Miss Boys! 友情のゆくえ編
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女装ドラマと青春ドラマのハイブリッド |
あらすじ
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前作から1年後の物語。坂本ことマサミンと金子ことネコチャンは星修学園の2年生になっていた。ハッキリ行って前作が気に入った人ならば間違いなくおススメの作品だ。前作のエントリーでも書いたが、女装応援団という一見取っ付きにくい設定に既に最初から慣れた状態で観ることが出来る続編はもう最初から面白い。あの女装甲子園が終わり、優勝したマサミンは今はバスケ部に戻っている。3年のチェリーとお嬢は卒業して今はミキティが団長、ネコチャンが副団長だ。それにしてもどうして連中は普段から長ランを着ているのだろう(苦笑)別に応援団と言えども普段は普通の制服で良いと思うのだが…。第一本当に応援する時にはチアリーディングの格好をするのだから長ランそのものの意味が…。
それはさて置き、今回は新入生として東修一(古川雄輝)が入団することになる。東の<源氏名>ニックネームは「あずましゅういち」からマシューと決まった。相変わらず脚本・片岡翔のナイスなネーミングセンスが光っている(笑)さて、タイトルの「友情のゆくえ」だが、これはマサミンとネコチャンの友情のゆくえのことで、無論そこには女装という大前提が絡んでくるものの、人間心理としては普遍的な物語だった。事の起こりはマシューだ。メイクが抜群に上手いマシューをミキティは大いに気に入り、毎日応援の練習もせずにメイクの練習ばかり。そんな2人にネコチャンは不満を抱いていた。根性を磨くために入った応援団なのに女装ばかりが優先しているからだ。
っというのは表向き。彼の本音はマシューに対する嫉妬なのだ。ミキティと2人で応援団を支えてきたのに、そのミキティがマシューばかり構っているから自分はもう必要とされてないんだ!と拗ねているワケである。しょーもないと思いつつも誰でも一度や二度はこんな思いを抱いたことはあるのではないか。応援団から足が遠ざかるネコチャンに声を掛けたのが、芸能事務所の社長・加賀美京子(黒沢あすか)だった。自分を必要として認めてくれる人がそこにいる、自分の居場所がそこにあると思えばネコチャンならずともそこに居たいと思うのは当然だ。彼が応援団を辞めると言い出したことを知ったマサミンは、彼を止めようとする。ここからこの2人の友情の持つれが描き出されていく。
脚本的に上手いと思うのは、この2人の争いにもう一段油を注ぐことだ。実はそれが加賀美の存在だったりする。元々女装甲子園でマサミンに目をつけた彼女は、彼に振られたからネコチャンにターゲットを切り替えたのだ。ま、本当にそうだったのかはどうでも良い。少なくともネコチャンからすれば自分はマサミンの代わりだったのかと思うわけで、これが即ち油である。「Girls Boy」というオーディションで勝負をつけることになった2人は、ここから猛特訓を始める。ところがここでももう一段脚本的に仕掛けを凝らしてあるのがまた上手い。単に目的に向かって努力するだけでなく、そこにマサミンのバスケットボール部員としての立場も絡めて、それが最終的な結末に響いてくるのだ。
ところで、今回は前田健がネコチャンのダンストレーナーとして登場したり、モデルで女優の谷内里早がアイドル・きらら舞として登場しマサミンにダンスを仕込んだりしてくれる。アイドルの振り付けやダンスを完全コピーすることが最近Youtubeやニコニコ動画上で流行っているが、正にそれのメイキングを地で行くような展開が面白い。特に最初は全く踊れないマサミンが、最終的には舞、ミキティ、マシュー、お嬢まで巻き込んで会得したダンスを見せてくれるシーンはある種感動ものの面白さだ。こいつら本当にバカだなぁと思いながらも思わず笑ってしまうのである。前回よりも女装シーンは少ないのだが、どっちにしても美しい女装というより笑える女装なので別に気にならない(笑)
前作同様の王道の青春ドラマ、王道の友情ドラマに込められた数々の笑いのおかげで、観ている方はありきたりな想いだったり、つまらなさを感じる暇が無い。言うなれば女装ドラマと青春ドラマのハイブリッドだ。何だかこの後の展開が気にならないでもないのだが、こういう作品はサッとやって潔く終わっておいたほうが良いだろう。
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個人的おススメ度3.5
今日の一言:最後のオチは…(苦笑)
総合評価:72点
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