『チャイナ・シンドローム/The China Syndrome』 あらすじ・作品情報
あらすじ(ネタバレ)
キンバリー・ウェルズ/Kimberly Wellsはアメリカの地方テレビ局の女性リポーター。硬派ニュースの記者を志していたが普段は日常のたわいもないニュースを担当していた彼女だったが、ある日ステップアップのチャンスが巡ってきた。原子力発電所のドキュメンタリー特番の取材を担当することになったのだ。彼女はカメラマンのリチャード・アダムス/Richard Adamsとともに原子力発電所の取材に赴く。取材でコントロールルームを見学している最中に、原子力発電所は何らかのトラブルを起こしたようだった。そこは撮影禁止の場所だったにもかかわらず、アダムスは密かにそのときのコントロールルームの様子を撮影していた。
何が起きたのか分からなかった二人は、そのフィルムを後日原子力の専門家に見せると、専門家からはこれは重大な事故が起きる寸前であったと伝えられる。このまま原子炉が制御を失っていたなら、核燃料は溶解して地面を溶かしながら地球の裏の中国に向かって沈んでいき、途中で地下水と反応して水蒸気爆発を起こし、放射性物質を広範囲に撒き散らす結果になっていたという。しかし発電所からはトラブルに関する何の発表もなかった。ジャック・ゴデル/Jack Godellはそのトラブルの当事者だった。彼が計器の表示間違いに気づき、危ういところで大惨事を免れていたのだった。取材後、発電所の近くにあるバーでウェルズとゴデルは知り合う。原子力発電に疑問を投げかけるウェルズに対し、原子力発電の必要性を訴えるゴデル。しかしゴデルも先日のトラブル後の対応から故障の兆候を感じ取り、わき上がる疑問を押さえることが出来なくなっていった。ゴデルは過去の安全審査資料を調べ直し、そこで先日のトラブルに繋がる重大な証拠を発見する。検査にかかる費用を削減するため、該当箇所は義務付けられているはずの検査が長期に渡って行われておらず、定期検査の結果には不正が施されていたのである。
今すぐ発電所を止めて検査を行わなければ、大惨事に繋がりかねない故障が起こりうる。危機感を訴えるゴデルとは裏腹に、原発管理者側は原子力発電の安全性を信じて疑わず、多額のコストがかかる検査など不要であるとして、ゴデルの訴えを一蹴する。そこでゴデルはウェルズを通じ、検査に不正が施されていることをマスコミを通じて世間に告発しようとする。一方で原発管理者側は、ゴデルの行動を莫大な損失をもたらす背信行為と受け止め、暴力も辞さない実力行使に出る。ゴデルは、証拠の資料を受け取ったマスコミ側の人間が自動車事故に遭ったことを知らされ、原発管理者側が本気で阻止に来ていること、自分もまた狙われていることを悟る。
ゴデルはカーチェイスの末に執拗な追手を振り切って原子力発電所に駆け込むが、そこで彼は故障の兆候が現実のものとなり、一刻の猶予もない状態まで進行しているのを目撃する。ゴデルは説得が通用しないことを悟ると、職員を銃で脅して制御室に立て篭もる。そしてテレビ中継を通じて原発事故に繋がるトラブルを世間に告発するか、さもなければ制御室からの操作で汚染物質をばら撒き発電所を使用不能にすると脅迫する。原発管理者側はゴデルの要求を飲んでウェルズを呼び出すが、一方で警察の突入部隊を呼び出し、またいつでもテレビ中継を中断できるよう、電力供給を断つための工作活動を開始する。しかしこの工作活動は図らずも、ゴデルが指摘した故障箇所に致命的な負荷をかけることに繋がってしまう。ウェルズによるテレビ中継が始まった直後、原発管理者側によって電力供給が絶たれるが、それを引き金として原発事故が発生する。警報が鳴り響く中、事態を悟ったゴデルは死に物狂いで原子炉の停止を試みるが、彼は警察の突入部隊によって射殺される。故障した原子炉は大惨事を起こす寸前で停止する。
原発管理者側は駆けつけたテレビ中継の取材に対し、一連の騒動はゴデルが酒に酔って錯乱して起こしたものであると主張し、原発が安全であることを強調して事故の隠蔽を図る。しかしゴデルの行動に心を動かされた同僚は原発管理者の意向に反し、テレビ中継の前で真実を明かす。ウェルズも視聴者に対してゴデルの正当性を訴える。ニュース番組は電子レンジのCMによって一時中断され、映画はそのまま幕を下ろす。
(Wikipediaより)
作品情報
キャスト:ジェーン・フォンダ、マイケル・ダグラス、ジャック・レモン
製作総指揮:ブルース・ギルバート
製作:マイケル・ダグラス
監督・脚本:ジェームズ・ブリッジス
脚本:マイク・グレイ、T・S・クック
撮影:ジェームズ・クレイブ
音楽:スティーブン・ビショップ
原題:THE CHINA SYNDROME
製作国:1979年アメリカ映画
上映時間:122分
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