うなれば彼の恋は卵から生まれたわけだ。美しく機智に富んだマリアだが、その裏に6階の仲間たちの協力があったりもする。

04_2

05_2

さて、ヨチヨチ歩きのジャン=ルイの恋がいよいよ本格的になって行くのはマリアの裸を目撃してしまったことがキッカケだった。シュザンヌに気に入られたマリアはシャワー室を使う許可をもらっており、たまたま早く帰宅したジャン=ルイはシャワーを浴びるマリアを目撃してしまったのである。バストトップこそ見えないものの、豊満なバストは彼の脳裏に焼きついたに違いない。マリアの事を気に入った彼は何かと彼女に目をかけ、それだけでなく6階のメイド仲間に対しても親切にする。ずっと詰まっていたトイレを直したり、DVで家出した女性のために家を紹介したり、無論それは全てマリアの歓心を買う為なのはモチロンだ。もっともルキーニの人の良さげな顔は変な下心感じさせない。

06_2

07_2

スペイン人らしいラテン系で感情表現が大きなメイドたちの姿は観ていて何かと可笑しくて仕方なかった。ある日、彼女たちに食事に招かれたジャン=ルイは、6階で美味しいワインとパエリアを楽しみながら大いに歌い大いに踊る。マリアに恋はしていても、離婚してまでとは考えていなかったジャン=ルイ。ところがこの一件が思わぬ事態を引き起こすのだった。彼の帰りが遅くなり、良からぬ噂の多い顧客の夫人からの手紙を見つけてしまったシュザンヌは彼が浮気したと思い込むのである。かくして家を追い出された彼は、何と6階にマリアたちメイドと共に住むことに決めるのだった。しかし考えようによってはこれはジャン=ルイにとっては願ったり叶ったり。

08_2

09_2

友人となったスペイン人メイドたちやマリアとの楽しい生活、しかも仕事は今までのままなのだからお金は当然持っている。つまり生活の心配がなくて自由を手に入れたのだから、そりゃ毎日がイキイキとして来て当然だ。軍事政権の窮屈さから逃げ出したメイドたちと、毎日の生活の窮屈さから逃げ出したジャン=ルイ、似ているようで似ていない境遇の6+1人の生活がこの後暫く描かれることに。結局彼は息子たちの説得にも耳を貸さず、シュザンヌとの離婚を決意する。これには少々違和感を感じなくもなかった。正直言ってシュザンヌはそれほど悪い女性に見えなかったし、2人でベッドを共にするなど確かに愛し合っていた様子も描かれているのだ。

10_2

11_2

無論マリアのせいだけでなく、結婚以来積み重なった不満もあるようだが、そんなものは長い結婚生活の中では誰しもあるものである。とはいえ既に両想いの2人にはそんな当たり前の思考はない。恋は盲目とは良く言ったものだ。この後もすんなりと結ばれない2人ではあるが、それでもジャン=ルイは一途に彼女を愛し続ける。結論から言えばその想いは遂げられるのだけれど、2人の息子の事を考えてもそう簡単に人生リセットしてしまうことに共感はしづらかった。フランス人は離婚率が非常に高いというけれど、それだけにこういう考え方も自然に受け入れられるものなのかもしれない。

soon 7月21日(土)公開

個人的おススメ度3.0
今日の一言:メイドたちの明るさは楽しい
総合評価:65点

作品情報
キャスト:ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルラン、ナタリア・ベルベケ、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ベルタ・オヘア、ヌリア・ソレ、コンチャ・ガラン、マリー=アルメル・ドゥギー、ミュリエル・ソルベ、オドレイ・フルーロ、アニー・メルシエ、ミシェル・グレイゼル
監督:フィリップ・ル・ゲイ
脚本:フィリップ・ル・ゲイ、ジェローム・トネール
製作総指揮:フィリップ・ルースレ
撮影:ジャン=クロード・ラリュー
編集:モニカ・コールマン
美術:ピエール=フランソワ・ランボッシュ
衣装:クリスチャン・ガスク
音楽:ホルヘ・アリアガータ
原題:Les femmes du 6eme etage
製作年:2010年
製作国:フランス
配給:アルバトロス・フィルム
上映時間:106分
映倫区分:G

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 苦役列車 | トップページ | コナン・ザ・バーバリアン/Conan the Barbarian »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/46277000

この記事へのトラックバック一覧です: 屋根裏部屋のマリアたち/Les femmes du 6ème étage:

» 『屋根裏部屋のマリアたち』 2012年7月4日 東商ホール [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『屋根裏部屋のマリアたち』 を試写会で鑑賞しました。 屋根裏に何人が住める大豪邸に住みたいな・・・なんてアホな思ったw 【ストーリー】  1962年、マリア(ナタリア・ベルベケ)は軍事政権下にある祖国スペインを離れ、パリに逃れて来る。彼女は叔母(カルメン・マウラ)らと共にアパートの屋根裏部屋で共同生活を送っていた。そんなある日、マリアは同じアパートに住む株式仲買人ジャン=ルイ(ファブリス・ルキーニ)の家に、メイドとして迎えられることになる。その後ジャン=ルイは、妻がいるにもかかわらず少しずつマリ... [続きを読む]

受信: 2012年7月11日 (水) 07時24分

» 屋根裏部屋のマリアたち [あーうぃ だにぇっと]
屋根裏部屋のマリアたち@東商ホール [続きを読む]

受信: 2012年7月24日 (火) 06時05分

» 屋根裏部屋のマリアたち [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
60年代のパリで出会った、スペイン人メイドとその雇い主の思いがけない恋を描く「屋根裏部屋のマリアたち」。恋愛至上主義のフランスならではの大人のラブストーリー。1962年のパリ ... [続きを読む]

受信: 2012年7月25日 (水) 06時36分

» 屋根裏部屋のマリアたち [風情♪の不安多事な冒険 Part.5]
 フランス  コメディ  監督:フィリップ・ル・ゲ  出演:ファブリス・ルキーニ      サンドリーヌ・キベルラン      ナタリア・ベルベケ      カルメン・マ ... [続きを読む]

受信: 2012年7月26日 (木) 17時20分

» 屋根裏部屋のマリアたち [映画感想メモ]
生き生きとしたスペイン女性達が魅力的。 いい加減あらすじ 証券会社を継いだジャン [続きを読む]

受信: 2012年8月 4日 (土) 21時16分

» 屋根裏部屋のマリアたち [映画的・絵画的・音楽的]
 『屋根裏部屋のマリアたち』を渋谷のル・シネマで見ました。 (1)物語の舞台は、1962年のパリとされます(注1)。  主人公のジュベール(ファブリス・ルキーニ)は、証券会社を営む中年男性で、先祖から伝えられているアパルトマンで暮らしています。  先代の奥方か...... [続きを読む]

受信: 2012年8月 7日 (火) 06時05分

» 映画「屋根裏部屋のマリアたち」楽しく生きる姿がまぶしい [soramove]
「屋根裏部屋のマリアたち」★★★★ ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルラン、 ナタリア・ベルベケ、カルメン・マウラ出演 フィリップ・ル・ゲイ監督、 106分、2012年7月21日公開 2010,フランス,アルバトロス・フィルム (原題/原作:LES FEMMES DU 6EME ETAGE) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←... [続きを読む]

受信: 2012年8月 7日 (火) 17時47分

« 苦役列車 | トップページ | コナン・ザ・バーバリアン/Conan the Barbarian »