プレイヤー/Les infidèles
『アーティスト』でアカデミー賞主演男優賞を獲得したジャン・デュジャルダンが原案・監督・主演したオムニバスラブコメディ。全部で6人の監督がメガホンを取った中には、アカデミー賞監督賞を獲得したミシェル・アザナヴィシウスも含んでいる。共演に『この愛のために撃て』のジル・ルルーシュ、『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』のギョーム・カネらが出演。 |
まさかオムニバスだったとは… |
あらすじ
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うーん、今年ベスト1の作品『アーティスト』の主演俳優ジャン・デュジャルダンが監督までし、さらにはその『アーティスト』の監督ミシェル・アザナビシウスも監督に名を連ねるということで結構期待していたのだが…結果的に全篇セックス依存症ぽい男が出てくる以外何だかよく解らない作品だった。そもそもオムニバス映画というのも後で知ったのだが、観ていてオムニバスだと気付かなかったのだ。その最大の原因はオムニバスなのにメインの出演俳優が全てジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュの2人だからだ。オープニングエピソードでジャン扮するフレッドとルルーシュ扮するグレッグは悪友同志で、お互い既婚者ながらホテルで豪快なセックスシーンを見せてくれる。
セックスしまくるジャン・デュジャルダンが観られるという事前の噂通りだと思いきや今度は一転して若いジャンが登場してくる。どうやら公式サイトのストーリーを観ると、別のエピソードになっているらしい。しかし私はすっかり過去の回想だと思い込んでしまった…。確かに観ていたらルルーシュ扮するカスタンは車椅子に乗っていて、しかもジャン扮するローランを笑いものにするというお話なので、全く繋がりは感じられないのだが、残念なことにこれがキッカケで最初の悪友になったのだろうなどと想像しながら観ていたのだ。ついでに言うと、オープニングエピソードで2人はラスベガスに女を抱きまくりに行こうと意気投合するのだが、その様子が幾つかのエピソード後に挿入されていた。
ただでさえ別の物語だと思っていないだけに、それをやられると増々全体で一つのストーリーだと思い込んでしまったのだった。そうこうしながら観ているとそれぞれの話の繋がりがさっぱり解らなくなってくる。そもそも繋がっていないのだから当然なのだが。最初に登場したグレッグの妻と後で登場する妻の顔が違っていても、昔はこうだったのかと勝手に脳内変換してしまったりするのだから人間の頭などいい加減なものだ。かくして増々頭の中は混乱し、それぞれのエピソードにも集中できなくなっていく…。もっとも個々の物語自体は男なら解らなくもないものだった。例えば何が何でもセックスしたいから普段なら手を出さない手近な女性でいいやと妥協したり、若い恋人の行動に嫉妬したり…。
先日観た『シェイム』と同じくセックス依存症の男の物語のようにも思えるのだが、話に悲壮感が感じられない分コメディとしても面白かった。実際男のセックスに対する欲望は依存症とそうでない領域の境目がはっきりと見えるわけではない。それだけに本作の方が切り口的には色々観られて楽しめるかもしれない。もっとも最後の最後、ラスベガスでフレッドとグレッグがゲイとして結ばれて、フランスに帰らずアメリカのショービズの世界で成功するという展開はどうかと思う。あれだと単に彼らはバイセクシャルだったというだけの話にならないか?おまけにフランスに戻らずラスベガスで成功するというのは既にもう話として一体何を描きたかったのか意味が解らなかった。
個人的おススメ度2.0
今日の一言:これ本国でそんなにうけたの?
総合評価:45点
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