『浪漫者たち』 あらすじ

(ネタバレを含む)
俳優の伊勢谷能宣は、舞台「前夜」の通し稽古の最中で、彼は青年彫刻家に扮している。1年ほど前、伊勢谷は急に日本的なものに憧れて、能を習い始めた。その稽古初日に梅若靖記先生は仕舞の「三輪」を舞っていた。ある日、伊勢谷は奈良県の桜井駅に降り立つ。駅前で黄色いマウンテンバイクに乗った石川(石川真希)の姿を目にした伊勢谷が三輪明神で知られる大神神社にたどり着くと、彼女もそこにおり、互いに言葉を交わした。石川は「日本浪曼派」の保田與重郎を研究しており、記念にと言って「日本浪曼派」の雑誌を伊勢谷に手渡す。その後、伊勢谷は狭井神社へと向かった。ここには三輪の神さまの御神体のお山に登る入り口があるのだが、お山に登る決心ができていない彼は狭井神社を出て、池のほとりで三島由紀夫の書「清明」が刻まれた記念碑を見つける。しばらく歩いて檜原神社に到着した伊勢谷は、着物と袴に着替え扇を構えた。すると、どこからともなくギターを抱えた紳士(佐野史郎)が現れ、伊勢谷をからかうのだった。東京に戻った伊勢谷は、茶道の中村洋子先生の娘・純子からピアノのミニ・コンサートと一緒に読書会もしたいので協力してほしいと頼まれる。彼はそのテキストをゲーテの「若きウェルテルの悩み」に決め、保田與重郎の「ヱルテルは何故死んだか」を参考資料にする。伊勢谷が司会を務めた読書会は、思うような成果は出ず、彼は落胆するが、その時の参加者キムが浪漫主義に興味を示した。数週間後、キムと会った伊勢谷は、キムが書いた戯曲に主演することになる。そしてその「前夜」のラストで伊勢谷扮する青年は、決して挫けない浪漫者の魂を告白する。その後、久しぶりにやまとを訪れた伊勢谷はさわやかな気持ちでお山に登って行くのだった……。

(c) キネマ旬報社
(c) Variety Japan より

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